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からくり改善実例セミナー、神戸市などが実施

投稿日時
2024/11/06 18:00
更新日時
2024/11/06 18:00
からくり機構で重量物の移載初動がラクに

 神戸市や(公財)新産業創造研究機構などが主催する「からくり現場改善入門セミナー」が、神戸市の兵庫県立工業技術センターで103日開催された。
 「お金をかけず知恵を使う」、「簡単な仕掛けで作業を効率化」が今回のテーマ。会場の同技術センターにはAIやデジタル関連の研究室がいくつも並び、現場の工夫と創造力にフォーカスした本セミナーと、対照が際立っていた印象も。
 テコの原理、バネやぜんまい仕掛け、滑車や歯車、特殊な治具などを組み合わせて現場の改善につなげた3社の事例を順に開発者らが説明した。実際のカラクリ機構も多く展示された。
 神戸に本社を置く検体検査などの大手シスメックスは、1.2㌧の薬液タンクをスムーズに移動させる為のカラクリ機構などを発表した。このケースでは、タンクを載せる台車に2つ、バネ仕掛けのペダルを組み付け、一つのペダルの動きが台車を「押す」際の、もう一つが「引く」際の初動時に人の負荷を大幅に減らす。
 ペダルを踏むと、ペダル下についたゴム板が適度な角度で床面に伸びて密着。これが支点となって初動をラクにする仕組みだ(写真)。イメージ的にはスキーのストック(棒)が滑り出しを補助するのに似ている。「視察に見えたトヨタの前々社長から特許を取るようアドバイスを受けたこともある」(同社)そう。しかし同社は機構をオープンに公開し「モノづくりの会社同士、からくり改善例を共有して現場力を高めていければ」などと話す。
 からくり改善の効果や取り組みの注意点を検証的に伝える講義もあり、満員の聴講者は多くが関心を高めた様子。「からくり改善の効果の大きさを改めて感じた。発想力が触発される思い」(参加者)の声もあった。

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アイデアや工夫に満員の参加者が関心を寄せた

(日本物流新聞20241025日号掲載)