JIMTOF2024「技術トレンドと出品製品紹介」
- 投稿日時
- 2024/10/22 17:05
- 更新日時
- 2024/10/29 09:24
工作機械技術トレンド
昨今の日本の工作機械マーケットは正直パッとしない。水準はそれほど低くないものの様々な自動化機能が加わり製品単価があがっており、このところの値上げも加味すると需要はじわじわと縮小傾向にあると見ていいだろう。JIMTOF(日本国際工作機械見本市)はそんな状況を打破する起爆剤となるのか。出展内容をいくつかの技術分野ごとに注目してみた。
■60年間にわたり新技術披露
欧米の主要な工作機械展と比べるとJIMTOFは展示規模で見劣りするも、新製品・新技術発表の舞台として存在感を示してきた。少し振り返ると……。
1962年に大阪で第1回の開催を迎え、2000年(第20回)まで2年ごとに大阪、東京と交互に会場を変えてきた。66年(第3回)にはマシニングセンタ(MC)が初登場し、74年(第7回)はNC機のうちCNCが20%を占有し、NCホブ盤が登場。80年(第10回)は熱変位補正の採用、88年(第14回)に「超精密」成形研削盤が登場(今年は「超越精密」が打ち出されそうだ。10面に出展企業インタビュー)、90年(第15回)には主軸が毎分4万回転の高速MCが見られるようになった。92年(第16回)に72時間無人運転システムが出品され、94年(第17回)は同時5軸制御MCや2面拘束ツールシャンク、軸送り用リニアモーターの採用と高効率加工・自動化の提案が進んだ。2004年(第22回)に減衰性を高めたポリマーコンクリートの採用(今年は複数のメーカーがミネラルキャスト採用機を展示するもよう、06年(第23回)はレーザー加工とウォータージェット加工の融合、08年(第24回)に見られたのは銅電極とグラファイト電極が使用できる放電加工機。10年(第25回)は5軸MCにDDモーター駆動が増加し、同時7軸制御横形MCも見られた。12年(第26回)でレーザー加工はファイバーレーザーが主流となったことを印象づけ、人間工学に配慮したカバー設計が随所に見られた。14年(第27回)にAM(付加製造)を加えた複合加工機やレーザー加工機能を付加した自動盤が登場。16年(第28回)にはスカイビング加工の複合加工機、各種センサーを内蔵した全自動平面研削システムが見られた(以上は日本工作機械工業会『新版 工作機械の設計学(基礎編)』〈2020年〉から)。
2018年(第30回)は最大規模での開催に15・3万人と来場者記録を更新(工作機械受注も暦年で1兆8157億円と最高額)、20年(第31回)は初のオンライン開催(出展者数は前回の1085社から395社に減少)となりDXや5Gに高い関心が集まった。世界の工作機械の技術に詳しい日本工業大学工業技術博物館の清水伸二館長は「近年広まった見える化、つなぐ化とともに持続可能化の比重が高まっている」と話す(上に図)。
■デジタル・AIで知能化
今回のJIMTOF2024(第32回)ではどんな新技術が披露されるのか。工作機械の頭脳といえるCNCの機能強化が著しい。ファナックはアピールする最新CNC「Series 500i-A」について「環境負荷や労働力不足への対策などの新しい市場要求に応える」と自負する。5軸加工機能がさらに使いやすくなったほか、CNC操作画面は現場の作業性を追求した。が、それよりも「デジタルツインによる加工プロセスの最適化やIoTによる工場全体を見渡した効率化といった連携が極めて円滑であり、最大限の効果を発揮できる」と言う。
ニデックマシンツールが初披露するのは、大型機を用いた加工におけるデジタルツインプラットフォーム。「仮想空間での検証やチューニングにより完成度を極限まで高めた加工プログラムデータと、データを忠実に再現できる当社工作機械とで、狙った品質の加工をスピーディに実現する」とする。金属部品加工の現場において作業者が多くの時間を割いている工程や機械稼働率を下げている要因を分析し、その解決策としてデジタル技術やAIを使ったアプリケーションソフトを開発、構築したものだ。
村田機械は新たに開発した工作機械向け予知保全データ分析サービス「プライマリドクタサービス」を紹介する。納入後10年以上経過した機械が対象で、データ分析機器をユーザーが簡単に脱着できる。機械稼働中に重要部位のデータを取得し、それをAIで分析・診断する。「止めずに点検」ができるのが利点で、「計画修理によって機械の故障ロスを低減できる」と言う。
■今回もAMに注目、PBFやDED
今回のJIMTOFで最も力が入る催しの1つがAM(付加製造)だ。前回に続き南展示棟に特別企画「Additive Manufacturingエリア」を設け、53社192小間が出展する。主催の日工会は「製品の対象が試作から実製品へと移り、金型や医療部品などを中心に従来型の製造プロセスからAMにより高機能化・軽量化を実現するプロセスへ切り替わる等、その裾野は拡大しつつある」としている。本紙でも金属3Dプリンターをうまく使う受託加工企業を取材する機会が増えてきた。
先行するPBF(Powder Bed Fusion=パウダーベッド)方式の機能強化が進む。DMG森精機が9月に販売を始めた「LASERTEC 30 SLM 3rd Generation」(価格は税別1億3130万円)は325×325×400㍉と従来機より1・5倍拡大した積載容量を備え、最大出力1㌔ワットのレーザー発振器を最大4台まで搭載可能。「試作品の製造だけでなく、量産加工にも活用いただきたい」とする。同社の造形機としては初めて熱対称構造の鋳鉄製フレームを使用し、Z軸にはマグネスケール社製スケールを搭載して位置決め精度を向上した。
DMG森精機のレーザー発振器を最大4台搭載できる「LASERTEC 30 SLM 3rd Generation」
DED(Directed Energy Deposition=指向性エネルギー堆積)方式として三菱電機は5軸仕様の「AZ600」(最大ワーク径500×500㍉、レーザー定格出力2㌔および4㌔ワット)を出品。金属粉末に比べると安価な溶接用ワイヤを用いることで材料管理の容易さがウリになる。「溶融モニタリングにより造形状態に合わせてワイヤ送給速度、レーザー出力軸移動をリアルタイムで自動調整することで、緻密度の高い、安定した積層造形を実現する」と言う。
ニデックマシンツールはDED方式の「LAMDA200」(最大ワーク200×200×200㍉、レーザー出力1㌔~6㌔ワット)を出品。このシリーズで特長のローカルシールドノズル(酸化を嫌う材料でも大気環境中での造形が可能)とモニタリングフィードバックシステム(メルトプールの状態を記録・安定化)により安定かつ高品質な積層造形ができることを訴える。
■5軸・複合加工、機能強化いっそう
剛性や加工精度の点で3軸機や4軸機に劣ると言われてきた5軸機が変わりつつある。牧野フライス製作所の5軸横形MC「a500iR」は片持ちのロータリーテーブルながら4軸制御機同等の機械剛性をもつ。旋回範囲をマイナス110度~+180度まで広く確保したB軸(傾斜)ロータリテーブル上にC軸(回転)ロータリテーブルを搭載。加工反力を効率的に受けるスラントコラム構造との組み合わせにより、「4軸機同等の加工精度と俊敏な動作をもつ。競合は少ない」と自信を見せる。主軸は毎分1万4千回転までの立ち上がり時間を従来より0.4秒短い1.2秒に短縮(2万、2万4千回転主軸も順次加える予定)。航空機、自動車、半導体製造装置分野での長時間連続運転を想定する。
牧野フライス製作所の5軸横形MC「a500iR」の高剛性な機械構造
テーブルが180度反転した状態で加工(オーバーヘッドマシニング)ができる5軸横形MC「G550」をGROB Japanが出品する。高い剛性が宙吊り状態を可能にし、工具の干渉が少なく、切粉排出性が向上する。「自動車、金型、航空宇宙、医療技術など幅広い業界の加工ニーズに応えことができる」とする。
GROB Japanのオーバーヘッドマシニングができる5軸横形MC「G550」
複合加工機の機能強化に拍車がかかる。中村留精密工業がVシリーズ第3弾として開発した複合旋盤「WY-150V」(世界初出展)は上下タレットにY軸ミーリング(標準で毎分1万回転)を標準搭載する。これにより上下および左右の同時加工ができる。最大加工径225㍉と1年前に発表したWY︱100Vより能力を高めた。
旋削・歯切り・研削を1台で、しかも1チャッキングでこなすのはヤマザキマザックの複合加工機「INTEGREX i-350H AG」。最大加工径は670㍉で、「専用機が不要となりフロアスペースを大幅に削減する。歯車の高精度な機上計測機能も搭載する」と言う。
微細加工分野でも複合化が進む。碌々スマートテクノロジーがコンセプトマシンとして出品するのは「切削加工と研削加工を高度なレベルで融合」した微細加工機(ストロークはX450・Y350・Z200㍉)。微細分野では段取り替えによって発生する誤差は致命的だ。そこで2工程を集約することで付加価値を高める考え。
FSW(摩擦撹拌接合)機能を付加したのはホーコスのスリムな生産ライン型複合加工機「NS70 FSW」(機械幅約1.5㍍)。ワンチャッキングで前加工→FSW→仕上げ加工ができるので、「クランプ歪などによる接合不良を防ぐ」と言う。バッテリーケース、冷却層付ケースなどの加工を想定する。
FSW機能を付加したホーコスの生産ライン型複合加工機「NS70 FSW」
■「ビルトインロボ・AWC・APCと広がる自動化
労働人口の減少もあって、近年の工作機械関連展でロボットを見ないことはないと言っていいほど自動化の訴求が盛んだ。日工会は「直近のEMO展やIMTS展においても、協働ロボットやAGVを活用した、自動化・省人化を支援する取組が数多く見られ、JIMTOFにおいても、その傾向は続くものと思われる」としている。
オークマはロボットをビルトインした複合加工機「MULTUS B250Ⅱ ARMROID」(最大加工径600×長750㍉)の簡単操作を訴える。付属ストッカーの移動で単品加工と量産加工を簡単に切替できるという。
加工機横に配置する協働ロボットを展開してきたヤマザキマザックは、可搬重量を125㌔グラムまで高めた産業用ロボット「Ez LOADER 125i」を出品。丸物重量ワーク(片持ち45㌔)・シャフト重量ワーク(最大60㌔)まで対応する。Ez LOADERシリーズでこれまでの協働ロボットと今回の産業用ロボットによるシリーズ拡大で、「多品種少量/少品種多量とさまざまな生産形態のお客さまに最適な提案ができる環境が整った」と言う。ロボットプログラムを作成するのに必要なワーク長・径・重量などの情報は、CNC装置からデータ取得するため段取り作業の時間を短縮できる。
可搬重量を125㌔グラムまで高めたヤマザキマザックの産業用ロボット「Ez LOADER 125i」と複合加工機「INTEGREX i-450H」との接続例
安田工業はEROWA社製AWC(自動ワーク交換装置)と連携した立形5軸MC「YBM Vi50」を披露する。詳細はまだ明らかでないが、高精度加工と自動化をベストミックスしたハイエンド機のようだ。冷間鍛造金型やダイカスト金型、航空機部品、半導体製造装置部品といった大型ワークの加工に向くという。
EROWA社製AWCと連携した安田工業のハイエンド立形5軸MC「YBM Vi50」
MAM72シリーズで長時間無人運転を勧めてきた松浦機械製作所は5軸立形MC「MAM72-42V PC32」を出品。省スペースで大容量のタワーパレットシステム(32面パレット)+マトリクス工具マガジン(330本)をもつ。搭載する新オペレーティングシステム「MiOS4(マイオスフォー)」は加工データ一括管理機能とホーム画面の追加により、さらに柔軟な多品種少量生産が可能になった。
32面パレットシステムと330本工具マガジンをもつ松浦機械製作所の5軸立形MC「MAM72-42V PC32」
マテハン装置を扱うメーカーらしい自動化も。村田機械は新開発のピックアップローダーを装備する正面型CNCターニングセンタ「MD120Ⅱ」(チャックサイズ6インチ、8インチ)を披露する。このピックアップローダーは同社がもつガントリーローダーの制御技術を応用したもので、トレーからの素材供給とトレーへの完成品搬出を行う。
ピックアップローダーを装備する村田機械の正面型CNCターニングセンタ「MD120Ⅱ」
■超音波やコラボによる変わり種
変わり種も見られそうだ。イワシタが出品する超音波研削盤「IUG0101」(テーブル寸法100×100㍉)は砥石を径方向に超音波振動させることで数々のメリットを生む。「研削力+超音波ハンマリングによる破砕力」が加わり、加工を効率化。「砥石の目(番手)よりも細かく研削できるため、同じ番手の砥石を使用しても超音波ありのほうが加工面がきれいになる」と言う。砥石の目詰まりを軽減しドレスインターバルを長くする効果は、低周波振動切削を想起させる。さらに切込みピッチや送りスピードを増やせるため、加工時間の短縮も見込める。
イワシタの超音波研削盤「IUG0101」
小型MCのバリエーションを増やしてきたブラザー工業は今回、新分野を狙いデバリングセンタ「SPEEDIO DG-1」(主軸は最高毎分2万回転、軸移動量X500・Y300・Z275㍉、テーブル積載質量50㌔グラム)を披露する。ダイカスト部品のバリ取りに特化した専用機で、使いやすさを追求した。加工経路の自動生成やタッチパネルでの経路補正、プログラムの自動変換など同社独自の機能により「NCプログラムに関する知識がなくても容易に短時間で工程の立ち上げが可能」と言う。
傾斜円テーブルなどを出品してきた津田駒工業は、今展でギヤに特化したバリ取り・面取り機「MDP-0001」(主軸は最高毎分1万回転、最大ワーク径280㍉、最大ワーク質量20㌔グラム)を出展する。内径・外径・歯すじのバリ取り・面取りが可能でスパーギヤ/ヘリカルギヤ/ベベルギヤ等様々なギヤに対応。自動化にも対応し、「自動扉やワーク検知機能も搭載可能」とする。
津田駒工業のギヤ用バリ取り・面取り機「MDP-0001」
フジ産業は刃物メーカーの不二越とコラボし、高トルクタイプの長尺加工機「FB-5000-20ATC-S」(軸移動量はX2~8㍍・YおよびZ400㍉メートル)を出品する。一般的な加工機より各種剛性を高め、「角パイプやH鋼などの鋼材加工に最適」とする。協業により機械と刃物の性能を最大まで引き出し、高速加工を行うことで加工時間の短縮を狙う。
「ミネラルキャスト元年」に現実味
歯車研削盤で採用先行か
今年のJIMTOFでは、「ミネラルキャスト(ミネラルキャスティング)」を採用した機体が一つの見所となりそうだ。昨年12月、ヤマザキマザックがミネラルキャストの内製化を発表し、今年2月には同技術の世界的なリーディング企業である独RAMPFと業務提携する日ノ出水道機器の栃木工場(栃木県大田原市)が国内初となる量産体制を構築するなど、国内での供給体制も整いつつある。JIMTOF2024でも既に、材料や部材供給メーカーによる出展だけでなく、ヤマザキマザックや神崎高級工機製作所、ニデックマシンツールなど工作機械メーカーが採用した機械の出品を明かすなど、ミネラルキャスト「元年」とも言える状況になりつつある。
「ミネラルキャスト」は、鉄不足にあった戦時下の構想を経てドイツで1970年代半ばに開発された樹脂と骨材(花崗岩などの自然石)を固めたポリマーコンクリートの一種。主に鋳物の代替として工作機械や半導体製造装置といった産業機械のマシンベッドなど構造体に活用される。欧州では1990年代から実用化が進み、2000年代には北米や中国などに活用が拡大。独RAMPF Group Japan・Machine Systems Division Managerの安永昌史氏によると、最近は「韓国や東南アジア、インドなどでも採用されるケースが増えている」という。
ミネラルキャストは硬化させる前に金属配管などを構造体の中に埋め込むことが可能。後工程の省力化にも寄与する/写真提供:RAMPFグループ
