モノづくり入門
【第38回】いまさら聞けないモノづくりの基礎知識
作業工具のイロハ
- 投稿日時
- 2026/05/15 14:30
- 更新日時
- 2026/05/15 14:32
モノづくりの道具で一番身近なのが「作業工具」といえるでしょう。多くの家庭に工具箱があり、箱のなかはドライバー、ペンチなどの作業工具が収納されています。市販の組立家具では材料とともに梱包されたスパナ等で自分で作るケースも多く、作業工具は見るも使うも、多くが経験済みです。

作業工具は手動工具、電動工具、油圧・空圧工具の3つに大別されますが、プロ用ともなると自動車整備用や配管向けなどで特化仕様も多く、種類はざっと100種、さらに細かく分類すると膨大種になります。国内市場は約1・3兆円(卸売ベース)とされ、日本製はお隣の韓国などでも高い販売シェアを誇っています。
国内生産地をみると、筆者の肌感も混じりますが、東大阪市を中心とした大阪府、モノづくりの街として有名な新潟県燕三条市、電動工具最大手のお膝元でもある愛知県が3大メッカといえそうです。近年は地域間の距離を超えた資本提携・M&Aもよくみられます。
締める、緩める、掴む、曲げる、切る、叩く、締結するといった人の作業の全域を担う作業工具は、モノづくりの土台を支える存在だけに信頼性が欠かせません。そのため様々な検証を経て工夫も盛られ、耐久性などはもちろん、一例で締結関連の工具だと「線」で締めるか「点」で締めるか。そのトルクはどうか。研鑽を重ねた結果が商品に現れています。使いやすさや軽量化など多くのニーズを満たすことも問われます。
ここでは一つひとつの作業工具について説明しませんが、情報をひとつ。
全国作業工具工業組合(地引俊爲理事長)がまとめる「作業工具の使い方」が近々リニューアルします(WEB公開・PDFダウンロード可)。約30種の主だった作業工具について用途、特徴、使い方などを写真と文でコンパクトにまとめ、錆びついて外れないボルトの対策などアドバイスも。きっと参考になりますヨ。
作業工具――デザインいいね!
高齢化と人手不足を背景に、使用時の負荷軽減や効率化を実現する上位クラスの作業工具が増え、いわゆる「裾もの」(低価格低品質品)よりも上質工具などと呼ばれるハイエンド工具ジリーズが売れ行き好調です。上質工具はデザイン・カラーもおよそ優先的に強化され、使いたいとともに「持っておきたい」需要者の気持ちも取り込んでいるよう。使用サイドで、勝ち組の業者がよく上質工具を購入している点も流れに弾みをつけています。もちろんデザインが良くても見掛け倒しだと淘汰の対象。メーカーはこぞって質・機能・デザインとトータルな価値向上に懸命です。
(日本物流新聞2026年5月15日号掲載)