プロが欲しがる作業工具

モノづくり現場に欠かせない「作業工具」。機械化や自動化が進む中、まだまだハンドツールを使わなければ成り立たない作業は枚挙に暇がない。作業工具はある意味、普遍的なものでありながら、より「使いやすく」「安全に」、「機能的に」と進化を続けている。昨今ではさらなる省力化に加え、SNS・動画ブームなどで「映え」も求められる時代にもなっているようだ。

【画像1】タイトルイメージ
【画像2】フジ矢「KUROKIN」シリーズ
【画像3】ベッセル「電ドラボール」限定カラー
【画像4】TONEの限定ツールボックス
【画像5】ロブテックス「J-CRAFTシリーズ」・MCC コーポレーションの「倍力万能ハサミ」

「どうせ持つならカッコいいほうがいい」を掲げ、好調なセールスを記録しているのがフジ矢の「KUROKIN」シリーズだ。シックな黒に金色が差し色として入るスタイリッシュな組み合わせが多くのプロの心を掴んだ。

またインスタグラムをはじめとするSNSをブランディングに活用。「KUROKIN」のハッシュタグで検索すれば数多くの投稿が見つかる。実際に現場で活用するシーンなど、工具を使うプロたちがいわば広告塔として同社製品の周知・拡散に一役買った。

無論、見た目だけでユーザーが飛びつくほど甘くはない。一世紀に渡って信頼と実績を築き上げてきた老舗工具メーカーのフジ矢。KUROKINシリーズにも伝統の「刃付け」をはじめとしたこだわりの技術が詰め込まれていることは言うまでもない。

フジ矢「KUROKIN」シリーズ




電動と手締めのハイブリッドで一躍メガヒット製品となったベッセルの「電ドラボール」シリーズ。従来品は黒ベースの本体にベッセルのコーポレートカラーのレッドをあしらったものだった。ここに新たに加わったのが「アースカラーバージョン」。標準モデルは「ダルグリーン」、ハイスピードモデルは「ダルレッド」を設定した。

「かねてよりアースカラーへの要望をユーザーから多数頂いており、今回は限定色として発売することになりました。グリーン、レッドともに本体色にあわせたLEDライトを採用しました。合わせて『ボールクイックキャッチャー』も限定色モデルを投入しています」

2022年11月14日に発売されたばかりだが、好調な売れ行きを示しているという。

ベッセル「電ドラボール」限定カラー




TONEはアウトドアを意識したカーキとインディゴカラーのツールセットを展開。信頼の同社工具を収めたツールボックスは、コーナー部分がブラックカラーのガードで覆われており、ツールボックスそのものの強度を向上させるとともに、剛性感の高い外観となっている。また持ち手部分のハンドルを倒すと天面がフラットになるので、収納時に荷物を重ねたり、座ることも可能にしている。工具の内容は、オートメカニック用とメンテナンス用を用意。作業に合った選択を可能にしている。

愛用の道具を自分好みにカスタムしたい、そうした要望に応えるのがオーエッチ工業の「グリップテープ」シリーズだ。工具の持ち手部分に巻く専用のテープで、全15色を展開。単色系カラーからアニマル柄、迷彩、和柄などバリエーションも豊富に展開している。

TONEの限定ツールボックス




省力化に繋がる使いやすさ 

プロの「手の延長」とも言える作業工具。その本質はやはり作業性の良さに尽きる。ロブテックスの「J-CRAFTシリーズ」は「つかむ」「曲げる」「切る」といった基本機能を追求したメイドインジャパンの工具だ。 

ラジオペンチ、強力ニッパー、斜ニッパー、先端先曲がりラジオペンチなどをラインナップ。優れた切断能力・耐久性はもちろんのこと、握りやすいマット調のグリップを採用するなど作業性も抜群。また、後付けで手軽に作業性を高められるJ-CRAFT専用アタッチメント「グリップアダプタ」は、長時間作業を楽にする簡易式バネとしても、油で滑りやすい現場の落下防止グリップとしても使える優れものだ。

ロブテックス「J-CRAFTシリーズ」




MCCコーポレーションは、従来品の「万能ばさみ」と「ワイヤカッタ」に、歯車を利用した倍力機構により半分の力で切断可能な「倍力万能バサミ」「倍力ワイヤカッタ」をそれぞれ展開している。

「現在、製造業や建設業の現場では、若い人が集まらず高齢化が進んでいます。当社ではベテランにも初心者にも使いやすく、無駄な力を使わないで済むような製品開発を行っています」(同社)

MCC コーポレーションの「倍力万能ハサミ」

(日本物流新聞 2022年11月25日号掲載)

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