山善×ロジライズ、ロジス大阪が稼働から1年
- 投稿日時
- 2026/04/01 08:00
- 更新日時
- 2026/04/01 10:35
外販拡大へ加速、積載効率上げCO2排出抑制
ロジライズと山善は、西日本のモノづくり産業を支える物流拠点「ロジス大阪」(東大阪市)の本格稼働から約1年を迎えた。自動倉庫やプロジェクションマッピング、AMR(自律走行搬送ロボット)を活用し、従業員の習熟度を問わないスマート物流を追求。山善が掲げる「物流2030年ビジョン」において、メーカーや販売店、同業卸から輸配送受託を目指す「第2ターム」の重要な橋頭堡であると同時に、社名を改めたロジライズにとって、自らの力で稼ぐ「外販事業」の試金石となっている。
生産財物流の難しさについて、ロジライズの辻村宗一ロジス大阪所長は次のように説明する。
作業を説明する辻村宗一ロジス大阪所長
「単純に人時生産性を上げるだけなら、ネット通販大手のように商品を同じ箱に一つずつ入れて“空気を運ぶ”形にしても成立します。しかし生産財物流では、五月雨式に入る受注を一定時間ためてまとめて梱包し、荷造り個数を減らしながら物量を減らすことが重要です。これによりコストだけでなくCO2排出量も削減できます。自動倉庫ではなく“半自動”を掲げた理由もそこにあります」。
生産財物流では、複雑な商品ハンドリングや、販売先担当者ごとにバラバラに発注される業界慣習の「五月雨受注」への対応が求められる。山善は創業以来70年以上にわたり、これらを効率化する「おまとめ配送」を行ってきた。ただ、こうした作業は熟練作業員の経験に依存する部分も大きかった。
ロジス大阪では「歩かせない、待たせない、考えさせない倉庫」をコンセプトに、完全自動化ではなく、人のノウハウとシステムを融合した半自動化を志向する。
「ロジス大東は約2600坪でしたが、ロジス大阪は約5000坪と大幅に大型化しました。庫内の横幅は約180㍍あり、10台のAMRを活用して地点間搬送を行うことで省人化を実現しています。1台で6~7人分の作業を担います」
また「名寄せ」作業についても大きく進化した。ロジス大東では人力と経験に頼った「名寄せ棚投入の手作業」で対応していたが、ロジス大阪では「おまとめ配送用シャトル自動倉庫」により自動化を実現した。
コンテナが作業台に到着すると、作業台上部のプロジェクターが光と音で格納位置を示す「プロジェクションマッピングシステム」が作動する。これにより仕分けミスが大幅に減少し、グループ内取引における誤出荷・クレーム発生率を3年以内に100PPM以内に抑える目標達成にも寄与する。
「機械工具はメーカーごとに入り数が異なり規格がありません。ロジス大東ではベテランの勘と経験で仕分けていましたが、ロジス大阪では新規採用も多く、システムと教育で品質を担保する必要があります。今後、経験値が蓄積されるほど物流品質はさらに向上すると見ています」
このシステムは三菱ケミカルエンジニアリングが主導し、ダイフクとオークラ輸送機が協業して開発した「おまとめ配送用シャトル自動倉庫」。名寄せ用途でシャトルを活用する構成は独特で、その後類似システムが広がるなど先駆的な事例となった。
さらに同社では、このシステムにおいてバケット間で商品を移動させる人手作業に、ヒューマノイドロボットを活用する可能性も検討している。
■早朝配達サービスも始動
サービス面では、18時頃までの受注分を翌朝9時までに届ける「早朝配達サービス」を、京都・滋賀エリアから進める検討をしている。
プロフィット化(外販)も着実だ。すでに作業工具メーカーから約200坪分の業務を受託。「あらゆる3PLとの連携経験から、荷主側のシステムとシームレスに接続できるのが強み」という。営業企画部 営業課が外販を強力に推進しており、各施設も受注対応のため約1割の余力を残してバックアップする。
また、旧拠点のロジス大東では、3PL委託していた大型商品の内製化を進めると同時に、空いたスペースを活用した「レンタル事業」を開始する。SIerなどをターゲットに、自動化システムの仮置き・仮組み用途での引き合いも出ているという。「山善の物流は、業界随一と言えるほど複雑。それを完遂できているからこそ、外販においても『品質とスピードはお任せください』と胸を張れます」。辻村所長はそう言って、冗談っぽく笑った。
(日本物流新聞2026年3月25日号掲載)
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