樹脂と骨材の種類や比率によって様々な特性を持たせられるミネラルキャストではあるが、工作機械向けでは「振動減衰性」と「熱安定性」の高さが機械の高精度化・高能率化に寄与するメリットの筆頭として挙げられる。特に振動減衰性は、鋳物の約10倍を誇り、ハイエンドな機械に使用されることの多い天然石よりも更に1.5倍ほど性能が良い。安永氏は「メリット・デメリットはあるが、少なくとも振動減衰性に関する効果は保証したい」と話す。
■歯車研削盤が採用先行
ヤマザキマザックやRAMPFなどが国内での供給体制を整える中、JIMTOF2024ではミネラルキャストを使用した工作機械を多数見ることができそうだ。特に、自動車の電動化や省力化・自動化の流れの中で、電動車のe︱Axleやロボットの減速機などで需要が高まっている精密歯車を、より安定的かつ高能率に生産するため、歯車研削盤にミネラルキャストを採用した機種を各社が発表する。
神崎高級工機製作所はマシンベッドにミネラルキャストを使用した機械を出展する。ギヤホーニング盤「FX260」はマシンベッドにミネラルキャストを使用することで熱変異と加工振動を抑え、世界最高の最大砥石回転速度毎分3000回転という砥石周速を実現。研削能力を向上させた。
神崎高級工機製作所はベッドにミネラルキャストを採用した
ニデックマシンツールも歯車研削盤「ZFAシリーズ」(=写真下)のベッドにミネラルキャストを採用。最大外径160㍉の歯車まで対応する「ZFA160」と260㍉まで対応する「ZFA260」の2機種をラインナップ。非加工時間が4秒と世界トップクラスの加工能率を実現。ミネラルキャストの振動減衰性や熱安定性の特徴を活かすことで、連続加工時の歯車のピッチ円精度を示す「O・B・D変化幅」を約10㍃メートルに抑え、高生産時でも精度の安定化を図っている。同社は本製品をグローバルスタンダード機とし、「世界市場に向けた歯車加工のトータルソリューション」を提案したい狙い。
ニデックマシンツールもグローバルスタンダード機と位置付ける歯車研削盤「ZFAシリーズ」にミネラルキャストを採用
内面研削盤でトップシェアを誇るトーヨーエイテックは、横形内面研削盤「THG-35C」のベッドにミネラルキャストを採用。加工時の温度変化を最小化することで、工作機械の主軸など精度が求められる長尺工作物の安定加工に対応する。
こうした流れに対し安永氏は、「工作機械メーカーからはまんべんなくお声掛けいただいているが、切削加工よりも加工負荷の大きくない研削盤への適用が先行している印象。これは世界的に見ても同様で、研削盤はミネラルキャストが最も使用されている分野の一つ。グローバルで戦っているメーカーからすると一つ上の加工を打ち出すにあたって、ミネラルキャストが有力な選択肢に入ってきている」と話す。
■工作機械の環境対応にも
一方で近年、ミネラルキャストのグローバルでの採用増を支えているのが「高い環境性能」だ。鋳物と異なりミネラルキャストは常温で製造できるため、RAMPFの調査によると同重量の鋳鉄に比べるとCO2排出量を最大75%ほど削減できるとの試算もある。
昨年、内製を決めたヤマザキマザックも環境経営の一環として、「製造工程におけるCO2排出量が鋳物に対して大幅に少ないこと」をミネラルキャスト採用の理由の一つとする。JIMTOF2024では同社で内製したミネラルキャストをベースだけでなくコラムにも採用した立形マシニングセンタを披露する。採用によってミネラルキャストの高い振動減衰性を生かした加工面精度の向上を狙うだけでなく、「製造時のエネルギー消費も削減可能なため、環境負荷を低減できること」(同社担当者)をメリットとして打ち出す。
「ミネラルキャストはマシンベッドやコラムに使用されることが多い。それは、機械重量に対するCO2排出削減量を考えた際、他の構成部品で同等の削減を行うのが難しいことが理由の一つ。ベッドやコラムを鋳物からミネラルキャストに置き換えれば大幅に排出量を削減できることがまず間違いないため、カーボンニュートラル社会実現に各メーカーが貢献するための重要な要素となっていく」(安永氏)
JIMTOFの歴史を振り返る
展示規模が限られるJIMTOFは凝縮された新技術披露の場に
日本工業大学 工業技術博物館 館長 清水 伸二 氏 (上智大学名誉教授)
しみず・しんじ 1948年埼玉県生まれ。上智大学大学院理工学研究科修士課程修了後、大隈鐵工所(現オークマ)で研削盤の設計部門に従事。上智大学教授などを経て2019年から現職。
60年以上の歴史のあるJIMTOF。これまでにどんな驚きを来場者に与えてきたのだろうか。工作機械メーカー出身で大学教授でもあった工業技術博物館の清水伸二館長に振り返ってもらった。
――今年のJIMTOFは32回目の開催を迎えます。清水館長のJIMTOFとの関わりはいつ頃からでしょうか。
「私が上智大学4年生だった1970年(第5回)から毎回ほぼ欠かさずに見学しています。当時の私が所属した研究室の指導教員であるお二人の教授は、工作機械と加工分野では著名な先生方でしたので、毎回『JIMTOFで実機をじっくり見てきなさい』と言われたものです。修士課程を修了した後、オークマに入社しました。その後、上智大には1978年に博士課程の学生として戻ってきたので、修士の学生と一緒にJIMTOF見学に欠かさず行っておりました。当時は東京と大阪で交互に開催され、大阪開催時には前日の夜行バスで移動して、1日見学してその日の夜にまた夜行バスで戻ってくるというハードなスケジュールでした。私が学生の頃はFMS(フレキシブル生産システム)がはやり始めた頃で、機械周りにパレチェンやローダー、ロボットなんかもあって『すっげー』と釘づけになっていたのを覚えています」
工業技術館に動態保存するオークマのパラレルリンク形マシニングセンタ「PM-600」(2002年製造)。6本のボールねじを伸縮させることで主軸の位置と姿勢を制御する。
――これまでのJIMTOFの展示内容でとりわけ印象深いものは。
「1990年頃からを振り返ると、主軸回転の高速化が進められ、それに伴いツーリングはBTシャンクでは工具の主軸穴内への引き込まれ現象が起きるようになり、2面拘束形のHSKツールシャンクが登場しました。送り駆動系もリニアモーター駆動による高速送りが進められ、5軸マシニングセンタ(MC)、6本のリンクで主軸頭を6自由度に制御するパラメカ機、ターニングセンタにミーリング主軸が付いた複合加工機、それにMCにターニング機能が付いた複合加工機も登場しました。そしてレーザー微細加工機、AM(3次元積層造形)などと現在に至っています。私にとって最も印象深いのは2000年頃に製造されたパラレルリンク形のMC。JIMTOFだけでなくIMTSやEMOでも海外の各社が様々なタイプを披露しました。摺動面が要らず6本のボールねじの伸縮で主軸頭を素早く動かせるタイプの機械です(=写真)。加工精度・剛性がやや劣りますが、日本ではタイヤ金型の加工などに使われていました」
――パラレルリンク形ですか、今では見られませんね。
「いえいえ、昨年のEMOではパラレルリンク形MCがワーク形状に合わせて水平移動するリンクスライド式のものを欧州のメーカーが披露しました。発想が素晴らしく、大型のギガキャスト製品の加工に向いていると思いました。パラメカ機はこのようにまだまだ使い道があり、これからまた復活すると思います。でも私がいいと思うマシンは消えていくようです。見る目がないのでしょう(笑)」
■使いこなせる自動化望む
――海外の工作機械展との違いをどう感じていらっしゃいますか。
「EMOは規模が違います。欧州では企業も国も工作機械産業に投資し新しいモノができるといういいサイクルもできています。IMTSは成熟した機械をビジネスにつなげる役割を持っているようです。JIMTOFは展示規模が限られますから、新技術の出展数も限られているかと思います。その割には様々な新技術が披露されてきました。たとえば加工後の組立を考えてのセット生産方式のターニングセンタ(ヤマザキマザック)、加工空間をうまく使った4つの刃物台をもつターニングセンタ(中村留精密工業)、切屑処理が容易なベッドレスのMC(ホーコス)、コンパクトなモジュールマシンをロボットで繋ぐモジュール型生産システム(FUJI)、3つの自動盤モジュールをコンパクトに組み込んだセルマシン(シチズンマシナリー)……などが印象に残っています」
――今年のJIMTOFで最も楽しみにしていることは。
「コンクリートなど新素材を採用した工作機械が見られるかどうか、楽しみにしております。あと自動化の提案は多いでしょうが、自動化のコンセプトが大事と思います。人が何も考えなくなるようなものではなく、人のスキルのみをサポートするような自動化であってほしいですね」
――人のスキルのみをサポートする、ですか。
「AIが装置にどんどん採り入れられています。作業者はそれらを道具として自ら主体的に使いこなすというのが私がイメージする自動化の姿です。このようなかたちであれば自動化がますます進んでも作業者は自分の仕事に達成感を得ることができます」
――日本の性能を超えたと一部で高く評価される中国の工作機械メーカーもありますね。
「加工精度などの面で日本のメーカーを超えたと言われることがあり、侮れません。機構部品だけでなくNCなどソフトを含めて1社ですべて揃える勢いのあるメーカーもあります。NCがいま最も重要な要素の1つになっていますから、NC装置メーカーに丸投げではなく自社製のNCと言えるくらいに自社の制御装置としてカスタマイズして使えるレベルにする必要があるかと思います。欧州同様、中国では国絡みで工作機械産業にお金をかけます。経済安保と同じ文脈でまじめに考える必要があります」
JIMTOF2024出品製品紹介
日本物流新聞の開幕直前独自アンケートから
日本物流新聞社は出展メーカー各社に自社ブースのテーマや目玉となる出品製品などについて独自にアンケート調査を実施した。回答のあった115社の内容を一覧性に優れる本紙面のほか、キーワード検索できるウェブサイトでも紹介する。
愛知産業、独メーカーの独自ワークハンドリング
カテゴリー:工作機器
「多品種少ロットの自動化」を出展テーマに多品種少ロットの自動化に繋がるドイツメーカーの工作機械周辺製品を紹介する。
ハームレ社のハンドリングシステム「HS Flex」(=写真)は独自オートメーションシステムの運用ソフトウェアHACSを活用。複数のパレットから加工に適したものを選択できることから5軸加工を高能率化する。従来のパレットチェンジャーと異なり、パレットのサイズを限定せず、ワークハンドリングも可能。
後付け可能なラング社のワーク自動交換システム「ロボトレックス」は、同社のマクログリップバイスとロボットを用いて自由にワーク搬送する。バイスへのワークセットは人が確実に行い、専用トロリー上で管理ができる。
■主な出品製品=ハームレ社のハンドリングシステム「HS Flex」、ラング社のワーク自動交換システム「ロボトレックス」、ラング社のATCマガジン活用式ワーク自動交換システム「ハウベックス」
赤松電機製作所、メンテナンスレスのミストコレクター
カテゴリー:その他
フィルターレスミストコレクターでトップクラスの捕集効率99%(1µm以上)を実現する「オニカゼ スマートミストゼロ(SMX)」(=写真)。吸引力の低下を限りなく「ゼロ」にする旋回流と新開発「ロータリーマジック」による捕集構造が特徴。捕集と清掃を同時に行い、目詰まりを抑制する。「逆洗ユニット」(オプション)を取り付けることで、メンテナンスの自動化も可能に。他にも既存のミストコレクターに後付けするだけで、大がかりな工事なしで省エネ化出来るオニカゼミストコレクター用「インバータユニット(INV)」も注目だ。電気代が最大約5分の1になるという。
■主な出品製品=オニカゼ「スマートミストゼロ(SMX)」、オニカゼミストコレクター用「インバータユニット(INV)」
厚地鉄工、複雑形状や大量のブラスト加工をロボで
カテゴリー:その他
サンドブラスト・エアーブラストなどブラスト機の総合メーカー厚地鉄工は、ロボットキャビネットブラスト装置「ABS-BS3-AT」を展示。ハンドリングロボットがブラストノズルを移動させるため、一度動きを学習させれば大量かつ複雑形状のワークの均一な仕上げ加工を実現する。本体は扉と窓を大型化、ブラスト時の視認性やロボットティーチング、メンテナンス性を高めた。
このほか、集塵機一体型でコンパクトながら直圧式で強力な研掃力を誇るブラストキャビネット「BA-1」(=写真)も出展する。錆びや塗装剥がし、難物の鋳造品や鋳物砂の除去など幅広い分野の作業に対応できる。
■主な出品製品=ロボットキャビネットブラスト装置「ABS-BS3-AT」、ブラストキャビネット「BA-1」
アマダ、プロジェクターやルーペ搭載の円筒プロファイル研削盤
カテゴリー:工作機械/鍛圧機械
アマダグループは板金、微細溶接、切削・研削盤、プレス自動化ソリューション事業から国内公共展初披露となる3機種を含む10機種を出展し、幅広い加工技術と工場全体をデジタルでつなぐソリューションを訴える。実素材を用いた実機でのデモ加工のほか、豊富な加工サンプルでマシン性能を体感できるという。
デジタル円筒プロファイル研削盤「DPG-R-200」はデジタルプロジェクターや高倍率デジタルルーペ(円筒プロファイル加工で初)の搭載で、複雑な円筒研削製品の計測作業を容易にした。細かな部分まで目視確認・簡易計測作業が可能になり従来難しかった複雑な形状の円筒加工にも対応。自動砥石旋回マイナス45~90度。
■主な出品製品=デジタル円筒プロファイル研削盤「DPG-R-200」
アルプスツール、使いやすく環境性能高いバーフィーダ
カテゴリー:その他
「ツーリング」と「バーフィーダ」を製造する国内唯一のメーカーは「That`s the way!」を出展テーマに、あらゆる視点から考え抜かれた製品を提案。材料の振動抑制と騒音低減を更に向上させたバーフィーダ最新鋭機「CELSUS 51」(=写真)は、操作性(視認性)UP、使用オイル50%削減(同社比)、設置占有スペースの縮小など、性能の向上に加え環境や作業性を重視した設計。独自のクイックチェンジ機構によりサポートの交換が容易に行える。会場では実際にサポートの交換を体験できる。
ツーリングは「アルプスナイスミルシリーズ」を出展。全品3度測定という厳しい検査基準をクリアした高精度、高耐久の製品群を一堂に展示する。
■主な出品製品=AQ² クイックチェンジシステム
イグス、潤滑剤ゼロでメンテ・コストをカット
カテゴリー:その他
「GO ZERO Lubrication(GO!潤滑剤ゼロ)」をテーマに、グリースなどの潤滑剤が不要でメンテナンスフリーかつコストカットにつながる工作機械業界向けのエンジニアリングプラスチック(エンプラ)製品を多数紹介する。
開閉機構付きエナジーチェーン「E4Q」(=写真)は、剛性の高いケーブル保護管E4シリーズに、工具なしで開閉できる機構を搭載。ケーブル収納の時間短縮に寄与する。
無潤滑リニアガイド「ドライリン」シリーズも摺動部に固形潤滑剤を配合した高機能エンプラを使用することで完全メンテナンスフリー。すべりの原理で高機能エンプラが軸やレール上を低摩擦・低騒音で滑らかに動く。軽量で価格も安価なため製品に組み込みやすい。
■主な出品製品=開閉機構付きエナジーチェーン「E4Q」、無潤滑リニアガイド「ドライリン」シリーズ、ガントリーロボット
育良精機、実機使った立体レイアウトで提案
カテゴリー:その他
現場の課題・困りごとを解決する「ワンストップトータルソリューション」をテーマに、省力化、生産性向上に寄与するソリューションを、実機を使った立体的なレイアウトで提案する。
「SS80VR」(=写真)は最大径80mmまでの太物短尺材に対応する自動棒材供給機。オプションで丸材以外の異形材やパイプ材の供給も可能。工具レスで段取り替えできるため、オペレーターの手間や作業工数、ダウンタイムの削減にも貢献する。
中圧クーラント装置やミストチェンジャーなど周辺装置を立体的かつ連動させる形で設置可能なため、スペースの問題の解消や歩かない作業動線の確保などにも貢献する。
■主な出品製品=自動棒材供給機「SS80 VR」、パーツウォッシュクリーナー「ISK-PWC350」、ミストチェンジャー「ISK-EM8eⅢ」
イズミコーポレーション、作業性高い治具で高精度・高効率に貢献
カテゴリー:工作機器
