
強度と切削性を両立
ソディックは同社の金属3Dプリンター「OPMシリーズ」に対応した新素材「HYPER 21」の販売を開始した。コバルトを含まないマルエージング鋼ベースの粉末材料で、造形時に生じる残留応力の抑制・開放するための独自技術「SRT工法(Stress Relief Technology)」に対応する。
同社は従来、SRT工法と併用できる粉末として「SUPERSTAR 21」や「SVM」などを展開してきたが、硬度が高く切削性に難があった。これに対し、HYPER 21は造形後の高度をHRC40に抑えることで、切削加工性と耐摩耗性、強度特性のバランスを実現。特に複雑形状や薄肉構造の金型部品造形に効果を発揮する。仕上げ加工代の削減や加工時間の短縮にもつながるという。時効処理(エイジング処理)によってHRC50以上の高硬度化も可能で、量産対応もする。
また、コバルトを含有しないため、「特定化学物質障害予防規則」などの環境規制や輸出規制の対象外となる。
(日本物流新聞2025年7月10日号掲載)