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将来宇宙輸送システムがJFEエンジニアリングと協業しロケット組立拠点を開設

投稿日時
2025/07/01 09:00
更新日時
2025/07/01 09:00
将来宇宙輸送システムの畑田康二郎代表取締役(左)とJFEエンジニアリングの戸田伸一専務執行役員

鶴見に開設

再使用型ロケットの開発を進める将来宇宙輸送システム(ISC)は528日、JFEエンジニアリング(JFEE)と協業に関する基本契約を結び、JFEE・鶴見製作所内にロケットの開発・組立拠点を立ち上げたと発表した。

今回の取り組みではJFEEが鶴見製作所内にある組立て工場の一部(約2500平方㍍)をISCに貸し出す。期間は2027年度末まで。施設内では、ISCが開発を進め今年中に米国での打ち上げを予定する再使用型ロケット「ASCA1.0」を含むASCA1シリーズの開発と組立てを行う。

建物の賃貸借のほかに、ISCは宇宙開発における部品加工のニーズや要求品質に関する情報を、JFEEは造船やプラント建設、産業機械製造などで培ってきた金属加工や組立て技術に関する知見を提供する。また、同製作所内に21年から導入・活用している金属3Dプリンターに関する技術協力や受託加工も検討する予定。

同日には、ISCが米国で実施予定のロケット垂直離着陸実験「ASCA1ミッション」の概要も紹介。実験では機体を高度100m以上まで上昇させた後、目標地点から5㍍以内に着陸させることを目指す。ASCA1.0は全長8.3m、直径2mで、機体質量の40%3Dプリンターで製造した部品を使用する。

JFEE・専務執行役員の戸田伸一氏は「1916年に創業者の浅野総一郎氏がベンチャー精神で造船業・重工業を立ち上げたこの地で、今度はベンチャー企業が宇宙に向けて取り組んでいくことに意義深さを感じる」とコメントした。

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WAAM方式の金属3Dプリンターで製造された燃料タンク。ASCA1.0でも同様の製品が使用される予定

(日本物流新聞2025625日号掲載)