汎用治具バイスメーカーとして、MC加工の「高効率」「高精度」「治具レス」「無人化」を提案。ディペンドバイス「PSSシリーズ」は、1個から多数個をクランプ可能。高精度セレーション付きで口金の位置決めが簡単で、オプションパーツで多様な形状のワークをクランプできる。本体、口金ともに総焼き入れにより長期間の精度を維持、総研磨仕上げで高い精度を確保しており、最大クランプ力は30kN。
エアーメカロックバイス「AMV-1005W」(=写真)はクサビ機構によりワークの浮き上がりを抑える。生口金仕様のため、セルフカットにより様々な形状のワークのクランプができる。独自のメカロック機構内蔵により、エアーリーク時もクランプが緩まない安心設計も特長だ。
■主な出品製品=ディペンドバイス「PSSシリーズ」、エアーメカロックバイス「AMV-1005W」、配管レスバキュームクランプ「I. Vac. Revo」
イワシタ、超音波で脆性材加工の効率UP
カテゴリー:工作機械
超音波研削盤「IUG0101」で脆性材溝加工の加工効率と加工精度を向上させる。砥石の径方向へ超音波振動を発生させることで、ツールに「超音波ハンマリングによる破砕力」が加わり、効率よく加工することが可能に。砥石の目詰まりを軽減できるためドレスインターバルを長くでき、切込みピッチや送りスピードを上げることで加工時間の短縮も見込める。「特にSiC、石英ガラス、超硬などの加工に力を発揮する」という。
能率だけでなく、加工品質も上げられる。砥石の目(番手)よりも細かい加工面になるため、同じ番手の砥石を使用する場合は超音波ありの方が加工面がきれいになるからだ。
■主な出品製品=超音波研削盤「IUG0101」
Aiソリューションズ、各種CAD/CAMシステムの最新版訴求
カテゴリー:制御装置
最新版CAD/CAMシステム「hyperMILL」「Mastercam」(=写真)「OneCNC」やNCシミュレーションシステム「VERICUT」の展示を行う。5軸CAD/CAMのスタンダードとして評価を受ける「hyperMILL」は独自の干渉検知・回避機能、高度な工具軸制御により安全で高品質な5軸加工をシンプルな操作で実現する。「Mastercam」は2軸~同時5軸ミーリング、複合加工、旋削加工、Wire放電加工、彫刻など、様々な加工に対応。各種CADデータ入力機能も充実。20年以上第一線で支持される「世界No.1のインストール台数実績を誇る」(同社)というオールラウンドシステムだ。ほかにもCAD/CAM業界では異例の低い価格設定と、誰にでもすぐに使える快適な操作性、さらに高いツールパス演算能力を併せ持ったCAD/CAM一体型システム「OneCNC」もアピールする。
■主な出品製品=CAD/CAMシステム「hyperMILL」、「Mastercam」、「OneCNC」
SDG、お困りごとに ちょこっとエンジニアリング
カテゴリー:その他
様々なユーザーの困りごとを解決する「ちょこっとエンジニアリング」を提案する。送風機やミストレーサーをはじめとした同社製品と、さまざまな周辺機器を組み合わせることで、「ちょこっとした悩み」を解決へと導く。フレキシブルにソリューションを提案するのは「有機溶剤中毒予防規則」「特定化学物質障害予防規則」「粉じん障害防止規則」などの資格を持つエキスパート。ソリューション提案だけでなく、機械の修理やメンテナンスにも迅速に対応する。
ブースでは画像とともに解決事例を紹介するほか、オートモービルの発展と環境への配慮を込めたSDGの取り組みも動画でアピールする。さらに今期各種レースで好成績を獲得したバイクレース、その実際にレース場で走行したバイクも展示する。
「現状把握から設計施工、定期点検・メンテナンスを様々な見える形でご提案する」(同社)とし法規制に基づいた対応をワンストップで対応するという。
■主な出品製品=ちょこっとエンジニアリングの提案
エステーリンク、レーザー加工後に最適なバリ取り機
カテゴリー:その他
板金のバリ取り工程の作業効率を圧倒的に向上させるバリ取り機、溶接工程の作業を楽にする3D溶接定盤、さらに板金・溶接工場の空気環境に大きな影響を与える集塵機を出展。「メタルスライダー1000」(=写真)は、表面を強く削れる強研削型の板金用バリ取り機。近年主流のファイバーレーザー加工で発生するドロスの除去などに威力を発揮する。ブラシの種類や当て具合の調整で通常のバリから、強めのバリ、ドロス、酸化被膜までもパワフルに研磨し除去する。
小型タイプの「メタルスライダー200」は200V電源で稼働するためどこでも利用可能な取り回しの良さが特徴。小型ながら研磨する力は大型機と遜色無く、集じん機能も搭載している。
■主な出品製品=板金用バリ取り機「メタルエステ1000」
MSTコーポレーション、スリムライン 4000種類から選択可
カテゴリー:工作機器
焼ばめホルダ「スリムライン」(=写真)は熱膨張率が高い焼ばめ専用特殊鋼を使用しており、低温で焼ばめ作業が行え、誰がいつ行っても工具を高精度に把持することができる。加工内容や加工ワーク形状、使用機械に合わせて4000種類の中から最適なツールホルダを選択でき、加工改善や工具寿命の延長につながる。「ミルボア」も訴求。ヘリカル制御を用いて加工し、加工径をタッチプローブで計測、追い込み加工径をNC制御で自動調整することで、人の手を介さず狙いの加工径に仕上げられる。他にワーククランプ治具システム「スマートグリップ」も注目だ。高い位置決め・繰り返し精度を実現し、二面拘束結合により高いクランプ力が得られる。
■主な出品製品=焼ばめホルダ 「スリムライン」、「ミルボア」、ワーククランプ治具システム「スマートグリップ」
エロワ日本、自動化対応のツーリングシステム
カテゴリー:工作機器
幅広い分野で採用されている同社のツーリングシステム。JIMTOFでは最新の治具とロボットシステムを展示する。「ERD500」(=写真)は搬送ユニット、マガジン、ローディングステーション、搬送レールの構成。ユーザーの要望に応じたシステムが構築でき、1台から最大12台の機械、測定器のオペレートを実現。すべての同社チャックシステムに対応し、グリッパーステーションにより様々なワークを1台のロボットでの搬送を実現する。。
「UPC2.0」は従来品を進化させた大形ワーク用の高剛性、高精度タイプのチャックシステム。積載最大ワークピースサイズ500 × 500 × 500mmまでをカバー。マシニングセンタを始め各種工作機械、測定器などのテーブルとして活用できる。
■主な出品製品=ブランクバイス72
エンシュウ、立・横MCでモノづくりの多様化に対応
カテゴリー:工作機械
「Diverse technology Enshu 時代に対応したエンシュウのソリューション」をテーマに、工作機械メーカーでありながらユーザーでもある特徴を生かし、多様化するモノづくりに対し顧客視点のソリューション提案を行う。
90m/minの送り速度が特徴の高速横形マシニングセンタ(MC)をバージョンアップした「GE480H Upgrade」(=写真)は、高速割出し可能なロータリーテーブル(オプション)を搭載することで非切削時間をさらに短縮。メカブレーキ付きのため重切削ニーズにも対応する。
多品種変量生産ニーズには立形MC「WE30V E-Loader仕様」を推す。独自の搬送装置E-Loaderを搭載。今回展ではストッカーシステムと組み合わせるが、設置スペースや加工内容によって様々な構成に対応する。
■主な出品製品=高速横形MC「GE480H Upgrade」、立形MC「WE30V E-Loader仕様」、小型立形MC「SV130」
オーエスジー、独自の新製法による低炭素型転造タップ
カテゴリー:機械工具
自動化、省人化に対応する工具開発を通じ、生産現場の人手不足に対応する。またSDGS実現に向け、環境配慮につながる製品を提案する。
今展の目玉は高機能・低炭素型転造タップ「GREEN TAP(GRT)」(=写真)。独自の新製法により、従来品に比べタップ製造時の消費電力量を削減。GRTをねじ加工に使うことで、CO2排出量削減につなげられる。GRTの特長的な形状は、被削材の塑性流動をCAE解析し、刃先強度を最大限に高めるために開発した特殊ねじ部仕様(PAT.P)。耐折損性・刃先強度を上げて、高い耐久性を実現。工具材質には粉末ハイスを採用し、Vコーティングを施すことで高い耐摩耗性を持たせた。ラインナップはM1~6の食付き山数1山タイプと、M2~6の食付き山数2山タイプ。
■主な出品製品=高機能・低炭素型転造タップ「GREEN TAP」、「Aブランド工具」、硬脆材加工用工具「6C x OSG」、ディスクカッタ「PFDC」、工具自販機「MONOlithbox」、再研磨・再コーティング
オークマ、ビルトインロボットで簡単操作
カテゴリー:工作機械
「ともに創る明日へのステップ」をテーマに人手不足、気候変動などの社会課題を解決する様々なソリューションを提案する。「MULTUS B250Ⅱ ARMROID」(=写真)は複合加工機の加工室内にロボットをビルトイン。省スペースで、様々なワークに対応でき、誰でも簡単に操作できるロボットシステムだ。
「MULTUS B300Ⅱ smarTwinCELL」は複合加工機とロボット、計測、エアブローを組合せたロボット加工セル。自動化システムの専門知識が不要かつ事務所PCでロボットプログラム等を事前準備して迅速な立上げができる。
「MU-500VⅢ+OMR20」はクラス最高の精度安定性を誇るコンパクトな5軸加工機「MU-500VⅢ」と、必要な時に手軽に自動化できる移動式協働ロボット「OMR20」によるコンパクトな自動化システム。
■主な出品製品=複合加工機+次世代ロボットシステム「MULTUS B250Ⅱ ARMROID」、複合加工機+ロボット加工セル「MULTUS B300Ⅱ smarTwinCELL」、5軸制御立形マシニングセンタ+移動式協働ロボット「MU-500VⅢ+OMR20」
大阪製罐、「見える化」で工場現場ムダカット
カテゴリー:その他
大阪製罐は、工場現場の整理整頓と作業効率アップを適える「OSデラックスキャビネット」を出品。アクリル窓付きの引出しで中身が見え、工具や部品を探す時間と手間が省ける。
引出し1枚当たりの均等耐荷重は200㎏で、重量物保管にも対応。「アクリル窓付きの引出しでこの均等耐荷重は最強クラス」(同社)という。引出し開閉ストローク100%(500㎜)と細かな収納物保管にも使いやすい。
アクリル窓の大きさをW700×H80㎜と最大化しながらも、5㎜厚の透明アクリル板で強度をしっかり確保、安心して使える。
キャビネット本体の外寸は間口811×奥行557㎜(統一寸法)、高さは681・881・1081・1281㎜の4種類。アクリル窓付きの引出し段数は3段~6段の4種類を揃える。
■主な出品製品=「OSデラックスキャビネットGT(アクリル窓付タイプ)/重量型(DX型)」
大鳥機工、省スペースと高メンテナンス性の5軸MC
カテゴリー:工作機械
新製品の5軸制御マシニングセンタ(MC)「FTV-500Plus」を披露する。従来機の「FTV-500i」をベースに、メンテナンス性や省エネ性能を高めた。
アラーム発生時に異常の原因を対話式で調査でき、機械の修理時間短縮が適う。自動電源遮断や待機中の照明灯、油圧ポンプなどの電源遮断・人感センサによる照明灯の電源遮断や電力モニター、省エネ対応油圧ポンプ等で省エネ化。また、従来機からクーラントタンク位置を変更し、主軸冷却装置、油圧ユニットのフルカバー内への設置により所要床面積を2970×3020×2965㎜まで減らした。
主軸回転速度は15000min-1で、作業面の大きさは400×400㎜(対角直径500㎜)。
■主な出品製品=5軸MC「FTV-500Plus」
大宮マシナリー、ローコストの研削加工自動化を実現
カテゴリー:工作機械
ベストセラーモデルに独自の制御技術を搭載し、省コスト型の自動化設備を展示する。精密芯なし研削盤「OC-18BR-200」は軸受け剛性と段取り性を両立した基本構造より幅広い分野に対応可能なモデル。スイベル角・送り角にセンサーを搭載することで、従来までの感覚に頼った調整箇所を数値化し、段取り性・管理性を大幅アップ。加工時の送り速度も表示する。
独自の軸受け構造(準両持ち式)により、剛性と段取り性を両立し、補正制御システムにより、高精度補正を実現。さらに低コストによる、ドレッシング装置の自動化も可能にする。無線式手動測定システムを付帯し、測定インターフェイスを搭載。技能伝承や生産管理の問題を解消できる。
■主な出品製品=精密芯なし研削盤「OC-18BR-200」
岡﨑精工、ステンレス加工音抑制
カテゴリー:機械工具
「超硬工具」では最新鋭・高精度の設備を備え、全アイテムに超微粒子超硬合金を使用する事にこだわり、多様なニーズに応える製品ラインアップに加え、新製品も多数展示。「MCO(コバルトハイス)工具」では耐熱性、耐摩耗性に優れた独自ブランドの MCO 材を使用した製品を数多く提案。「ダイヤ・CBN ホイール」では切削工具の生産性と品質を大きく左右する超砥粒ホイールをPR。同社はユーザーでありメーカーである事を強みに、「ご希望に応じた特殊品も短納期で提供する」という。
注目製品の一つは「HPシリーズ・超硬 SUS 用防振ミル」(=写真、ロングタイプ)。ステンレス加工独特の加工音を抑制し、高速加工が可能でステンレス鋼に加え、炭素鋼や合金鋼の高速加工にも対応する。
■主な出品製品=HPシリーズ・超硬 SUS 用防振ミル
岡本工作機械製作所、EV・半導体部品に向けた新たな提案
カテゴリー:工作機械
EV向け超精密加工と半導体製造装置の脆性材部品加工に向けた8機種を展示。EV関連部品のスロットダイや金型に実績を持つ、超精密門型平面研削盤「UPG208CHLi2」(=写真)は、左右・前後軸に可変静圧スライドシステム、摺動面にリニアモータを採用。大物ワークの超精密加工を実現する。加えて機上計測と自動研削を融合させた「MAP研削ソフト」を用意。さらなる加工効率の向上を提案する。
脆性材加工に特化した4軸グラインディングセンタ「UGM64GC」は円形ワークの内外径、端面の高能率・高精度加工を可能にする。ATCには機上計測ユニットを含むツールが最大20本収容可能で、BBT-40にも対応。会場ではロボットを組み合わせたワークの自動搬送を展示する。
■主な出品製品=平面研削盤「PSG52SA1」
カシフジ、ホブ盤に面取りやポリッシュを複合
カテゴリー:工作機械
EV化で歯車への精度要求が高まる中、「歯車技術で時代を動かす」をテーマに、神崎高級工機製作所と共同でホブ切り→ギヤスカイビング→歯車面取→焼入れ→歯車研削→ホーニング→ポリッシュ加工を提案する。
CNCホブ盤「KE180C」(=写真)は複合加工をテーマに開発。歯車面取装置を追加し、従来の「フレージング方式」ではなく「切削面取方式」とした。CNCホブ盤「KE180F」は歯面仕上げ装置を追加。こちらはハードホビング後にポリッシュ加工を行い、歯車精度を安価に向上させる狙いだ。歯車面取盤「KD250C」は歯面にバリや盛り上がりが発生しない切削面取を実現。バイトを使うキツツキモーションで両端面を1チャック加工し、諸元の異なる段付き歯車の面取加工に向く。
■主な出品製品=CNCホブ盤「KE180C」、CNCホブ盤「KE180F」、歯車面取盤「KD250C」
カトウ工機、バリ取りの自動化に注力
カテゴリー:工作機器
「バリ取りホルダ」(=写真)、「シンクロホルダ」を訴求する。バリ取りは「永遠の課題」と言われており、昨今は特に「自動化」が大きなテーマになっていると同社。マシニングセンタもしくはロボットでバリ取りを自動化する為のホルダを提案する。
「リタップ・ネジサラエ専用ホルダ」を今展で初披露。溶接スパッタの除去や塗装剥がしを目的とした、ネジ内径のサラエ加工専用ホルダを新規開発した。
また、シンクロホルダについては社内実験に基づきコレットチャックと比べての優位性を紹介するという。他にも、多種多様なタッパーでどのように問題解決できるか「国内唯一のタッパー専業メーカーならではの『ネジ立てのコツ』をご提案する」とする。
■主な出品製品=バリ取りホルダ、シンクロホルダ
カネテック、マグネット製品群×ロボットのコラボ
カテゴリー:工作機器
