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スギノマシン、溶接歪み自動追従のロボシステム

投稿日時
2025/01/22 09:00
更新日時
2025/01/22 09:00
簡易治具でも対象ワークの形状に倣いながら加工できる

スギノマシンは1216日、ワークの設置誤差や溶接歪みを自動認識し、リアルタイムで追従・加工できるファイバーレーザー溶接ロボットシステムを開発したと発表した。既に精密板金分野で先駆的な取り組みをするフジムラ製作所(埼玉県川口市)に納入し稼働を始めている。

本システムは同社製のロボットCRbConnected Robot)とその制御/操作ユニット、ファイバーレーザー溶接機器、溶接定盤などで構成される。特に、新開発のセンシング技術による溶接経路の自動補正機能「アクティブトラッキング」を追加した点が特徴になる。

従来、精密板金分野の溶接作業をロボット化する場合、専用治具を用いてワーク設置時の位置ズレや溶接歪みの発生を抑える必要があった。そのため、治具製作のコストと労力に見合う量産品以外の対応が難しく、多品種少量品については職人による手作業が中心となっている。

本システムは、同社製ロボットシミュレーションソフト「CROROROS」で加工プログラムを自動で作成するとともに、溶接トーチ横に取り付けられたレーザーセンサーによってワーク形状を認識。リアルタイムに加工プログラムと実際のワークの位置ズレ・溶接歪みを認識・補正しながら溶接が行えるため、ワイヤ線径が1㍉前後と細くズレや歪みの影響が出やすいファイバーレーザー溶接も自動化する。

スギノマシン代表取締役副社長の杉野岳氏は、「日本のモノづくり業界では人手不足が確実視されている。一方で、今ある技術力を落とすわけにはいかず、むしろ上げていかないといけない状況にある。ロボットメーカーであり制御も手掛けている我々が、モノづくりにとって非常に重要な溶接分野に集中投資することで、業界の技術力の維持・向上、人手不足に対応していきたい」と話し、3年後までに同システムの50台販売という目標を示した。

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左からスギノマシン・執行役員RI事業部長 大西武夫氏、同・代表取締役副社長 杉野岳氏、フジムラ製作所・代表取締役社長 藤村智広氏

(日本物流新聞2025110日号掲載)