リノベーションオブザイヤー2023
- 投稿日時
- 2024/01/03 09:00
- 更新日時
- 2024/01/03 09:00
「高級トイレ空間」がグランプリ受賞
(一社)リノベーション協議会(山本卓也理事長)は12月14日、魅力的なリノベーション事例を選ぶコンテストおよび選考委員による講評会を東京大学本郷キャンパスで開催した。
総合グランプリに選ばれたのは、bELI(田平生樹代表)による、誰もが快適に過ごせる特別な高級トイレ空間『プレミアムT』。同プロジェクトは国の指定難病であるクローン病と戦う友人から着想を得てスタート。クローン病は腹痛、下痢、血便、発熱、肛門の痛みなどが慢性的に発生し、長時間トイレに滞在を強いられる。現段階では原因も解明されておらず、完全に治すための治療法も開発されていない。
そこで同社は神奈川県川崎市にある築30年以上のマンションの一室のトイレと洋室を一体化。居室としても機能する空間を演出。折りたたみ机、ダウンライトスピーカー、床暖房、涼風機能付き暖房機、単機換気扇などを導入。玄関側の隔てにはモールガラスの窓を採用し、採光とプライバシーの確保を両立した。
「リフォームを通して誰かの役に立ちたい。一人でも喜んでくれる人がいれば、その人のためにできることがしたい、という想いで施工した」(田平代表)
リノベーションにかかった費用はおよそ500万円。施工期間は2カ月半という。
同コンテストでは、消費者にとって関心の高い施工費別に「800万円未満部門」、「1500万円未満部門」「1500万円以上部門」、「無差別級部門」の4部門に分けられている。
2023年の総エントリー数は267事例。SNSを活用した一般ユーザーの声を取り入れ一次審査を行い、67作品をノミネート。その後、住宅系を中心としたメディアの編集者8人で構成された選考委員によって最終選考を実施し、総合グランプリ、部門別最優秀賞4点、特別賞13点を選出した。
また、今年度から新たに、リノベーション・オブ・ザ・イヤー2023にエントリーした事業者が投票で選ぶ「プレイヤーズチョイス」を新設。フロッグハウスによる「これからの団地リノベのあり方を問う」が選ばれた。同作品は神戸住環境整備公社が団地リノベのモデルハウスを公募し、それに採用されたもので、若いファミリー層を意識した仕上がりとなっている。
(2023年12月25日号掲載)