新製品の「追加工フリーチャックブロック」(=写真)は締結ボルトや溶材(半田、樹脂等)を使わずに部材同士を強固に接合した環境志向の製品。追加工範囲に制限がなく、穴、タップ、V溝、テーパー、切断など自在な加工が可能。通し穴を施工し、エアや油を通しても接合部から漏れないのも大きな特徴。製品から梱包に至るまで環境配慮にも取り組んでいる。
またナベルホールディングスとのタイアップで特殊マグネットホルダ+協働ロボット+2Dカメラの組合せによる、M4/M5といった小径丸小ネジの「バラ積みピッキング」自動無人化モデルや、協働ロボットによるワーク無人載せ替えシステムも展示する。
■主な出品製品=サポートジャッキ「雷靭具」、ハンディタイプ磁束密度計「テスラメータ」
加茂精工、長距離・高速走行に適した駆動部品
カテゴリー:歯車・歯車装置
大型・高精度・高速化に適した駆動要素部品を展示する。近年、ラックアンドピニオンを大型の装置やロボットと併用し、長距離を高速走行させ位置決めを行う用途が増えているからだ。
TCGランナー「CPC/CRC」(=写真)は直線状にトロコイド歯形を配置したラックとピニオンを組み合わせたことで、完全転がりによる回転‐直線運動を実現(繰返し位置決め精度10μm以下)。噛み合いによる転がり接触で、正逆動作時におけるバックラッシの発生が無い。オプションのTCG潤滑供給システムを使えば潤滑メンテナンスフリーに。
ローラーピニオン付き精密差動減速機「NSP」は大型枠番である3212・4012型に対応。装置への組み込みを考慮しフランジ形状と予圧調整用の長穴が標準仕様に。
■主な出品製品=TCGランナー「CPC/CRC」、ローラーピニオン付き精密差動減速機「NSP」
神崎高級工機製作所、ミネラルキャスト採用のホーニング盤
カテゴリー:工作機械
ギヤホーニング盤「FX260」(=写真)と歯車研削盤「GX150」を出展。FX260は高い振動減衰性と熱安定性をもつミネラルキャストをベッドに採用し、安定した加工精度を実現。さらなる工程能力の向上を図る。また鋳物を使用した場合と比較して、製造時の使用エネルギー(CO2)の削減も可能であり、カーボンニュートラルに貢献する。「世界最高」の砥石周速により切削能力を高め、操作性の高いタッチパネルを搭載した。
採用実績を積み重ねているGX150はシンプルな構造による省スペース設計と、サイクルタイム短縮をかなえる。「使いやすさと投資効果に強みがある」(同社)
■主な出品製品=ギヤホーニング盤「FX260」、歯車研削盤「GX150」
北川鉄工所、BRチャック導入で工場自動化へ
カテゴリー:工作機器
コンセプトは「ものづくりのミライへ~Future in your hands~」。加工工程の増加には「工程集約」、変形しやすい加工物には「ソフトチャッキングの提案」、人手不足・人件費高騰に対しては「省人化システムの提案」と課題解決ごとに開発製品を提案する。
BRチャックをベースにしたオートジョー交換システム「BR-AJC」(=写真)は、BRチャック導入による工数削減と精度向上を果たしながら、現状設備の流用により導入コストを下げて段階的に工場自動化を実現する。新製品のローラギヤカム機構NC円テーブル「RKT600」は、「RKT500」のコンパクト設計を踏襲し、さらなる大型の製品加工と加工効率化を可能にする。EV・HEV市場における大型バッテリーケース加工や加工物複雑化による工程増加に工程集約で応える。
■主な出品製品=オートジョー交換システム「BR-AJC」、ローラギヤカム機構NC円テーブル「RKT600」、自動化/省人システム「測長判定ユニット」
キタムラ機械、高速ATCと24面パレチェン搭載の5軸MC
カテゴリー:工作機械
世界最小スペース1.2m×2.0mで最大230mmのワークを加工可能な同時五軸制御マシニングセンタ「MedCenter5AX」(=写真)は、段取り台とパレット棚両方から段取りできる24面パレットチェンジャーと、50mm工具を最大120本搭載できる高速ATCを搭載。常に最新機能にアップグレード可能な独自のCNC装置「Arumatik-Mi」は、アイコン表示によりスマートフォン感覚で簡単に操作できる。
1984年の発売開始以来これまで900セット以上、FMSとして業界最大の納入実績を誇る「Mycenter-H300スーパーセル」の最新バージョン機「SUPERCELL-300G」は、最大312本ATCと独自の20面パレットチェンジャー付きで量産加工から多品種少量生産加工まで対応する。
■主な出品製品=同時4軸制御横形マシニングセンタ「Mycenter-HX250iG」、「Mycenter-HX500iG/630」
京セラ、多数の最新工具と現場を支えるDX技術
カテゴリー:機械工具
「Technology Leads to a Bright Future」がコンセプト。新製品や強い生産現場を支えるデジタル・DXの取り組み、EVや航空機などの産業別提案など幅広い展示を行う。新材種「PR20シリーズ」や自動盤用突切り工具「KGZ」(=写真)、小径ソリッドドリル「KDA Mini」など最新工具を披露。加工を可視化するセンシングツールも紹介する。
PR20シリーズは溝入れ・突切り加工に特化したPVDコーティングの新材種。溝入れ・突切り加工はインサート摩耗が早く仕上げ面や精度の悪化、バリが課題だが、同シリーズは独自の新コーティングで切削熱による酸化や摩耗に強い。KGZは独自機構を持つホルダとインサートでびびりを抑え、インサートを自動盤の狭い機内で正確に素早く装着・交換できる。
■主な出品製品=溝入れ/突切り加工用 PVDコーティング材種「PR20シリーズ」、自動盤用 突切り工具「KGZ」、高精度小径ソリッドドリル「KDA Mini」
GROB Japan、ギガキャスト向け5軸MC
カテゴリー:工作機械
ドイツに本社を置く加工機・自動化・組み立て設備メーカーGROBは、横形同時5軸マシニングセンタ(MC)「G550」で加工したワークを中心に展示する。G550は最大の加工エリア径900mmを誇り、独自の軸構成と主軸の「トンネルコンセプト」が、高い剛性による高速かつ高精度加工の両立を実現する。
近年、国内でも盛り上がりを見せつつあるギガキャスト向けにも加工機「G920F5」(=写真)を紹介。メガ・ギガキャスト向けのワークに対する5軸MCで、最大φ2000×L2900mmのワークに対応し、自動車のバッテリーケースの加工などに対応する。マシン正面と上部両方からワークを搬入出でき、独立稼働するスピンドルが2つ付いているため、量産ライン構築にも向く。
■主な出品製品=横形5軸ユニバーサルマシン「G550」、ギガキャスト向け加工機「G920F5」、GROBヘアピンステーター組立ライン
黒田精工、高精度安定加工可能なロータリー研削盤
カテゴリー:工作機械
来年100周年を迎える黒田精工は「KURODA Smart machines, Smart Future (for 100 anniversary)」をテーマに、「加工と計測のSmart化」を実現する製品を出展する。
目玉は今年度発売する新製品・精密ロータリー研削盤「GSR-600」(=写真)。独自設計の油動圧軸受けを搭載したロータリーテーブルが最大の特徴。テーブル径630mmの広い作業範囲を持ち、ラジアル方向の荷重を大径アンギュラベアリングで支持することで、テーブル上面の高い振れ精度を確保。減衰性と剛性も高いため、精密な加工が安定的に行える。
さらに、ワークの着脱や覗き込みなど作業性を重視したハンドルやスイッチのレイアウト、接近性に配慮したテーブル高さなど、現場作業者目線の操作性は平面研削盤で培ってきたノウハウを生かした作りとなっている。
■主な出品製品=ロータリー研削盤「GSR-600」、平面研削盤「GS-126CVs」、「ハイドロリックツール」
コスメック、独自のエアノンリークバルブ
カテゴリー:工作機器
注目は独自技術のエアノンリークバルブ「BWQ」(=写真)。エア圧を完全保持する機能を備えたパイロットチェックバルブで、エア源と切り離しても2次側ポートにおいて24時間以上(温度一定の条件下)の圧力保持性能を持つ。治具を機外で段取りしたり、治具パレットをホースの取り回しを気にせず移動できるようになる。当然、油圧レスだ。
単動ホールクランプ「SFG」も出品。ワークの加工穴を内張りしZ軸基準面に引き付けるクランプで、ワーク着座面を除く5面加工が可能に。ツール干渉のない加工ができプログラム作成も容易だ。リリースポートが不要で治具設計を簡素化しコストダウンも図れる。摺動スキマを極小にし少ないエア流量で効果的なエアパージを実現した。
■主な出品製品=エアノンリークバルブ「BWQ」、単動ホールクランプ「SFG」
ジェイテクト、らくらく操作で高精度加工の円筒研削盤
カテゴリー:工作機械
「Solution MALL ~困りごとの数だけ、欲しい答えが揃ってます。~」をテーマに、課題解決のヒントを“探せる、見つかる、相談できる”場を用意。工作機械とカイゼンソリューション、工作機械向け性能向上アイテムをジェイテクトマシンシステムと共同出展する。
CNC円筒研削盤「G3P100L」(=写真)は「誰でもかんたん熟練加工」をキーメッセージに出品。労働力不足、熟練技能継承に対し、簡単な操作感で高精度加工を実現する。デモ運転とステアリングメーカーとして高い技術を詰めたステアバイワイヤハンドルの体感デモを実施。量産対応として「小さなスペース・大きな生産性」をキーメッセージに、CNC円筒研削盤「G1P50S」を出品。省スペースでありながら多様な生産スタイルと安定した品質で競争力強化のニーズに応える。
■主な出品製品=CNC円筒研削盤「G3P100L」、CNC円筒研削盤「G1P50S」、立形研削盤「VGF300」
ジェービーエムエンジニアリング、Mastercamと、工具・ホルダの最新コラボ
カテゴリー:制御装置
高い汎用性をもつ3次元CAD/CAM「Mastercam」を展示。工具・ホルダメーカーの機能性を最大限に引き出す「CAMシステムとの最適コラボレーション」を新たなアプローチとして訴求する。切削加工に求められる加工精度や品質、加工速度、トータル的な生産性向上に加え、DXを含むSDGsへの取組みを見せる。
南ホールのAMエリアでは、昨今注目されているブルーレーザ搭載WLAMマシン「Meltio M600」、国際特許取得済みのセンターフィード&マルチビームヘッドを搭載した国産LMDマシン「ALPION」の実演加工を行う。「金属ワイヤを使用した高密度な造形や、非モルテン方式による圧倒的な速度感を体感していただく。加えて積層専用CAMソフト『ADDITIVE MASTER LUNA』をALPIONに搭載し機能を紹介する」(同社)
■主な出品製品=「Mastercam」、「ADDITIVE MASTER LUNA」
シギヤ精機製作所、小物加工に最適な万能研削盤
カテゴリー:工作機械
「次世代のスタンダードを見据えて」をテーマに、新機種となる小物加工用万能研削盤「GSU-20.30」を出展。といし2ヘッド及び1ヘッド仕様の2台を展示する。
高精度、高剛性といし台に、NC旋回機能を搭載し様々な加工パターンを実現。NC自動旋回によりプレーン、アンギュラ、内研といしを組み合わせた8通りの取付パターンから選択できる。
仕様はといし台2ヘッドNC旋回式、といし車の大きさは直径305×20㎜で超砥粒にも対応する。といし周速度は33ⅿ/s、テーブル上の振りは直径200㎜で、センタ間距離は300㎜。最大センタ間負荷質量は20㎏となる。
ロボットを組み合わせ、ワークの脱着とといし交換までを自動化し無人化提案を行う。また、ソリューションコーナーでは「SHIGIYA Plus」を紹介する。
■主な出品製品=CNC万能研削盤「GSU-20.30」
シチズンマシナリー、正面、背面の両面でLFV加工が可能に
カテゴリー:工作機械
「Creating new value 今ある価値の、その先へ」をコンセプトに「LFV(低周波振動切削)技術」を代表とする独自技術、機械を活かす自動化提案「FAフレンドリー」、ICT技術を活用した「アルカプリソリューション」を新機種と絡めて展示する。
主軸台移動形CNC自動旋盤「Cincom L20ⅫB5」(=写真)はベストセラー機のフルモデルチェンジ。基本性能と操作性が大幅に向上し環境にも優しく進化。独自のLFV技術が正面・背面加工ともに使用可能になり、ダウンタイム軽減に貢献する。また同時5軸制御に対応しCAMと連携することで複雑形状加工も可能。環境性能も大幅向上させ、同社独自の環境対応モデル「EcoBalance Machine」としてサステナブルなモノづくりに貢献する。
■主な出品製品=主軸台固定形CNC自動旋盤「Miyano ABX80THY」
澁谷工業、シハチ対応機で最小級の設置面積
カテゴリー:工作機械
昨年開発の新たなファイバーレーザー加工機「SPF4125」を披露。発振器やNC内蔵のコンパクト設計で、加工範囲4’×8’(同機は1250×2550mm)の加工機では設置面積が「業界最小クラス」(同社)だ。機械寸法は4940(L)×2490(W)×2306(H)mm。
スマホライクな操作性を持ち、しかもオペレーターが使いやすいデザインに。テレスコープカバーの採用でワークを4方向(前面、両側面、天面)から供給できる。2パレットチェンジャー(オプション)後付可能。板金業界のみならず、電子部品・半導体、精密加工等、幅広い分野の需要を取り込む。
■主な出品製品=ファイバーレーザー加工機「SPF4125」
シマダマシンツール、多軸を活かした最短のCTを提案
カテゴリー:工作機械
「アジア唯一の多軸自動盤メーカー」として2~8主軸機でサイクルタイムを最短にする提案を行う。2主軸1NC旋盤「2SI-8 Mk-Ⅱ」(=写真)は機外の脱着用主軸でロスタイムをゼロにするコンセプトはそのままに、Z軸ストロークを600mmへ拡張した長物シャフト対応仕様を出展。XYZの3軸制御とミーリングタレットで複合加工への対応能力も上げた。4主軸2NC旋盤「HS4200」は4主軸ゆえパフォーマンスが非常に高く、今展ではロボットで素材・完成品パレタイジングや洗浄を行う。
シチズンマシナリーから承継したカム駆動の6軸自動盤「MM-A16」も出品。アイドルアイム0.5秒と「現在の世界最速の加工時間」(同社)。8軸自動盤「SS-8NC-W」も展示する。
■主な出品製品=2主軸1NC旋盤「2SI-8 Mk-Ⅱ」、4主軸2NC旋盤「HS4200」、カム駆動6軸自動盤「MM-A16」、NC2基搭載8軸自動盤「SS-8NC-W」
シュンク・ジャパン、機械へのパレット搬送を自動化
カテゴリー:工作機器
「マシンテンディング(工作機械の自動化)」をテーマに、工作機械へのワークやパレット搬送の自動化や機内治具の取り換え自動化などに寄与する製品を出展する。
クイックチェンジ・パレットシステムを活用したパレットオートメーション(=写真)では、あらかじめワークテーブルにセットされたモジュールに、ワークパレット下部に取り付けられた専用ピンをはめ込むことで、簡単かつ高精度な位置決めを行うことができる。機内での段取り替えを大幅に削減し、機械稼働率を向上させることができる。
ロボットでの機内搬送にも対応しているため、パレットストッカーと組み合わせた長時間の無人稼働も可能。機内改造は機内エアと自動ドアを付けるのみ。
■主な出品製品=パレットオートメーション、ワーク&パレットオートメーション「R-C2」、ジョークイックチェンジシステム「KSP3-BWA」、フィンガークイックチェンジシステム「BSWS-R」
聖和精機、高速や重切削用のツーリング
カテゴリー:工作機器
高精度・高速回転・高剛性ミーリングチャックのマイクロンチャック4シリーズの展示(=写真、レギュラー)。 マイクロチャックMシリーズSTシャンクを参考展示予定だ。
また重切削加工用ミーリングチャック2構造クランプ方式のハイドロリックとメカニカルの2つの力で刃物を把握。エンドミル抜けを引き起こす(すりこぎ現象)を刃物シャンクの口元と末端2カ所をクランプすることにより解決が出来るハイディアルチャックを展示。 そして高送りカッターを突出し量が長いフライスアーバで加工することによりビビリが発生し本来の高送りカッターの性能が発揮できないユーザーへは、パワーサイレントアーバ(防振アーバ)を提案。 新シリーズも参考展示予定だ。
