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将来宇宙輸送システム、米・ロケットエンジン開発企業とタッグ強化

投稿日時
2025/04/11 09:00
更新日時
2025/04/11 09:00
2025年内に飛行実証を目指す再使用型ロケット「ASCA1(アスカワン)シリーズ」

再使用型の宇宙輸送機(ロケット)の開発を手掛ける将来宇宙輸送システム(東京都中央区、畑田康二郎代表取締役、以下ISC)はこのほど、米・ロケットエンジン開発企業のUrsa Major Technologies社からロケットエンジンの追加調達を行うと共に、将来的なエンジン開発に関する共同検討を行うことで合意したと発表した。

米国製ロケットエンジンは国際武器移転規則などに基づき原則として米国外への持ち出しが禁止されている。同社は米国法人Sirius Technologies, inc100%子会社)を設立。1月、同子会社が米国内で飛行実証を計画し、一定の範囲内で技術情報のやり取りを可能とする技術援助協定の締結の承認を受けた。今回の合意と併せて、実証時の不測の事態に備えた予備用エンジンの確保などの将来的な需要を見据えた調達が可能となった。

また、Ursa Major Technologies社が開発を進めているロケットエンジン「ARROWAY(アロウェー)」を用いたロケットシステムの共同開発についても検討する。アロウェーは液体メタンを燃料とした二段燃焼サイクルによる高性能エンジンで、SpaceXなどの一部の米国のスタートアップが実用化している。複雑で高度なエンジン開発を実現するため、両社が既に活用している金属3Dプリンターの知見を持ち寄り、技術力を向上させていくことを狙う。

同社は2025年内に再使用型ロケットASCA1(アスカワン)シリーズの飛行実証の実施を目指している。日本企業が米国製ロケットエンジンを用いて米国で飛行実証するのは初の試みとなる。

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Ursa Major Technologies社が開発を進めているロケットエンジン「ARROWAY(アロウェー)」のイメージ



(2025年4月10日掲載)