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DMG森精機、奈良事業所刷新

投稿日時
2025/05/22 09:00
更新日時
2025/05/22 09:00

DMG森精機(株)

約2万㎡の自動化システム構築エリアを有し、大型のライン構築も可能に

世界最大級の自動化システム工場、延床4万平方㍍に

DMG森精機は改修を行っていた奈良事業所(奈良県大和郡山市)を4月から本格稼働した。世界最大級の自動化システムに特化した拠点とする。現在、工作機械製造を伊賀事業所(三重県伊賀市)に集約しており、奈良事業所は2016年の工場新設以来、5千平方㍍のシステムソリューション工場として機能していた。今回の改修では建物・設備含めて約90億円を投資し、従来比の4倍となる約2万平方㍍(自動化システムの構築エリア。延床面積は約4万平方㍍)と、世界最大級のシステムソリューション工場として大きく刷新。

森精機社長.jpg

森雅彦社長

パレットハンドリングシステムや機内走行式ロボットシステム「IMTR」やモジュール式ロボットシステム「MATRIS」を用いたワークハンドリングシステム、大容量工具マガジン「CTS」によるツールハンドリング、AMRなど多様な自動化システム設計から組み立て、出荷前の立ち合いまで一貫した生産体制でワンストップで提供する。長さ100㍍以上の自動化システムラインも構築可能で、操作盤の組立てや制御盤の試作品組み立ても行う。

「従来のシステムソリューション工場にはサキコーポレーションが移転し、近隣にはマグネスケールのレーザースケール工場を建設中。同時に開所したAMイノベーションセンタなど奈良エリアにかける期待は大きい。様々な周辺機器メーカーと取引しながら世界中の人を迎え入れ、日本の生産技術を伝えたい」と森雅彦社長は開所式で述べた。


AMイノベーションセンタも同時開所


森精機AMイノベーションセンタ01.jpg

積層造形の前後工程の粉末保管庫や3Dスキャナなどの周辺機器も備え、一連のAMプロセスを体感できる

DMG森精機はAM事業の強化も積極的に進めている。第二本社である奈良商品開発センタ(奈良市)の1階に、最新の金属AM(Additive Manufacturing)機を設置した「AMイノベーションセンタ」を4月に開所。4月1日付でDMG森精機Additiveを設立しており、グローバルのAM技術開発の中心拠点として同施設を据える。

「2022年に伊賀グローバルソリューションセンタ、東京グローバルソリューションセンタ内に『AM Lab&Fab』を開設し、金属AMの受託加工サービスを行ってきた。培った技術をもとにソリューション提供も行っていく。AM技術の成熟により量産レベルでの活用にめどがつき、分社化により収益も上げていく。工作機械の内製部品の量産にもAMを活用しており、最近ではボールねじに使われるデフレクタをSLM方式により内製している」(DMG森精機Additive SLM開発グループ大多和毅グループ長)。

指向性エネルギー堆積(DED)方式を2台、選択的レーザ溶融法(SLM)方式を3台、合計5台の金属AM機を設置。顧客のニーズに対しDfAM(Design for Additive Manufacturing))により形状の最適設計から積層条件の提案、実際の造形まで行う。

(日本物流新聞2025年5月15日号掲載)