■主な出品製品=マイクロンチャック4シリーズ、パワーサイレントアーバー(防振アーバ)、ハイデュアルチャック
新日本工機、エコな大型門形5面MCを訴求
カテゴリー:工作機械
注目は門形5面マシニングセンタ(MC)「HF-4MⅡ」。大型機でありながら大幅な環境負荷低減に貢献するエコマシンへと進化した。摺動方式や送り機構を見直し、周辺装置の小型化など従来機比最大約70%の油量削減・約18%の電力消費量を削減している。 高剛性・高切削能力を備えた420㎜大型ラムは同社製造である緻密・均質な遠心力鋳造管から削り出し、摺動面積を従来機より2倍に拡大し、Z軸の直進度精度が向上。約500種類以上実績を有する特殊専用アタッチメントの装着が可能であり、B・C軸ギア駆動の高トルク旋回軸を有した新開発同時5軸アタッチメントでは5面加工機では実現が困難な複雑な加工にも強力切削が可能となった。
■主な出品製品=門形5面マシニングセンタ「HF-4MⅡ」
スガツネ工業、ロボ架台に向く固定具付きキャスター
カテゴリー:その他
ヒンジやステーなどの機構部品によって、20㎏のカバーを指1本で軽く開けられたり、モニターの角度を直感操作で止められたりする「モーション デザインテック」を手掛けるスガツネ工業は、ロボット架台などへの使用に向くアジャスター付きキャスター「アジャキャスターAJC型」(=写真)を提案する。
耐荷重1t(4輪使用時)でありながら、アジャスターとキャスターを兼ね備えた構造を実現。レバーを上下させるワンタッチ操作でアジャスターの設置と解除を行える。レバーがキャスターではなく固定具側についているため、常に筐体の外側に位置させることが可能で操作性に優れる。
他にも、現場の安全対策や作業効率改善に繋がる機構部品を多数展示する。
■主な出品製品=アジャキャスターAJC型、マルチリニアガイドレールMLGX25型、RGBWタフライト
スギノマシン、水噴流・ロボ活用で生産性向上
カテゴリー:工作機械
水切断装置を実機展示する
「多彩な技術で生産性向上に貢献!」をテーマに、「WATER JET」「MACHINE&TOOL」「DX&AUTOMATION」の3つのソリューションを提案する。
WATER JET領域では、新製品のカンチレバー式超高圧水切断装置「ABRASIVE JET CUTTER CL-5AX」を実機で展示。A、B軸を付加した5軸ヘッドと、強化した「テーパ補正」機能で高品質な加工と高速化を実現する。ブースでは加工実演も行う。
他にも、産業用ロボットの先端に取り付けることでロボットによる切削加工を可能とするロボットマシニングユニット「SELFEEDER DUO Robot Edition」や、バリ取り用フローティングスピンドル「BARRIQUAN」を搭載したロボットバリ取りセル「RDM-S」など今年発表した新製品も提案する。
■主な出品製品=カンチレバー式超高圧水切断装置「ABRASIVE JET CUTTER CL-5AX」、ロボットマシニングユニット「SELFEEDER DUO Robot Edition」、バリ取り用フローティングスピンドル「BARRIQUAN」
住友電気工業、スクリュー操作でヘッド脱着
カテゴリー:機械工具
最新技術に加え、GXやDXに関する取組みを紹介するほか自動車・EVをはじめ航空機や小物部品といった産業別に展示コーナーを設け、幅広い製品群を展示する。
小型・自動旋盤用工具「ヘッド交換式クイックチェンジホルダ APM型」はシャンク部に付与したスクリューの操作のみでヘッドの脱着が可能であるため、操作が容易である。
鋼旋削用コーティング材種AC8000シリーズに、新たに「AC8115P」を追加。独自CVDコーティング技術の「アブソテック(Absotech)」を適用し、結晶配向性の制御技術をさらに洗練させたアルミナ層と耐塑性変形性に優れる新超硬母材を組み合わせることで、耐摩耗性を大幅に向上した。ステンレス鋼旋削用コーティング材種AC6000シリーズも、新たに「AC6135M/AC6145M」がラインナップされた。
■主な出品製品=ヘッド交換式クイックチェンジホルダ「APM型」、鋼旋削用コーティング材種AC8000シリーズ「AC8115P」
セイコーインスツル、人手不足にロボ付内面研削盤で対応
カテゴリー:工作機械
研削盤業界でも人手不足対応が求められていることから、省人化・自動化への対応として、CNC内面研削盤「STG-6N」(=写真)にロボットを搭載した特別モデルを展示する。STG-6Nは独自開発の高出力、高剛性スピンドルによる高精度の内径加工が行えるCNC内面研削盤。6インチチャックを標準搭載しながら、機械幅を1600mmに抑えたコンパクト設計が特徴。
他にも、4インチチャック搭載のCNC内面研削盤の作業性を見直した「STG-3NX」や半導体製造装置向けや電子部品加工などで求められる超精密加工ニーズに対応した高周波スピンドルモーター「SSPGシリーズ」なども出展する。
■主な出品製品=CNC内面研削盤「STG-6N」、CNC内面研削盤「STG-3NX」、高周波スピンドルモーター「SSPGシリーズ」
ゼネテック、モノづくりを変革する最新ソフト
カテゴリー:制御装置
「ものづくり領域でDXを牽引する」をテーマに、製造業のDX実現・促進に貢献するさまざまなシステムを出展。メインでは、インストールライセンス数世界No.1の3D-CAD/CAMシステム「Mastercam2025」を展示。機械メーカーや工具メーカーとの協業によって実現した加工サンプルの展示に加えて、ロボットの稼働監視システムを合わせて展示する。さらに、製造や物流倉庫、商業施設など「人・モノ」が動く現場のシミュレーションをローコードで簡単、かつ高精度に実現するシミュレーションソフト「FlexSim」を用いた現場の最適化検証のデモ実演も行う。
■主な出品製品=ロボット教示用オフラインティーチングソフト「Visual Components Robotics OLP」
ソディック、フェムト秒レーザー加工機
カテゴリー:工作機械
「進化を続けるコア技術『Sodick Smart Solution』」をテーマに、微細加工を短時間で実践する加工機から、省力化ソリューションまで一挙に展示する。
11月に受注開始のリニアモーター駆動のフェムト秒レーザー加工機「LSP4040」(=写真)は、パルス幅が極端に短いフェムト秒レーザーを使用することで、加工物に熱が伝わるよりも早く照射を終えることができ、熱影響によるワークの割れやデブリが発生しにくい精密微細加工機。脆性材や高硬度材など難加工材の加工に幅広く対応する。
省力化提案では、リニアモーター駆動マシニングセンタ「UX650L」と70mm角のワーク40個搭載可能なオートワークチェンジャ「SR12」を組み合わせた展示も行う。
■主な出品製品=フェムト秒レーザー加工機「LSP4040」、大型ワイヤ放電加工機「ALN800G I Groove+Edition」、MC「UX650L」&AWC「SR12」
ダイキン工業、環境負荷軽減をグローバル対応で
カテゴリー:油圧・空気・水圧機器
「MOVE MODERN」をテーマに掲げ、ハイブリッド油圧製品による環境貢献や現場課題の解決、北米・欧州におけるエンジニアリングサポート力を訴求する。
長寿命フィルタ「ラクフィル」は従来品に比べ、大量のオイルミスト吸収が可能。オイルコンの冷却フィン目詰まりによる故障を防ぎ、メンテ工数を削減する。保全性強化機能付「エコリッチ R」は、ハイブリッド油圧ユニットのオプション仕様として作動油の色相判定機能を追加。しきい値を超えた場合はワーニング表示で報知し、管理工数をカット。色相での判定のため安価に導入できる。「オイルコン AKZ シリーズ(循環形)」(=写真)は現行の冷媒 (R410A) に比べGWP(地球温暖化係数)が低いR32を使用。高効率冷媒のR32は、現行機種に比べ電力削減も実現する。
■主な出品製品=長寿命フィルタ「ラクフィル」、保全性強化機能付「エコリッチ R」、低GWP冷媒搭載「オイルコン AKZ シリーズ(循環形)」
大日金属工業、フラット旋盤とロボットの融合
カテゴリー:工作機械
マニュアルハンド付きならではのフレキシブルさをもつ高性能CNC旋盤「MG65x140」(=写真)。今展では協働ロボットを付属し、バリエーションアップを図る。
また、CNC精密旋盤「DL530x100」は協働ロボットを付属すればロット生産に対応可能。多品種少ロットではロボットを退避し、人の手でワークを脱着、多数個加工はロボットでワークの搬入、搬出を行える。受注個数によってロボットの使用を選べ、夜間の無人運転など様々なバリエーションに対応できる。汎用旋盤、自動サイクル旋盤、CNC旋盤、+ロボットなど、1台で4役を担う。協働ロボットとの融合で幅広い生産体制に力を発揮する。
■主な出品製品=CNC旋盤「MG65x140」、CNC精密旋盤「DL530x100」
太陽工機、加工能率向上させた立形研削盤
カテゴリー:工作機械
立形研削盤「Vertical Mate 85 2nd Generation」(=写真)は、主力製品「Vertical Mate 85」の高精度・複合加工といった基本機能を継承しつつ、DMG森精機と共同で構造最適化を図ることで加工能率を大幅にグレードアップした。
DMG森精機製のspeedMASTER搭載により同クラス最大の出力18.5kW・トルク35.3Nmを達成、オプションとして高速仕様15,000min-1も用意する。新操作盤「ERGOline X with CELOS X」はDX性能を強化するだけでなく、オプションのビルトインミストコレクタ「zeroFOG」を使えば従来機比-15%のCO2排出量削減に繋がる。クーラントタンク形状を見直すことで、タンクを含んだフロアスペースは3015×4050mm。スペースの限られた現場でも導入しやすい。
■主な出品製品=立形研削盤「Vertical Mate 85 2nd Generation」、立形複合研削盤「CVG-6」
高松機械工業、長尺ワークに特化した機種が複数
カテゴリー:工作機械
「明るい未来をプレゼント」をテーマに長尺ワークに特化したシリーズ中心に展示を行う。8インチCNC複合精密旋盤「XTL-8MY」(=写真)はミーリング機能を有し、長尺シャフトワークの加工を可能しつつ機械サイズは抑えてコンパクト設計に。「XTL-8MYS」はミーリング機能を備えながら、背面加工を可能にするサブスピンドルを搭載。1台で完品加工が可能になる。
シャフト両端工程集約機「XYT-51」は高い剛性と複合加工の機能を両立した機種。バランスカットによる高精度・高効率生産を実現、従来機よりモーター出力をアップさせ加工能力を向上し、重切削にも対応できるようになった。
■主な出品製品=8インチCNC複合精密旋盤「XTL-8MY」、8インチCNC複合精密旋盤「XTL-8MYS」、シャフト両端工程集約機「XYT-51」
TAKISAWA、高剛性な複合CNC旋盤で歯車加工
カテゴリー:工作機械
ニデックマシンツール、ニデックオーケーケーと共同出展。NIDECグループで加速する技術力の融合による「NIDECギヤ加工ソリューション」を提案する。
JIMTOF初披露の複合CNC旋盤「TS-4000ⅡYS」(=写真)は、ベストセラー機「TSシリーズ」を高精度、高剛性を追求し基本構造から見直し。ニデックマシンツールの歯車加工技術を活用し、高精度歯車加工の工程集約機として共同開発した。機械仕様のバリエーションを増やし、様々なユーザーニーズに対応する。会場ではモータシャフトを用いた外径歯車とスプラインのホブ切りを披露する。
マルチギヤ加工機能を付加した複合加工機「TMX-4000ⅡST」は、工具主軸に高トルクのビルトインモーターを搭載。パワフルなミーリングから繊細な加工まで柔軟に対応する。
■主な出品製品=複合CNC旋盤「TS-4000ⅡYS」、複合加工機「TMX-4000ⅡST」
武田機械、フルモデルチェンジした両頭フライス
カテゴリー:工作機械
出展機の両頭フライス盤「BXR810SF」(=写真)は800×800×230mmのプレート加工が可能な従来機をフル刷新。門形クランプの手動開閉を不要とし、フルカバーや非鉄金属・難削材加工で重宝される湿式仕様、下バリ取りなど新機能を加えた。従来機よりテーブルへの接近性も良く作業を効率化する。門形プレートミル「PARADEM5」は門間に2面のテーブルを搭載。APCのように各テーブルで加工とワーク脱着を同時に行える。オプションのATCでカッターを粗と仕上げで使い分ける使用方法も。
インモーションセンタ「NIC400」(長尺ワーク向けの立形マシニングセンタ)も展示。本体は剛性・加工能力・スピードすべてで従来機を上回り、力強く素早い切削を行える。
■主な出品製品=両頭フライス盤「BXR810SF」、門形プレートミル「PARADEM5」、インモーションセンタ「NIC400」
田中インポートグループ、不等リードエンドミルの再研磨
カテゴリー:その他
卓上型工具研磨機、浮上油回収装置(オイルスキマー)、セミドライカットシステム(MQLミスト装置)を中心に展示。多数機種で実演デモを行い、製品のパフォーマンスを体感できる場を用意する。
「PT-03BF」(=写真)は等分割・不等分割リードエンドミルを1台で再研磨可能。研磨範囲が4~20mmと最もニーズが広いサイズをカバーする。「業界初」という不等分割・リードエンドミルの再研磨を可能にした新製品だ。また、卓上型でドリルとエンドミルの2種が研磨可能な全自動ドリル・エンドミル研磨機も出品。
このほか、クーラントタンク内の切粉やスラッジを高速回収し、クーラントの寿命伸長につながる電源不要のエアー駆動のスラッジ・切粉クリーナー「SCP20-SF, WF」も並べる。
■主な出品製品=不等分割・リード対応エンドミル研磨機「PT-03BF」、全自動ドリル・エンドミル研磨機、スラッジ・切粉クリーナー「SCP20-SF, WF」
ZOLLER Japan、工具準備のボトルネックを解消
カテゴリー:測定/試験機器
工具段取り作業の効率化をテーマに、工具準備におけるボトルネックを解消するための多彩なソリューションを一堂に展示する。
従来のツールプリセッターの機能を飛躍させ、標準的な工具から極小径工具まで、すべての切削工具を最高の精度で測定、検査する「venturion(高解像度カメラ仕様)」(=写真)。測定カメラは高解像度投影カメラ(5MP)となり、極小の刃先形状を正確に映し出すことができる。測定値転送システム「zidCode4.0」はツールプリセッターにより高精度に測定されたデータをユーザーの環境に合わせた通信設定によって、各工作機械へ確実かつ安全に転送する。ツールプリセッター「hyperion」は通常の縦型ツールプリセッターとは異なり、横型に工具を挿入、クランプして測定する。
■主な出品製品=ツールプリセッター「venturion」、同「hyperion」、 測定値転送システム「zidCode4.0」
ツガミ、主力12機種で自動化・省力化を提案
カテゴリー:工作機械
新製品6機種を含む主力製品12機種を出展。量産加工・工程集約機に自動化設備を付与し、多品種少量生産に対応する段取り替えの自動化・省力化を実演する。
CNC精密自動旋盤「B0205-VR」(=写真)は、背面主軸と背面刃物台を搭載することでオーバーラップ加工を可能とし、主軸と背面主軸に高出力ビルトインモーターを搭載。操作性・加工能力を従来機よりも向上し、量産加工性を強化した。チャック調整の容易化、背面ツールのクイックチェンジ対応で、段取り替えによる設備のダウンタイムも削減する。
1年間清掃不要なクーラントタンクシステムやクイックチェンジ刃物台システムの活用など多くの見どころを用意する。
■主な出品製品=CNC精密自動旋盤「B0205-ⅤR」、CNC旋盤 「M10JL10」、マシニングセンタ「VA4-Ⅱ」
津田駒工業、円テーブルで工程集約、自社製加工機も
カテゴリー:工作機器/工作機械
