アサダ、茨城・日立で冷媒管理講習会
- 投稿日時
- 2025/07/16 09:00
- 更新日時
- 2025/07/16 09:00

配管工具メーカーのアサダは6月18日、冷媒の充填・回収に関する講習会を、超高圧ケーブルや光ファイバ関連工事を行う常陸放送設備の日立支社で開催した。講習は、第一種フロン類充填回収業者としての登録を目指す同社の取り組みの一環で、同社支社内に新設した講習スペースを活用して行われた。
エアコンなどに使用される冷媒(フロン類)は強力な温室効果ガスであり、2015年に施行された「フロン排出抑制法」により、取り扱いや処理方法に厳しい法規制が定められている。業務用エアコンでは現場での冷媒充填作業が必要不可欠であり、使用済の機器を廃棄する際も第一種フロン類充填回収業者による回収が義務化されている。
講習ではアサダ・東京支店主任の山下裕都氏が講師を務め、冷媒の充填・回収手順や使用機器の仕組み、施工の注意点などを実演しながら解説した。
「例えば、冷媒充填時に行う真空引きの際、能力が出ない真空ポンプを使用してしまっている場合がある。これはエアコン故障の原因になる。真空ゲージなどを使用して真空ポンプの能力を管理するとともに、油の定期交換などメンテナンスを適切に行っていただくことで、施工不良を防止できる」(山下さん)
講習会を開いた常陸放送設備の田村弘代表は「フロンの適切な管理は環境負荷低減に寄与できる意義のある活動。会社・社員としてできることを増やしながら、社会課題への貢献にも力を入れていきたい」と他業種に進出する背景を語る。同スペースは今後、社外にも広く開放する予定で、「茨城県の県北地域には、冷媒の管理を始め専門的な技能を学べる施設がない。一方でそうした技能を持つ人材へのニーズはなくならないし、私自身もそうですがそうした分野に興味を持つ若い人も多くいる。そうした人がアクセスできる場所を作りたい」と狙いを話す。
講習会には田村代表と常陸放送設備から4人の社員が参加した。普段は超高圧ケーブルや光ファイバ関連の工事に従事しているという
(日本物流新聞2025年7月10日号掲載)