教示と条件調整容易に
ダイヘンは、溶接現場に特化した協働ロボット用溶接システム「Welbee Co-R」を発売した。ロボットアームの直接操作による教示、リアルタイムの溶接条件調整などを可能にした。ユニバーサルロボット(UR)社の協働ロボットに接続して使用する。
ロボット導入にあたって中小規模の工場で想定される、設置スペースの確保、操作のスペシャリスト育成、安全対策にかかるコストなどの課題を解決した。セットアップのしやすさ、使いやすさが評価され、日本の溶接機メーカーで初めてユニバーサルロボット社の認証製品の証である「UNIVERSAL ROBOTS+」を取得した。
アームを直接手でつかみ、動かして動作を覚えさせる教示方法「ダイレクトティーチング」の操作性を高めるため、教示ハンドルにロック解除ボタンを設けることで、細かな狙い位置の調整ができる。
半自動溶接機用のリモコンから、リアルタイムでアークの確認と溶接条件の調整も可能に。ダイヤルで電流と電圧を調整するため、「アークから目を離すことなく条件変更でき、設定にかかる時間を削減できる」という。アークの細かな変化を通じて、溶接のノウハウを教える技能伝承ツールとして活用できる点もメリットに挙げている。
溶接条件を設定する画面は、必要な機能を集約した。「Welbee Co-R」ボタンをクリックするだけで溶接プログラムの基礎となる10個のコマンド(溶接開始指示、溶接開始・終了位置など)と説明を表示することで、初心者でも説明書なしでプログラムの作成ができる。
システム構成の中心となるのは、緻密な波形制御が可能な溶接機「Welbee Inverterシリーズ」。軟鋼、アルミ、ステンレスなど、材料に応じたモード選択で「欠陥のない美麗なビードを実現」する。薄板から厚板まで適用できることから、板金加工部品から産業機械部品まで様々な溶接現場の需要を見込む。
メーカー希望価格は溶接機「WB-M350L」搭載で税抜187万円(延長ケーブル10?b仕様・協働ロボットは含まない)に設定した。
(2020年8月25日号掲載)