最高毎分3000回転のNC傾斜円テーブル「TDB-200」を小型マシニングセンタに搭載し実演。高精度割出加工と旋削加工に対応し、内周の旋削や外周の穴開けをワンチャックで行える工程集約の利点を訴求する。回転軸のスイング径を拡大したNC傾斜円テーブル「TWSシリーズ」は、振りの大きな治具の搭載時や大径ワークの加工時、より小型の円テーブルを採用できるため設備全体をダウンサイズできる。今秋オプションのかさ上げベースを発売、任意の傾斜角で最大φ500mmのワークを振り回せるように。
初披露の自社製ギヤ用バリ・面取り機「MDP-0001」(=写真)も注目。内外径や歯すじの高速バリ取り・面取りが可能で様々なギヤに対応。プログラム作成が容易で独自画面も作成できる。
■主な出品製品=NC傾斜円テーブル「TDB-200」、NC傾斜円テーブル(振り回し径拡大モデル)「TWSシリーズ」、ギヤ用バリ・面取り機「MDP-0001」
THK、直動部品・ロボット・IoTで自動化を支援
カテゴリー:工作機器
「最先端の自働化~あらゆる動きを技術とサービスでサポート~」をブーステーマに高速・高精度・高剛性を備えたLMガイドやボールねじなどの直動部品、各種ロボットやAI、IoTサービスを展示する。
8条列構造かつISO規格準拠寸法を実現した「超低ウェービング ボールリテーナ入りLMガイド」(=写真)は自社トップレベルのnm単位の超低ウェービングを実現し、半導体製造装置などに向く。8条列を採用しながらISO規格に準拠した寸法(世界標準寸法)のため、既存製品からの置換えが可能。
工作機械用高速ボールねじ「BSM/BSM-B」は新開発の循環構造と大リードを採用し、従来品のDN値13万から17万に向上した。
■主な出品製品=「超低ウェービング ボールリテーナ入りLMガイド」、工作機械用ボールねじ「BSM/BSM-B」、ローラーリング「RT」、設備総合効率最大化プラットフォーム「OMNIedge」
DMG森精機、トータルソリューションを体感する場に
カテゴリー:工作機械
高精度5軸横形マシニングセンタ(MC)「INH 63」や、自律走行ロボット「AMR 2000」、第5世代ターニングセンタ「NLX 2500 2nd Generation with MATRIS Light」(=写真)など、最適な工作機械と高性能な周辺機器との組合せによるトータルソリューションを提案する。金属積層造形と切削加工のハイブリット機「LASERTEC 3000 DED hybrid」を実演披露。南ホールのAMエリアでは日本初出展となるパウダーベッド方式の「LASERTEC 30 SLM 3rd Generation」のデモを実施する。
同社の東京グローバルヘッドクォータで事前予約制のオープンハウス「東京テクノロジーウィーク」を同時開催。最新機種の展示やデモ加工の実演を行う。
■主な出品製品=ターニングセンタ「NLX 2500 2nd Generation with MATRIS Light」、複合加工機「NTX 500」「NZ QUATTRO」、5軸横形MC「INH 63」、レーザAM機&5軸複合加工機「LASERTEC 3000 DED hybrid」、自律走行ロボット「AMR 2000」、「WH-AMR 10」
ティーケーエンジニアリング、銅製品の受託造形サービス
カテゴリー:その他
ティーケーエンジニアリング(2021年設立、社員約100人)は金属3Dプリンターでは従来難しいとされてきた銅製品の受託造形サービスを展開している(銅材はレーザー光を強く反射するため焼結させにくい)。とりわけ高周波誘導加熱コイルの造形では多数の実績があり、多くの顧客に短納期で提供し、水冷管を最適な位置に配置できることからコイル寿命が延びたと高評価を得ているという。
パウダーベッド方式の3Dプリンターを使った造形は銅製品に限らず、切削工具の造形にも取り組み始めている。造形可能サイズは縦280×横280×高さ365mm。会場では多数の実物サンプルを手に取れるかたちで展示する(11面に同社の工場訪問記「挑む!加工現場」)。
■主な出品製品=高周波誘導加熱コイルや切削工具などの造形品
東亜精機工業、低コストで正確な測定器
カテゴリー:測定/試験機器
少ない人材で誰でも同じ水準で業務を行えるよう、製造業界では様々なロボットによるオートメーション化が進められている。
「全てをオート化するには膨大な設備投資や時間が必要で、簡単に導入できないのも実状。その様な企業様のニーズに最適な検査機をご提案させて頂ければ」と同社。
人の手で測定すると、測定数値にバラつきが生まれ正解値が分からなくなるが、「穴深さ測定機(デジタル式)」(=写真)を使用すれば誰が測定しても同じ数値となり、正確な穴深さの実測値を得る事が可能だという。同社の設計で様々なワークに対してオーダーメイドの測定機が製作できる。
■主な出品製品=穴深さ測定機(デジタル式)
東京精機工作所、独自機構で高剛性な平面研削盤
カテゴリー:工作機械
ロータリー研削盤シリーズは、同社が蓄積してきた技術とノウハウを結集して開発され、国内外の脆性材加工ユーザーを中心に信頼を得てきた。独自の「マッケンゼンタイプ非接触油動圧軸受け」が高い機械剛性を担保し、鉄からセラミクスなど脆性材、重切削から精密研削まで幅広い領域で使用できる。
CNC横軸ロータリー平面研削盤「TR80NC型」(=写真)は、電磁チャック外径800mmと幅広いワークに対応する。テーブルサイドの左右摺動速度とテーブル回転が常に関連的に不等則運動を行うため、研削条件の安定と加工時間の短縮といった生産性向上に寄与する。加えて、砥石軸回転数を従来機種よりも200回転多い毎分1800回転とし、より高能率な生産を可能にした。
■主な出品製品=CNC横軸ロータリー平面研削盤「TR80NC型」
東洋研磨材工業、鏡面仕上げを職人→機械に
カテゴリー:その他
鏡面研磨機SMAP(=写真)による実演加工や新メディアSDシリーズの紹介などを行う。
SMAPは弾性のあるコア部の周りに研磨材をちりばめたメディウムをワークに当てることで研磨を行う。メディアがワーク形状に沿って流れて研磨するため、これまで職人が行う必要のあった微細・複雑形状のワークの仕上げ作業も機械化できる。
また、水や油を使わない乾式研磨で、手作業で研磨できるため、後処理や治具の作成が不要。樹脂材の磨きなど多様な材質のワークに対応する。
会場に設置するショットマシン「SMAP-ⅡF型」は鏡面仕上げに特化したモデル。鏡面磨き専用のFメディアを使用することで、従来機よりもさらに上の光沢研磨が可能となる。
■主な出品製品=鏡面ショットマシン「SMAP-ⅡF型」、研磨剤「SDシリーズ」
トーヨーエイテック、ミネラルキャスト採用の横形内研
カテゴリー:工作機械
ミネラルキャスト採用の横形内面研削盤「THG-35C」(=写真)に注目。ベッドに高い振動減衰性と優れた熱安定性を持つ同素材を使い、X・Z軸をフルクローズド制御に。安定し高精度加工を行える。工作機械主軸等の長尺ワークに対応し、自動芯出し装置で段取りも自動化。
小径歯車や軸付き歯車の高能率加工に貢献する歯車研削盤「TGG-26-2W-HS」も出展。毎分最高1万3500回転の高速砥石軸と同6000回転の高速ワークヘッドで小径砥石で高能率加工が可能だ。ATC装置で摩耗した砥石を自動交換し長時間連続稼働もできる。今展では同機と砥石を自動交換して内径・端面・外径を加工できる立形複合研削盤「TVG-20C-2S」をロボットで連結。歯車の全研削工程の自動化と歯面の高精度化を提案する。
■主な出品製品=横形内面研削盤「THG-35C」、歯車研削盤「TGG-26-2W-HS」、立形複合研削盤「TVG-20C-2S」
長島精工、超高精度加工の効率化
カテゴリー:工作機械
見どころは同社の平面研削盤を大幅に進化させた「WAZA520-EVOLUTION」(=写真)。サイズが異なる複数のワークの自動連続加工や平面研削の生産性向上、スキルレス化を訴える。プレス金型用パンチピンの加工精度向上も提案。新CAMシステム「NS-CAM」と超精密複合多目的円筒研削盤「NMGM-2HF」を実機で展示する。
WAZA520-EVOLUTIONは、サイズが異なるワークを複数個連続加工するマルチ研削機能により、作業者が機械から離れる時間を確保。また、設定ミスを事前に可視化する新システム「WAZA-LINK」を搭載。NC研削盤に不慣れなオペレーターでも「簡単に、安心して」使えるシステムを提案する。
■主な出品製品=超精密CNC成形平面研削盤「WAZA520-EVOLUTION」、超精密複合多目的円筒研削盤「NMGM-2HF」
ナガセインテグレックス、6台の新機種で「超越」精密へ
カテゴリー:工作機械
6台の新機種や砥面観察システムなどを一挙に披露し、超精密加工と生産性の向上、省力化、非熟練化を同時に達成する「超越精密」を打ち出す。6機種中5機種が既成概念に囚われず機械の理想構造を求める「IGTARP DESIGN」を採用し、剛性の向上やスペースが従来機比で半分以下になる効果が出ている。
超精密門形成形平面研削盤「SGX-126SLS2-Zero3」(=写真)は「超精密を超える最高の品質」と非熟練化を両立するマシン。3点支持高剛性ベッドを採用。テーブルと前後のクロスレール案内面に独自の油静圧案内面とリニアモータ駆動方式を用い、平面研削加工だけでなく2軸・3軸を同期させた形状創成加工や多数個自動加工も高い精度と品位で行う。従来機と比べ設置面積は5割も減った。
■主な出品製品=超精密門形成形平面研削盤「SGX-126SLS2-Zero3」、超精密門型成形平面研削盤「SGD-3012SLS2B-Zero4」、超精密ロータリマルチ研削盤「RG-700SLS2-N2」
中村留精密工業、速さ特化の複合旋盤、新たな自動化も
カテゴリー:工作機械
テーマは「現場の負担を削る」。7台機械を出すが、特に速さに特化しアイドルタイムも徹底し削った「Vシリーズ」の新製品、初披露の複合精密CNC旋盤「WY-150V」(=写真)が注目される。同機は2タレット・対向2スピンドルで上下タレットにY軸・ミーリングを標準搭載。上下・左右同時加工が可能で昨年発表の「WY-100V」より大径ワークに対応する。同じVシリーズの「NTY3-100V」は3タレット・対向2スピンドル。上下タレットにY軸・ミーリングを標準搭載、左右の加工時間の差を下タレットがお助け加工で調整する。
「世界最小クラス」の工具主軸を搭載したATC型複合加工機「JX-200」も披露。さらに新ロボットシステムを含む自動化装置も多数、加工機に搭載され見所になる。
■主な出品製品=複合精密CNC旋盤「WY-150V」「NTY3-100V」、ATC型複合加工機「JX-200」
ナベヤ、治具による自動化や工程集約
カテゴリー:工作機器
「ネオグリップ(ロボット搬送タイプ)」(=写真)は作業者が加工中や退勤前にバイスでワーククランプを外段取りすれば、ロボットがバイスをベースに搬送し、エア駆動で位置決め・締結できるため、段取り替えを無人化できる。
「ナットランナークランプシリーズ」は油空圧の配管不要。ナットランナー操作でクランプとアンクランプを自動化が可能となる。
工具レスで「誰でも・素早く・簡単」に着脱を行えるのが「簡単着脱クランプシリーズ」。ネジの締付作業が不要で着脱時間を大幅に短縮できる。ボルトの締め忘れ・締めすぎ・精度のバラつきを防止し、作業の標準化と予防保全にも貢献する。
■主な出品製品=ネオグリップ(ロボット搬送タイプ)、ナットランナークランプシリーズ、簡単着脱クランプシリーズ
日機、大型機を明るく照らす機内灯
カテゴリー:その他
新たにリリースしたフラット型機内灯「NLE-SN3シリーズ」(=写真)、スポットライト「NLS30シリーズ」、積層表示灯「NLA50L」が見どころで「当社の照明をご使用いただいている会社に加え、新たに幅広い会社に採用いただきたい」(同社)とする。
「NLE-SN3」は直下照度が高く、配光角が広いため大型機に取り付けても十分な明るさを確保できる。「NLS30」は大型のスポットライトで大型機に使用できる明るさがある。「NLA50LDC-3B1D-A」は従来の表示灯より大きな発光面で視認性が高く見落としの防止につながる。また素材がナイロン66を使用しているためオイルミスト環境でも壊れない。
■主な出品製品=フラット型機内灯「NLE-SN3シリーズ」、スポットライト「NLS30シリーズ」、積層表示灯「NLA50L」
日研工作所、ツーリングと円テーブルの二刀流
カテゴリー:工作機器
ツーリングとロータリテーブルの二刀流で省エネや人手不足の解決に貢献する製品を提供。二面拘束BT30旋削ホルダ+超高速DDテーブルの提案では小型マシニングセンタで複合加工のデモも行う。
注目は強力な防錆効果で保守の手間を減らし、自動化のトラブルも低減する「黒のホルダ」シリーズ。これを拡充し、防錆仕様のプルスタッドやテーブルも加えた「黒のソリューション」シリーズ(=写真)として初披露する。マルチ治具ホルダシステムでは協働ロボと組み合わせた自動化を提案。治具やワーク交換の自動化が簡単に行える同システムの利点を体感できる。超高精度割出CNCロータリテーブルやギガキャスト時代の切削に威力を発揮する「GIGAツーリング」シリーズも。
■主な出品製品=「黒のソリューション」シリーズ、超高精度割出CNCロータリテーブル「MAGIC SPACER」、マルチ治具ホルダシステム
日鋼YPK商事、抜群の把握力で高能率加工を実現
カテゴリー:工作機器
世界で唯一のカムレバー方式を採用し、軽量かつコンパクトな中空パワーチャックを国内生産している日鋼YPK商事は、遠心力内蔵型の「MAC型」チャックを出展する。標準的なチャックではスリップして削れないようなワークも、抜群の把握力で保持し、回転数を上げてもバリバリ削れるのが大きな特徴。特に薄肉ワークの加工において威力を発揮し、歪みなく高精度な加工を実現する。
同社では汎用的な中空チャック及び中空回転シリンダはもちろん、部品加工の際に問題になる様々なワーク、難しい把握条件に対応するオーダーメイドチャックも得意としている。
■主な出品製品=遠心力内蔵型「MAC型」チャック
日進工具、精密・微細加工向け高能率エンドミル
カテゴリー:機械工具
切削加工用エンドミル分野における最新の製品や加工事例、加工技術などを紹介するとともに、製品開発担当者による出展者ワークショップの開講を行う日進工具。ブースでは精密・微細加工向けに、無限コーティングプレミアム高能率レンズ形3枚刃エンドミル「MLFH330」(=写真)を提案する。同製品はボールエンドミルのように底刃がRになっているが、ボールエンドミルよりピックフィードを大きく設定でき、加工能率向上を図れる。
ボールエンドミルと同じカスプハイトで加工する際、同径のボールエンドミルより底刃Rが大きく設計されており、ピックフィードを大きくできる。また3枚刃の採用と大きなチップポケットで高能率加工を実現する。
■主な出品製品=アルミ用高能率ラジアスエンドミル3枚刃3倍刃長「AL3D-345R」、小径3枚刃ロングネックボールエンドミル「MRBSH330」
ニッセイ、各社サーボモーターと連結しやすい精密減速機
カテゴリー:歯車・歯車装置
10月に発売した精密減速機「UXiMO GearHeadタイプ」(=写真)を中心に小径・小モジュール歯車など特徴ある歯車製品を展示する。UXiMOシリーズは中実「DGS」、大口径中空「DGH」、扁平・軽量「DGF」を合わせて4タイプが揃った。
コンパクトで高トルクなUXiMO GearHeadタイプは各社サーボモーターと簡単に連結でき、製造工数を削減できる。様々な用途での使いやすさを重視し、モーターブラケットを取り付けて提供する。外径73・79・93mmの3枠番、1/19・1/29・1/49・1/79・1/99・1/119の6減速比(1/119は枠番030、050のみ)。
■主な出品製品=精密減速機「UXiMO GearHeadタイプ」
日東工器、電動式の吸着ハンドやベルトサンダー
カテゴリー:油圧・空気圧・水圧機器
自動化ニーズに対応すべくロボット用エンドエフェクタの拡充を図る。電動吸着ハンド「e-VEE」(=写真)は内蔵した真空ポンプで吸着搬送する。圧縮空気の供給が不要で、低消費電力(14.4W)で作動する。小型ながら高真空(最高真空圧-66.6kPa)・高流量(7.5L/min)。
