1. トップページ
  2. ニュース
  3. 滋賀県高島市の琵琶湖でヨシ狩りイベント

滋賀県高島市の琵琶湖でヨシ狩りイベント

投稿日時
2025/01/08 09:00
更新日時
2025/01/08 09:00
ヨシを協力して刈る岡本哲社長(左)と西山和宏社長

万博や国スポのユニフォームの素材へ

滋賀県高島市で127日、ヨシ刈りイベント「びわ湖岸ヨシ刈りからはじめるSDGSMLGSイベント」が開催され、約170人のボランティアが参加。収穫されたヨシは「大阪・関西万博」や「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」のユニフォームの一部に利用される予定だ。びわこ高島の葦を守る会が主催し、関西みらい銀行やユニフォームの製造販売のたまゆらなどが共催した。

ヨシ素材の販路拡大ニーズがあった高麻と、サステナブルなユニフォーム開発に取り組んでいたたまゆらを、関西みらい銀行がビジネスマッチングで引き合わせたのがきっかけで「ヨシ生地」が、大阪・関西万博のユニフォームとして提供されることとなった。ヨシの採取と民間のノウハウの利活用のため「ヨシ刈り」イベントに二社が参画した。ヨシ刈りを行った中矢佳花さん(4歳)は「チクチクして収穫は大変だったが楽しかった」と笑顔で答えた。同銀行・西山和宏社長は「当社の社員や家族約50人が参加している。私が参加したのは今回が初めて。ヨシもどきの様な草も多く生息しているがヨシは刈ってみるとしっかりしており、さまざまな素材に活用されてきたのが実感できた」と話した。

■ 民間の力で「ヨシ刈り」を「収穫祭」に

ヨシは、琵琶湖の消波・浸食防止作用を持ち、鳥類・魚類をはじめとした多様な生物に住処を提供し、水質の保全を担っていた。単年で育つヨシは育成過程でCO2を閉じ込める性質があり、収穫することによりカーボンオフセットにも貢献する。かつては葦簀(よしず)や、かやぶき屋根などに利用されていたが近代化により需要が減少。現在では放置され景観や水質悪化の原因となっている。

たまゆらの岡本哲社長は「我々は商売人なので、ヨシに価値をつけることに貢献できる。誰かの負担により実施する活動は限界があるが、市場価値があるものになれば、たとえ当社が継続できなくなっても、誰かが引き継いでくれる。そうなればヨシ刈りが作業ではなく『収穫祭』になる」と力強く語った。

(日本物流新聞20241225日号掲載)