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自動車生産のライン改革、ダイフクが車体搬送AGV 

投稿日時
2025/02/24 09:00
更新日時
2025/02/24 09:00

最大6.5トン

ダイフクは最大6.5㌧のけん引と全方位の走行が可能な大型AGVTRVS(トラヴィス)」を開発した。自動車生産ラインに用いる車体(ボディ)を運ぶオーバヘッドタイプやフロアタイプのコンベヤからの置き換えを想定し、自動車メーカーは生産する車種や台数の変動に対し柔軟なラインを構築できる。自動車業界は電動化の先行きが不透明な中で難しい舵取りを迫られ、まとまった投資に踏み込みづらい。トラヴィスは重量物を搬送する変化に強い設備として車の組立プロセスを変える可能性がある。

自動車の組立ラインでは従来、ボディを低速で搬送しながら作業者がエンジンなど必要な部品を順番に組み付けていく。近年は昇降機能の付いた台車にボディを載せ、上の作業者ごと搬送するフロアコンベヤ方式が主流だ。

現在は電気自動車(EV)などさまざまなモビリティを提供する必要が出てきたことから、内燃機関車(ICE車)を生産する既存ラインを生かし、バッテリーの取り付け工程をICE車は素通りするなど異なる駆動方式の車を混流して生産する場合が多い。生産ラインが一筆書きで長くなりやすく、今後EVや燃料電池車などの生産台数が増えれば全体を再構築する必要が生じる。

TRVSは低床かつ縦長のAGVだ。フロアコンベヤの代わりに台車の下に潜り込み、従来と同等の速度でボディや作業者ごと台車を搬送する。全方向へ移動できるため分岐が可能で、自動車によって工程の違う箇所だけ複数のラインに分岐し共通工程では合流させることで混流生産でもライン長が短くなる。EVなど車両構造の変更に伴う生産革新が進む中で、クルマづくりのあり方を変えられる可能性もある。

ルート変更には床面のQRコードを張り替えることで対応する。世界的なEVの販売鈍化で自動車は先が見通しづらい状況が続くが、組立ラインが変化に強くなれば自動車メーカーも需要に追随がしやすい。

TRVS6.5㌧のけん引が可能で、車両重量が重いEVを台車ごと搬送できる。工場のレイアウトに合わせたフレキシブルな設計や生産量に応じた台数の導入が可能だ。ダイフクは販売目標を明らかにしていないが、将来的には大型治具など車体以外の重量物搬送も視野に入れる。

(日本物流新聞2025225日号掲載)