「フローモニター レンズ交換タイプ」は低流量から2色の羽根の回転で、冷却水の流れを目視で確認できる。新たに小口径タイプを追加。配管されたままでモニターレンズの交換が可能。
充電式ベルトサンダー「ベルトンCLB-10/CLB-10(NN)」は電源やエアー源が確保しにくい場所でのバリ取りに好適。従来ベルトンにはない「負荷検知機能」「押し当て調整機能」を新たに搭載し、材料や研磨ベルトの削り過ぎを防ぐ。
■主な出品製品=電動吸着ハンド「e-VEE」、「フローモニター レンズ交換タイプ」、充電式ベルトサンダー「ベルトンCLB-10/CLB-10(NN)」
ニデックオーケーケー、省スペース、高速加工の小型5軸MC
カテゴリー:工作機械
5軸制御立形マシニングセンタ「VB-X650」(=写真)は高速加工性、省フロアスペース性、良好な作業性を実現した小型5軸加工機で、回転軸にダイレクトドライブモータを採用し、バックラッシのない高速加工を可能に。「自動化・省力化をアピールする」と同社。横形マシニングセンタ「HMC500」はクラス最速レベルの早送り速度63m/min・最大送り加速度1Gにより高速性を一段と追求し、能率加工を実現。自動車や一般産業機械などの量産部品加工のニーズに応える。パレット段取り部の自動旋回機能を実演予定だ。
■主な出品製品=5軸制御立形マシニングセンタVB-X650、横形マシニングセンタHMC500
ニデックマシンツール、門形五面加工機のデジタルツイン
カテゴリー:工作機械
「歯車加工分野」では「NIDECギヤ加工ソリューション」として、荒加工~仕上げ加工、量産~少量多品種・工程集約まで、EVシフトに対応した最新の歯車加工ソリューションを提案。「大物加工分野」では豊富な門形機ラインナップから「MVR-Hx」(=写真)を実機展示。デジタルツインにより、多くの工程を仮想空間で完結。効率化・省人化された『未来の生産のあり方』をアピール。リアルの世界を高精度に再現するシミュレーションによりプログラムの完成度を極限まで高め、データを忠実に再現できる機械で、狙った品質の生産をスピーディに実現する。
「AMエリア」ではパウダDED方式金属3DプリンターLAMDA200実機と、DED方式・BJT方式金属3Dプリンターの適用事例・造形サンプルを多数展示する。
■主な出品製品=門形五面加工機「MVR-Hx」、歯車研削盤「ZFA260」、内歯車研削盤「ZI25A」
日本AM協会、製造加工装置として活用を
カテゴリー:工作機械
初開催された同協会主催の「AM EXPO名古屋」の様子
AM(3Dプリンティング)を設計試作コピー装置ではなく、製造加工装置としての活用を普及させる事を目的として活動する同協会。今回のブース展示会員企業は、金属材料、有償造形加工、AM製造ソリューションとAMに係る特徴をもったものとなる。J・3D(レーザーパウダーベッド、有償造形)、ODEC(レーザーパウダーベッド、有償造形)、立花エレテック(AM製造ソリューション)、大同特殊鋼株(粉末材料メーカー)、富士高周波工業(レーザーDED方式等、有償造形)のサンプルワークなどの展示が実施される。
■主な出品製品=各社のワークサンプル
日本オートマチックマシン、精密バイスとパレット活用で自動化提案
カテゴリー:工作機器
独自の技術力と最新の自動化設備を融合し、ユーザーニーズに最適なソリューションを提案する。実演ではロボットを使用したバイス自動搬送システムやプレスと自動搬送装置で実際の生産ラインでの使用をイメージした展示を行う。
自動搬送用ツーリング「Exc’sシリーズ」(=写真)は精密バイスとパレットの組み合わせで工程ごとのワーク掴み直しを不要にし、精度を維持しつつ最終工程まで到達できるため、段取り時間を大幅に短縮可能。ストッカーやロボットを使用した自動化設備に搭載し、生産性向上に繋げる。また各種精密バイスをExc’s仕様に変更可能で、様々なワークにも対応。複数台必要な場合でも並列加工を施すためセッティングが容易に行える。
■主な出品製品=4柱型フレーム高速クランク式サーボプレス「RSS1000P」、調整機構付き精密ワイヤーカットバイス「JWS948」
野村製作所、大型バー材対応のチャックとシリンダー
カテゴリー:工作機器
同社製エアーシリンダーで最大、中空径52mmの新製品「AXN52型エアーシリンダ」を大口径チャックと連結し動作を演出。同サイズのシリンダーは「他社にない」(同社)といい、大型バー材加工に向く。1台のシリンダーで2動作が可能で動作が複雑なチャックに対応する「NW型油圧シリンダ」や、最高毎分8000回転対応のエアーシリンダー、同1万回転対応の油圧シリンダーも出品。
「MAC3-250型パワーチャック」は遠心力補正機構内蔵で把握力の減少率が小さく、高速回転時の安定加工を導く。従来の把握力を1.5倍に強化し、強力切削を可能にした「GO3-8S型パワーチャック」(=写真)も披露。ロングストロークジョーを活かし、ワークを飛び越しての把握に好適だ。
■主な出品製品=「NW型油圧シリンダ」、「AXN52型エアーシリンダ」、「MAC3-250型パワーチャック」
ファナック、新CNCやサーボで製造業を効率向上
カテゴリー:制御装置
ファナックは工作機械の性能を向上するCNC技術の強化に加え、IoTやAI、デジタル技術およびロボット技術との組み合わせによる製造業の自動化を支える商品を提供している。今回、新CNC「Series 500i-A」(=写真)ならびに「αi-Dシリーズサーボ」の紹介に力を入れる。
500i-Aは処理性能、保守性、信頼性を向上し、環境負荷や労働力不足などの新しい市場要求に対応する。5軸加工機能はさらに使いやすくなり、操作画面は作業性を追求した。
αi-Dシリーズサーボは損失を当社従来比で10%低減。サーボ性能を全面的に強化(一例として主軸の加速時間を10~25%削減)。DD・リニア・ビルトインスピンドルモーターまでフルラインアップ。
■主な出品製品=CNC「Series 500i-A」、「αi-Dシリーズサーボ」、「Smart Digital Twin」、工場全体のスマート化支援オールインパッケージ「FIELD system Basic Package」
FUJI、新たな複合旋盤、ターンキーの紹介も
カテゴリー:工作機械
新たな複合旋盤「ACUFLEX 400S」(=写真)を披露。スマートロッカーシステム「Quist」を使った治具や刃具管理も提案する。対向2軸旋盤「ANW400ⅢH」、正面2軸旋盤「CSD300Ⅱ」、NC旋盤「TN300Ⅱ」の3台を使ったターンキー事例の紹介も見所になる。
ACUFLEX 400Sはコンパクトながらベッド上の振りφ790mmのY軸付き1タレット複合旋盤。右主軸の剛性も高く左主軸に劣らない加工が可能で加工の幅が広がる。市販されている入手性の高いBMT規格を採用し、BMT45~60が使用可能だ。ANW400ⅢHは4軸制御のスイングアームロボを内蔵し、剛性の高い芯押台が搭載できる。TN300Ⅱは小型の1主軸旋盤だが剛性に優れ、ワークの表裏を加工できるなど各機に特色がある。
■主な出品製品=複合旋盤「ACUFLEX 400S」、対向2軸旋盤「ANW400ⅢH」、正面2軸旋盤「CSD300Ⅱ」、NC旋盤「TN300Ⅱ」
富士機工、金型12個搭載のロータリープレス
カテゴリー:鍛圧機械
金属加工に関する「省力化」「コストダウン」「品質向上」に寄与するパンチプレス、プレス機を出展。
「デスクロータリープレス」(=写真)はターンテーブル式の油圧プレス機。1度金型をセットしてしまえばストローク調整をせずに最大12の金型を連続して使用できる。ボタン一つでテーブルが回転し、金型が作業者の前に移動するため、段取り時間を大幅に削減できる。
ブースでは2023年から始めた「エア漏れ診断サービス」も提案。超音波カメラを使用することで工場を止めずに最短1時間ほどでエア漏れ箇所を特定する。診断結果をレポートとして受け取れるため、優先順位を定めた対策を打てるようになる。
■主な出品製品=デスクロータリープレス、エア漏れ診断サービス
不二越、高精度・高能率な小型歯車研削盤
カテゴリー:工作機械
「技術の連環と、積み重ねた知見でものづくりの未来を切り拓く」をテーマに、自動車の電動化に向けた需要の取り込みを狙う。
新製品の歯車研削盤「GSGT260」(=写真)は、加工ワークの最大外径260mm、最大長さ220mmと自動車用の減速機の量産加工から産業機械用の歯車にも幅広く対応できる。NACHIの持つ歯車設計技術や研削技術を結集することで、高精度かつ高能率な加工を実現する。
一方で、ワークフロアは2196×5722mmとコンパクト。オプションで2アームローダータイプを用意し、同社のロボット「MZS05」を使用した機上からのワーク搬出なども提案する。
他にも、電気・電子部品やEVなどの小型部品の歯車加工を1台に集約した複合歯車加工機「GMS100」なども提案する。
■主な出品製品=歯車研削盤「GSGT260」、スカイビングギヤシェープセンター「GMS100」
フジ産業、長尺加工機で不二越とコラボ
カテゴリー:工作機械
長尺加工機のパイオニアとして、5m超の長尺材のドリル加工やエンドミル加工に対応する高トルクタイプ長尺加工機「FB-5000-20ATC-S」(=写真)を出展。通常よりも各所で剛性を高めることで、角パイプやH鋼などの鋼材加工に最適な加工機。本展では不二越のバリの出ない切削工具「バリレスドリル」とコラボし提案する。実際に鋼材を高速加工するデモも行う予定だ。
他にもアルミの切断と3面加工をワンチャックで行える複合加工機「FB-1000-12ATC-C-D3」も出展。大幅な工程集約に貢献するだけでなく、3面加工主軸と180度旋回ノコヘッドの2軸仕様のため、アングルヘットによる側面・ノコ加工に比べて剛性と耐久性を格段に向上させている。
■主な出品製品=高トルクタイプ長尺加工機「FB-5000-20ATC-S」、アルミ用ノコ付き3面複合加工機「FB-1000-12ATC-C-D3」
ブラザー工業、30番の力を実演、バリ取り専用機も
カテゴリー:工作機械
SPEEDIOの新モデル・新機能を展示。アルミ大物の多面加工や鋼の重切削などの実演で30番マシニングセンタ(MC)の実力を見せる。コンパクトMC「SPEEDIO S700Xd2」(=写真)はY/Z軸移動量とテーブルサイズの拡大、28本マガジンで多面加工等の工程集約や変種変量生産に対応。主軸剛性の向上で鉄の重切削もできる。ユニバーサルコンパクトMC「SPEEDIO U500Xd2-5AX」はコンパクトながら大型傾斜円テーブルを標準搭載し最大φ500×高さ320㎜の広い治具エリアを持つ。
ダイカスト部品のバリ取り加工に特化したデバリングセンター「SPEEDIO DG-1」も注目。加工経路の自動生成やタッチパネルでの経路補正など独自機能を備え、知識がなくとも短時間で工程を立ち上げられる。
■主な出品製品=コンパクトマシニングセンタ「SPEEDIO S700Xd2」、ユニバーサルコンパクトマシニングセンタ「SPEEDIO U500Xd2-5AX」、デバリングセンター「SPEEDIO DG-1」
ブルーム-ノボテスト、現場で使える機上測定
カテゴリー:測定/試験機器
「迫る加工現場のリアル!はじめよう、機上測定と自動化」をテーマに、機上測定による自動測定ソリューションを提案。工作機械を用いた測定デモやソフト体験コーナーを通して、加工プロセス自動化を機上測定のメソッドと共に紹介。
デモ実演する「FormControl X(エックス)」(=写真)は、対話式で簡単に作成した測定パスで、工作機械から取り外すことなく加工後のワーク形状や寸法を測定。追込み加工が必要な時はそのまま追加工も実施できる。CADモデルから形状を自動認識し、測定項目を表示、測定パスが最短経路となるようオートで最適化する。
工具測定用の非接触式レーザシステム「LC50-DIGILOG」は、実加工回転数にて測定を行い、工具先端の振れや熱変位による伸び等を含んだ工具径や工具長を測定し補正を行う。
■主な出品製品=ワーク形状自動測定用ソフト「FormControl X」、工具測定用レーザシステム「LC50-DIGILOG」
ベッセル、製造現場の課題解決事例とデモ機展示
カテゴリー:その他
電気自動車に関わる金属加工・樹脂加工・電子分野など製造現場の課題の解決事例の紹介や、実際に試せるデモ機を展示する。
イオンパーツクリーナー「IPC-200」はイオンエアーで静電気を除去しながら、製品に付着した塵埃をブース内で吹き飛ばし、周囲に拡散しないよう一体式の集塵機で回収する。開口部はA4サイズの一回り大きな大きさで、小型の筐体や小さな基板のクリーンニング作業に適している。
エアーニッパー丸型レバーなし「GT-NR20A」(=写真)は従来機種比約20%のパワーアップ(加圧力)をしている。従来機種のエアーニッパーブレードが使用可能(N20クラス)だ。スタンド取り付けに便利な目盛り付き。さらに加圧力を高める増圧ユニット(専用)も用意する。
■主な出品製品=イオンパーツクリーナー「IPC-200」、エアーニッパー丸型レバーなし「GT-NR20A」
豊和工業、大物対応の横形MC、チャックも披露
カテゴリー:工作機械/工作機器
工作機械とチャック等の機器を1ブースで展示。工作機械では新製品の30番横形マシニングセンタが注目される(参考出品)。eアクスル・車体・足回り製品などEV関連の大型ワークに対応するためワイドストロークを標準搭載。主軸交換(HSK-A30→HSK-A63)でφ300mmの仕上げボーリング加工も可能だ。省エネ、熱変位補正機能も備える。
工作機器では楔形3爪中空チャック「H037MAシリーズ」(=写真)を出品。従来品と比べ把握精度や把握力、最高回転数を大幅に向上させ、オプションで従来の生爪や硬爪に加えイコライズジョーも用意し使いやすさを高めた。ほかにも目的や用途に応じたチャックやロッドレスシリンダ等を多数紹介する。
■主な出品製品=30番横形マシニングセンタ(参考出品)、楔形3爪中空チャック「H037MAシリーズ」
ホーコス、クーラントレスの新機種MCを豊富に
カテゴリー:工作機械
クーラントレスでも切りくず処理に優れたベッドレスマシニングセンタを多数出展し、新機種だけでなく新工法を用いた最新技術も紹介する。バッテリーケース等の大型ワークに対応するロングストロークタイプ(=写真)や、ギヤスカイビング加工機能を搭載した量産ライン型タイプを展示。FSW(摩擦攪拌接合)機能付きで工程集約できる「NS70 FSW」は水溶性「iMQL」と併用すればワンチャッキングで前加工から仕上げ加工まで行える。脆性材料加工でも、同時5軸による加工や、高出力超音波加工を行える機種などを並べる。
水溶性iMQLなどのCO2削減アイテムやIoT・予防保全への取組み、自動切りくず圧縮機やオイルミストコレクタなどの環境関連機器の展示も行う。
■主な出品製品=超音波加工機「NSU20」、同時5軸ベッドレスマシニングセンタ(MC)「NJ35-5AX」、ロングストロークベッドレスMC「NX60-1510B」、複合加工ベッドレスMC、自動切りくず圧縮機「NM100 versionL」「NS70 FSW」、自動切りくず圧縮機チップイーター「CE52-50」
マーポス、EV製造に欠かせない計測、検査システム
カテゴリー:測定/試験機器
工作機械業界向け最新アプリケーションから電気モーターの製造工程における制御と最適化、歯車部品の品質管理、組み立て後のシステム機能チェックまで、電動化時代の自動車市場における主要コンポーネントの製造プロセスをモニタリングする計測、検査、およびテストソリューションを提案する。
歯車解析装置「NVHG-EAR」(=写真)はギアボックスへの組み込み前に高速、高トルクの条件下で歯車をテストする。表面欠陥、加工の歪み、異音の挙動を個々のワークで評価できる。1つのマスタ-ギアが検査対象ワークに噛み合う片歯面試験の原理に基づき動作。ギアのうなり、ノイズ現象の原因となるマクロ形状、微細形状の欠陥を検出できる。
■主な出品製品=CCDカメラ搭載非接触工具測定装置「VTS WF170」
前田シェルサービス、工作機械・測定器に清浄な圧縮空気を
カテゴリー:油圧・空気圧・水圧機器
