【レビュー】国際物流総合展2021〈2〉

盛況のうちに幕を閉じた国際物流総合展2021を振り返る本企画。今回は、AGV以外の省人化・省力化・環境改善提案のなかから注目を集めたものをピックアップし、マテハン提案の「今」に迫ります。

【画像1】「ロボットを超えるロボット」として高い処理能力をアピールした伊東電機のTAPS
【画像2】=テザーハンドルの向きや角度を察知して作業者の後を追従するCoRoCo。記者も操作してみたが、旋回や停止も滑らかで搬送の負担を全く感じなかった
【画像3】=タクテックのGASは、商品バーコードを読み取ると該当する棚の間口に設けられたゲートが開く
【画像4】=ワークビジネスで売上の拡大が続くミズノは、「素足感覚」のワークシューズをアピール

旬のマテハン機器、各社の提案は?

移設・増設容易なマテハン設備に注目

3月9日~12日の4日間、Aichi Sky Expoで開催されたアジア最大級の物流専門展示会「国際物流総合展2021」。会場ではAGVやピッキングロボットを筆頭に数多くの自動化ソリューションが披露されましたが、もちろんマテハン提案はAGVだけにとどまりません。ここでは、来場者の注目を集めた製品群をいくつか紹介します。

会場内でも一際大きな設備を配置し、物流センターの出荷工程を模した高速ピッキングデモを行ったのが伊東電機です。

同社が出品したのは、トレイを用いることで多品種・不定形の商品を定形化し、物流施設におけるピッキング作業を自動化する「TAPS(トレイマネジメント・オート・ピッキングシステム)」。▽荷捌き・スキャニング▽垂直合流・仕分け▽商品バッファ▽オーダー集品―といった4つのモジュールブロックから成る設備ですが、それらを構成するのは同社のコア技術であるMDR(モータードリブンローラー)。同社が「マテハンの万能細胞」と呼ぶ、ローラーの内部にモーターを搭載した基幹駆動源です。

「TAPSは制御ロジックを標準化したMDRによる搬送モジュールを組み合わせているため、ユーザーの望む様々な形にカスタマイズできる」と伊東電機の担当者。立ち上げはもちろん移設・増設も容易で、実際に展示ラインは約半日で組み立てが完了したそう。「近年数を増やしているマルチテナント型の物流センターでは、移設・増設が簡単な『根の生えない』システムが重宝される。仮に自動化の計画を立てられる人材が社内にいなくとも、立ち上げが容易な我々のシステムならそこを支援できる」とアピールしました。

■AVGより安価な搬送ロボ

自動化ソリューション以外にも、省力化や環境改善につながる製品が多数出品された今回の物流総合展。そのなかで、「製造業の工場、特に中小企業の方に使っていただきたい」と東京貿易マシナリーがアピールしたのが、運搬作業に特化したロボット「CoRoCo-S100」です。

使い方はひも状の「テザーハンドル」を持って歩くだけと、至ってシンプル。搭載したTFS技術(テザー・フォロイング・センサ技術)によってテザーの引き出し量と引き出し角度を検知して人の後を自動追従し、人の動きに合わせ停止や旋回も行います。テザーを繋げば大量連結も可能で、例えば先頭のAGVに数台のCoRoCoを連結することで自動搬送用途でも活躍。1台あたり100kgまでの運搬が可能と、可般重量も確保しました。「とにかく操作が簡単なので導入のハードルが低い」と、東京貿易マシナリーの担当者。「似たような設備としてカルガモ式の自動追従型AGVがあるが、そういった機器と比べ価格を大幅に抑えている。一般的なAGV1台分の費用で複数台のCoRoCoを導入できる」と話しました。

「『人は間違える』ということを前提にミスをしない設備を追及した」。そうアピールしたのは、Hikrobotの潜り込み式AGVとのコラボ展示を行ったタクテックの担当者です。同社が出品したのは、作業者のミスピッキングを防ぐ「GAS(Gate Assort System)」。商品バーコードを読み取ると該当する棚の間口が開く仕組みで、「1時間あたり800~1000品の仕分けと検品を同時に行える」といいます。類似のソリューションを提供するメーカーもありますが、「当社の強みはソリューション志向」と担当者は言います。「製品単体を提供するというより、解決策を提供するイメージ。レイアウトの作成など、ユーザーからの要望に対しフレキシブルに対応できるのが我々の特長です」。

一方、ミズノが披露したのが、スポーツ用品開発のノウハウを活かしたワークウェア群。例えばゴルフウェアに近いカッティングをウェアに施すことで腕の上げ下げを容易にしたり、体が発する水分を吸収して熱に変える「ブレスサーモ」と呼ばれる素材を採用したりと、「設計・素材の両面で動きやすさを徹底的に追求している」といいます。ワークシューズなどを含めた同社のワークビジネス事業は直近3年間で売上を約2倍に伸ばしており、「直近でも物流・運輸業界向けのワークウェアが順調に引き合いを伸ばしている」(担当者)と好調のようです。

ほか、前足部を薄型にしたことでつま先を曲げやすいワークシューズ「ALMIGHTY TD11L」も出品。「ワークシューズだが素足感覚に近い」として、来場者に機能性をPRしました。

〜【レビュー】国際物流総合展2021〈終〉

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