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島津製作所、インドに新工場を建設

投稿日時
2025/03/10 09:00
更新日時
2025/03/10 09:00
SMI完成予想図

2027年稼働へ、販売会社も統合して事業体制を強化

島津製作所は、高い経済成長が見込まれるインドの事業を強化するため、同国カルナタカ州に製造子会社「Shimadzu Manufacturing India Private Limited(略称SMI)」を設立。新工場は2027年春に竣工・稼働開始を見込む。

インドは23年に人口が世界1位となっており、2060年頃まで増加するとみられる。GDP(国内総生産)も27年に世界3位(現5位)となると予想される。

同社の注力領域であるヘルスケア・グリーン・マテリアル・インダストリーにおいても、後発薬(ジェネリック医薬品)の世界的な生産地域であるほか、電気自動車(EV)、半導体の自国生産も進むと見込まれる。同社はこれまで製品を日本および「Shimadzu Malaysia Sdn. Bhd.」(マレーシア、略称SML)からインドへ供給していた。新工場建設でサプライチェーンの強化とともに国産品優遇策(Make in India)に対応する。SMIでは27年から液体クロマトグラフ(LC)、ガスクロマトグラフ(GC)、紫外可視分光光度計(UV)、液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS)、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)の製造を開始する。将来は計測機器にとどまらず、医用機器や産業機器の製造も検討している。

また、同じくインドで計測機器と医用機器の販売会社を統合して、「Shimadzu India Private Limited(略称SIP)」を25年夏に設立予定だ。新販売会社SIPは、島津製作所のアジア統括会社である「ShimadzuAsia PacificPte.Ltd.(シンガポール、略称SAP)」100%出資の、同社にとって孫会社となる。インドでは計測機器は05年に、医用機器は01年にそれぞれ販売会社を設立して営業・サービスを行っていたが、2社を新会社SIPとして統合する。両事業を同一組織で運営することで、両機器を使用する病院などの顧客との協力関係を強めて「臨床領域での事業展開力向上」や「ソリューション提供による顧客満足度の向上」を目指す。

新製造会社SMIおよび新販売会社SIPの設立により、島津製作所はインドにおいて35年には約470億円(23年比約2.6倍)の売上高を計画している。

(日本物流新聞2025225日号掲載)