
素材供給、レーザ・タップ加工、仕分けまで
ヤマザキマザックはレーザー加工機への素材供給とレーザー加工・タップ加工、その後の仕分け作業までを自動化する「MAZAK LASER FA SYSTEM」を7月16日に発売した。シートチェンジャとタップ加工セル、自動仕分けセルで構成されており各セルは後付けも可能。セルはレーザー加工機のCNC装置で一括管理でき、板金加工の一連の作業を全自動化する。
シートチェンジャでレーザー加工機への素材供給と加工品の搬出・格納を実行。最大でM24までの大径タップや座ぐりなどのミル加工に対応するタップ加工セルを用い、タップ加工はレーザー加工機外で行う。自動仕分けセルはネスティングデータと製品の重心位置情報に基づき、ロボットハンドのマグネットの位置を自動で変更できる。これにより1つのハンドで様々な形状の製品をつかみ、教示レスで自動で仕分けしていく。
レーザー加工機用のCAD/CAMからネスティングデータとタップ加工データ、仕分けデータを取り込むため、システムのスケジュールはレーザー加工機のCNC装置で作成できる。3つのセルで定価は税抜1億6000万円で年間6セットの販売を目指すとする。
同日に20キロワットの新型高出力発振器を搭載した2次元ファイバーレーザー加工機「OPTIPLEX 3015HP/4220HP」も発売した。同機は厚板加工に注力したモデルで、板厚50ミリの軟鋼も高速かつ高い加工面品質で加工できる。これが可能になったのは、業界で一般的なファイバーレーザー発振器が溶接と切断を兼用しているのに対し、切断に最適化した鋭いビーム形状と高い収束性を持つ発振器を採用したためだ。
なお新型発振器は同社で修理が可能で、遠隔診断などのデジタルサービスも提供して長期の安定稼働に繋げる。標準保証は5年だが追加で5年の延長保証が可能。船舶やプラント、重機など厚板加工市場へ提案し、年間50台の販売を目指す。
OPTIPLEX 3015HP
(日本物流新聞2025年7月25日号掲載)