半導体分野を攻める工作機械メーカー
- 投稿日時
- 2025/01/09 14:00
- 更新日時
- 2025/01/09 14:03
—— SEMICON JAPANから ——
工作機械メーカーが半導体分野の市場を取り込もうとしている。12月13日まで東京で開かれた半導体関連の専門展「SEMICON JAPAN」でそんな姿が見られた。同展への出展が2回目という牧野フライス製作所はフェムト秒レーザー加工機とウォーターガイドレーザー加工機で加工したワークを並べた。同社は「このSEMICON JAPANやPhotonix(光・レーザー技術展)に出展することで当社の加工機をお持ちでないお客様や金型分野以外のお客様から問合せが増えている」と手応えを話す。出展の前週にフェムト秒レーザー加工機「LF400」で加工したという窒化ケイ素ワークは、数センチ角の範囲に3万5640の穴(穴径30μm、ピッチ40μm)を高速であけた(軸移動を含み1穴に要する時間はわずか0.6秒)。しかも5軸制御のガルバノスキャナーヘッドを用いることでストレート穴に仕上げた。
初出展の安田工業はXYステージを出品。実は同社は20年ほど前からXYステージをOEMで提供しており、半導体検査装置用とFPD製造装置用にそれぞれ100台以上ずつの納入実績がある。「XYステージは今以上に高精度化していく。きさげ技術をもち、大きなものでも精度よく製造する技術をもつ当社としてはそれに応えていこうと今回表に出てみた」と出展理由を話す。
ここ10年以上、毎年出展するニデックマシンツールは常温ウェーハ接合装置をアピールした。常温で接合することで、熱膨張率の異なるウェーハを破損させないのがこの装置の特長だ。常温接合装置を手がけるメーカーは日本に数社あるが、「当社ほど気合いが入っているところはない」と言い切る。装置には金属接合時に10tまでの圧接荷重がかかる。「工作機械で培った技術で装置の剛性を高めることができる」のがウリという。
牧野フライス製作所が5時間45分で3万5640穴をあけた窒化ケイ素(板厚200μm)
(日本物流新聞2025年1月10日号掲載)