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ヤマナカゴーキン、自社開発SFAで活動量3倍に

投稿日時
2026/11/04 09:00
更新日時
2026/11/04 09:05

分業体制確立で属人化解消、新規案件は3年連続30%超増

自動車向け金型メーカーのヤマナカゴーキンが自社開発し、外販展開も進める営業支援システム(SFA)「SaleScience」(開発・販売:セーレンス)が、自社の営業力強化と働き方改革の両立に寄与している。一般的なSFAが案件化率の改善に主眼を置くのに対し、同システムは行動の可視化により「活動量」そのものを3倍に引き上げ、母数を拡大するアプローチをとる。同社ではこれにより新規案件数が3年連続で30%以上増加し、3年間で約2倍に拡大した。

ヤマナカゴーキン専務でセーレンス社長を兼務する山本忠司氏は、「従来は各地の営業拠点ごとに営業と営業事務がペアを組み、業務が属人化していた。子育て世代が多い営業事務が休むと拠点の業務が滞る構造だったが、SaleScienceで顧客・商談情報を一元管理・共有したことで、他拠点が遠隔で業務をカバーできるようになり、格段に休暇を取得しやすい環境になった」と語る。

活動量を3倍に引き上げながらも、営業の残業時間はほぼ横ばいを維持している。営業担当者が抱えていた周辺業務を徹底して削ぎ落としたためだ。既存顧客への対応や事務作業は、従来の営業事務チームを再編した「インサイドセールス部門」へ移管。外勤営業は新規開拓に特化する分業制を敷いた。山本専務は「行動量自体は増えたが、本来集中すべき業務に特化させたことで、個人の労働強度はむしろ緩和された」と説明する。

一方で、入力作業やプロセスの可視化、分業へのシフトに対してはベテラン社員を中心に反発もあり、方針への不一致から離職者が出る摩擦も経験した。

山本専務は「営業変革に伴い人員は過渡的に3割減少したものの、新規案件数は伸び続け、残業も増えていない。仕組みで成果を出す基盤は整った。今後は採用を強化して過渡期から安定期へと移行させ、組織全体の労働時間削減を進めていく」と、属人性を排した営業プロセスの確立に自信を示す。



(日本物流新聞2026年10月25日号掲載)