圧縮空気をクリーンにする高性能圧縮空気用フィルター「3in1 マルチ・ドライフィルター」は、「世界で唯一」同軸上に3種類の高性能エレメントを内蔵。0.01μm以上の固形粒子を除去可能で、工作機械や測定器に向く。特許技術の「圧縮空気品質測定技術」により空気品質を「見える化」し、エア品質改善提案を行う。
液中微鉄粉除去用マグネットフィルター「マグキャッチフィルター」は、機械加工でのクーラント液中の微細な鉄粉を強力なマグネットで捕集するインライン型のマグネットフィルター。製品の外側にマグネットがあるため、捕集したスラッジや鉄粉を取り出しやすい。
このほか、従来品と比べ圧力損失や年間使用電力、年間損失電気代、CO2排出量を削減する圧縮空気用フィルター「3in1・エコ×ドライフィルター」(=写真)を展示する。
■主な出品製品=高性能圧縮空気用フィルター「3in1 マルチ・ドライフィルター」、液中微鉄粉除去用マグネットフィルター「マグキャッチフィルター」、圧縮空気用フィルター「3in1・エコ×ドライフィルター」
牧野フライス精機、画像認識で工具研削を全自動化
カテゴリー:工作機械
自動化に取り組むなか、とりわけ力を注ぐのが「画像認識技術」。機内の内蔵型マイクロビジョンシステムmonocam2で自動測定し、測定値から位置決めやプログラムへの自動補正をかける。今回は出品機2台にmonocam2を搭載。
CNC工具研削盤「AGE30FX」(=写真)は自動ワーク交換装置と砥石・研削液ノズル交換装置を標準搭載した全自動機。高出力22.0kW砥石軸モーターで重研削、大径ワークに対応。monocam2による超硬ドリル刃先のホーニング加工を行う。
CNC極小径工具研削盤「DB1」の直線3軸はリニアスケール(X、Yの2軸は同社初)によるフルクローズドループ制御とし、位置決め精度を向上。自動ワーク交換装置を標準搭載。新開発の刃部サポートを搭載し、極小径ロングドリルの連続加工を見せる。
■主な出品製品=CNC工具研削盤「AGE30FX」、CNC極小径工具研削盤「DB1」、外部機器との連携ソフト「Tool Creator」
牧野フライス製作所、マキノ立MCで最大の2mストローク
カテゴリー:工作機械
「FIND YOUR WAY TOGETHER」をテーマに来場者との「対話」を大切にして、顧客の日頃の困りごとを共に解決しようとする。
立形マシニングセンタ(MC)「V900」(=写真)は大物化が進む自動車部品などの金型の生産性を高める。マキノの立MCで最大のストローク(2000×1300×800mm)を持ち、高剛性な機械構造と新規設計の主軸は6tのワークを圧倒的なスピードで加工可能。「eSTABILIZER」で温度変化が生じても加工品質を安定化し、省エネルギー化に寄与する。
5軸制御横形MC「a500iR」は重力の影響を受けにくいロータリー・オン・ロータリーのテーブル構造をもち、4軸機と同等の安定した加工能力と精度が特長。
■主な出品製品=立形マシニングセンタ「V900」、5軸制御横形マシニングセンタ「a500iR」、5軸制御立形マシニングセンタ「DA500」
マグネスケール、モバイル対応のデジタルインジケータ
カテゴリー:測定/試験機器
結露や油、振動など過酷な環境に強いマグネスケールと世界最高レベルの分解能を誇るレーザスケール、2つのコア技術を応用した高精度位置検出システムで新たな提案を行う。
Bluetooth搭載デジタルインジケータ「LU20」(=写真)は5種類の表示画面を搭載し、ワークや機械の寸法測定から平面度・平行度の確認、モーターや機械主軸の芯揺れ測定など用途に合わせて選べる。同機種にはモバイルデバイス専用のアプリを用意。取得した測定値の保存や本体の設定変更などをスマートフォンから行える。またデジタルレバーゲージやUSBデジタルゲージの正しい測定値をデジタルで取得し、スマートフォンやPCに送れるため、従来のダイヤルゲージにない正確性と省力化を実現する。
■主な出品製品=デジタルインジケータ「LU20」
松浦機械製作所、無人運転と工程集約をより身近に
カテゴリー:工作機械
自動化の不安や課題を解消、無人運転に踏み出すユーザーをトータルで支える。東3ホールでは初披露の5軸複合マシニングセンタ(MC)「MX-520T PC4」(=写真)を含む3台を、特別展AMエリア(南2ホール)ではレーザー焼結と高速切削を1台で行うハイブリッド金属3Dプリンター「LUMEX Avance-25」を展示する。
MX-520T PC4はMXシリーズの「はじめてでも安心・簡単」のコンセプトを踏襲し、5軸+マルチパレットに旋削機能を追加した複合加工機のエントリー機。高速・高精度・高剛性で旋削の荒加工にも対応し、工程集約と省スペースな夜間無人運転を叶える。コストパフォーマンスに優れた5軸立形MC「MX-420 PC10」も展示。MCはいずれも新オペレーティングシステム対応だ。
■主な出品製品=5軸複合マシニングセンタ「MX-520T PC4」、5軸立形マシニングセンタ「MX-420 PC10」、ハイブリッド金属3Dプリンター「LUMEX Avance-25」
三木プーリ、サーボにベストマッチな軸継手
カテゴリー:工作機器
各種伝動関連機器を展示する。金属板ばねカップリング「SFFモデル」(=写真)は、最新のサーボモーターの仕様・寸法から、許容トルクや対応軸径などを設定できる、サーボモーターにベストマッチな軸継手。作業性の良いクランプ式と信頼性の高いくさび締結式をランナップ。いずれも従来比1.5倍以上の許容トルク(最大)を実現する。カップリングのダウンサイジング化が可能になり、慣性モーメントの低減にも貢献する。
従来比2/3に厚みを抑えた電磁ブレーキ「BXRモデル」は、非通電時に内蔵されたスプリング力によって制動・保持するブレーキで、機械の惰性運転防止や停電時の緊急制動などに優れた性能を発揮する。
■主な出品製品=金属板ばねカップリング「SFFモデル」、摩擦式締結具「ETPブッシュ」、超薄型無励磁作動形電磁ブレーキ「BXRモデル」など
三井精機工業、大型ワークの高精度加工向け横形MC
カテゴリー:工作機械
『「人」と「技術」を未来へ』をテーマに、工作機械とコンプレッサが融合したカーボンニュートラル事例を展示する。新機種の大型横形マシニングセンタ「HPX150」(=写真)は横型マシニングセンタの中で最大クラスのストロークとワーク積載量を兼ね備えた大型マシン。ワークへの柔軟なアプローチを可能にするクイル主軸を採用。また早送り速度はクラス最速の15m/minを誇る。
高精度ジグ研削盤「J350GⅡ」は従来機からさらに精度に磨きをかけて丸穴加工の真円度・円筒度を飛躍的に向上させた。ATC、インプロセスAMCS(自動計測装置)など自動化機能も充実。剛性の向上により、従来に比べてスパークアウト回数を低減し加工時間を短縮する。
■主な出品製品=大型高精度横形マシニングセンタ「HPX150」 オイル式インバータコンプレッサ「ZV15AX3-R」
三井ハイテック、人手不足解消目的に開発
カテゴリー:工作機械
「自動外周6面加工機」(=写真)は将来危ぶまれている人手不足の解消を目的として開発されており、平面研削盤で加工を行う上で必要となる研削機能、ワーク搬送、ワークセット、測定、加工後の清掃といった全ての要素を人が介入する事なく完全自動で行うことができ、熟練加工者が持つ研削技能の継承や若手加工者への教育を不要とする。
金型製作も行っている同社だからこそ「熟練加工者の技能(暗黙知)を、長年の研削盤製作で養われた知識と経験をもとに技術(形式知)に変化させることができたと自負」とし「各工程に多くの技術が集約された本機は、まさに当社の技術の結晶」と自信を見せる。
■主な出品製品=自動外周6面加工機
ミツトヨ、初心者でも扱いやすいマイクロメータ
カテゴリー:測定/試験機器
「“はかる”をもっと手軽に」を掲げた測定工具エリアからは、デジタル測定工具を中心に展示。高速・高精度デジマチックマイクロメータ「カンタマイクMD-E」(=写真)は標準的なマイクロメータと比較し、4倍速いスピンドルの高速移動を実現。スピーディーな移動と最大許容誤JMPE±1μmの優れた精度により、測定作業の効率化を可能にする。
またアプローチスピード警告機能により、過剰な速度でのワークへの衝突を検知。初心者でも安定・正確な測定結果を得られる。校正時期警告機能は測定器の校正漏れを防ぎ、測定器の適切な管理を行える。演算機能により測定結果から加工機への補正値を算出可能なため、計算の手間やミスが無くなり、加工不良の削減にも貢献する。
■主な出品製品=レーザトラッキングシステム「Dynamic 9D LADAR」、非接触3D計測システム「クイックビジョンWLI Proシリーズ」
三菱電機、新制御のワイヤ放電やDED式金属3Dプリンター
カテゴリー:工作機械
「Automating the World 絶えまない進化を、あなたのものづくりへ」をテーマに、ライフサイクルを通してものづくりを支援する製品、ソリューションを提案する。
新制御装置D-CUBESを搭載した油加工液仕様超高精度ワイヤ放電加工機「MX600」(=写真)および高精度形彫放電加工機「SV12P」+半導体パッケージのほか、金属3Dプリンターは指向性エネルギー堆積方式(DED方式)の「AZ600」の同社AI技術を用いた高品位・高精度な加工を紹介(造形に溶接用ワイヤを用いた5軸仕様)。NCは新製品のNC加工AI診断ツール「NC MachiningAID」が見所に。AIを用いた加工データの自動診断で、品質不良防止や加工最適化による課題解決を提案する。
■主な出品製品=油加工液仕様ワイヤ放電加工機「MX600」、形彫放電加工機「SV12P」+半導体パッケージ、DED方式金属3Dプリンター「AZ600」、加工診断ツール「NC MachiningAID」
三菱マテリアル、鋼旋削加工の強力ラインナップが揃う
カテゴリー:機械工具
新製品の鋼旋削加工CVDコーテッド超硬材種「MC6100シリーズ」(=写真)の「MC6135」(691アイテム)は、コーティングの付着強度を高めたことで、耐摩耗性が飛躍的に向上。断続加工に強く、他社製品と比較しても大きなアドバンテージを持つ。既に発売されている高速加工用「MC6115」(690アイテム)、第一推奨の「MC6125」(802アイテム)と合わせて鋼旋削加工の広い加工範囲をカバーできるラインアップが完成した。
会期中は新製品の展示に加え、加工ソリューションの提案や、大画面によるプレゼンテーション、VR体験コーナー、ガチャマシンによる切削で作ったノベルティの配布などを行う。
■主な出品製品=多機能エンドミル「VQ4MVM」、CVDコーテッド超硬材種「MC6100シリーズ」
宮川工業、穴あけ・面取りを自動化
カテゴリー:その他
穴あけ・面取り加工の自動化をテーマに、主に大型部材に特化した省人化効率化に資する製品を提案する。
「多軸アタッチメント」はボール盤他の動力に取り付けることによって穴あけ加工の効率化を図る機器だ。インデックステーブルやドリルユニットとの組み合わせにより無人ラインの構成が可能となる。
ほかに自走式面取り機シリーズ「MAG-3R」(=写真)は完全エアー駆動の自走型面取り機。セットし起動するだけで大物部材の面取りを自動で行う省人化ツールで、置くだけの簡単な自動機のため、作業者1人につき複数台を扱うことも可能だ。
■主な出品製品=多軸アタッチメント、自走式面取り機シリーズ「MAG-3R」
ムラキ、自動機に最適なバリ取りホルダ
カテゴリー:機械工具
従来手作業で行っていたバリ取りの自動化を実現するため、自動機に適した超硬バー、軸付ブラシ、伸縮機構の持つ自動機用バリ取りホルダを出展する。マシニングセンタ/ロボット用バリ取りホルダ「でばりん」(=写真)は超硬バーやブラシ、バリ取りカッターを用い、自動機でのバリ取りを手軽に実現。10㎜の伸縮機構により、かんたんにプログラミング&ティーチングを行える。
標準付属品で6パターン(オプション含め24パターン)の伸縮強さの調整が可能で、バリ取り、面取り量の調整が自由自在。スムーズな伸縮や高剛性の摺動部により高い品質の加工面を実現する。
■主な出品製品=エアグラインダ、「エコぐら」シリーズ、AWCワーククランプシステム
村田機械、機械+周辺装置による多彩な自動化
カテゴリー:工作機械
材料投入や完成品取り出し、段取り替えも含めた自動化を機械と周辺装置の組合せで披露する。
Y軸付正面型CNCターニングセンタ「MSR60」(=写真)は今展で主軸チャック爪に加えガントリーローダーのチャックの自動交換機能も搭載。多品種に対応し、段取り替えをスケジュールして夜も安心し自動無人運転できる。平行2軸型CNC旋盤「MW120Ⅱ」は数の少ない製品を集めて生産する「寄せ止め生産方式」対応の自動化モデルを披露。多関節ロボがバラ積み素材をピッキングし、ガントリーローダーが機内へ搬送するため品種変更時に段取り替えが要るストッカーが不要だ。ガントリーローダー、反転機、計測装置にワーク把握ストロークが長いチャックを搭載。一定レンジ内で数種のワークを段取りレスにする。
■主な出品製品=Y軸付正面型CNCターニングセンタ「MSR60」、平行2軸型CNC旋盤「MW120Ⅱ」、正面型CNCターニングセンタ「MD120Ⅱ」
安田工業、高精度や品質とともにデジタル技術を
カテゴリー:工作機械
「Beyond the Future with YASDA : YASDAで未来を超える」をスローガンに、誰でも簡単に高精度加工を再現できる自動化展示をメインに据える。
立形5軸マシニングセンタ(MC)「YBM Vi50」(=写真)は、冷間鍛造金型やダイキャスト金型、航空機部品、半導体製造装置部品といった大型ワークの高精度加工に向くハイエンド機。移動量は(X/Y/Z)720/1100/500㎜、主軸回転速度100~24000 min-1、テーブル作業面の大きさは直径500㎜。EROWA社製AWCとの連携による、高精度5軸部品加工の自動化を提案する。「YBM 640V Ver.V」は金型から部品加工まで、荒加工から仕上げまでを1台で完結するハイパフォーマンスを備えた立形MC。「YBM 640V Ver.V」と「YMC 430+RT10」をEROWA製AWCで連結し、金型入れ子や電極加工の自動化を来場者にPRする。
■主な出品製品=立形5軸MC「YBM Vi50」、立形MC「YBM 640V Ver.V」、立形5軸MC「PX30i」
柳瀬、熟練の研磨技術をロボで簡単再現
カテゴリー:その他
オーストリアのエンドエフェクタメーカー・ファーロボティクス社の代理店である柳瀬。今展では角度や押し付け圧を自動補正する同エンドエフェクタを駆使し、ロボットによる研磨の自動化を提案する。
同エンドエフェクタは高速低圧自動補正と重力補正により、上・横・斜め・下からのあらゆる研磨作業で安定した品質を実現。設定した圧力へ自動補正する際の反応速度が「世界一のスピード」といい、今まで人手に頼らざるを得なかった熟練技術の表面処理・研磨の自動化を叶える。柳瀬は「人材不足が解消され生産性が必ず上がる」とアピールする。
■主な出品製品=ファーロボティクス社製エンドエフェクタを用いた研磨の自動化ソリューション
山崎技研、操作性を体感、高剛性MCでFSWも
カテゴリー:工作機械
単品から量産まで様々な用途に向けた4機種を出展。単品向けの機械は加工体験で操作性を確認でき、高剛性のマシニングセンタ(MC)ではFSWの実演を行う。カタログではわからない使い勝手が体感できる場になる。
「M-502」(=写真)は独自の各軸独立ハンドルや送りレバーを備え汎用的にも使える立形MC。ガイダンスによりプログラム不要で小ロット加工ができる機能と、MCならではの量産性を両立する。立形NCフライス盤「YZ-352R」はX・Y軸をNC制御、Z軸をあえてメカ式にして加工時の感触を手に伝え、直感操作が可能に。オープンタイプで寄り付きの良い立形MC「YZ-500SGATC」や、門形ながらコンパクトで立形同様の接近性・操作性の「YZ-1321」も披露。
■主な出品製品=立形マシニングセンタ「M-502」、立形NCフライス盤「YZ-352R」、門形マシニングセンタ「YZ-1321」
ヤマザキマザック、マザトロールで創るモノづくり革新
カテゴリー:工作機械
「マザトロールで創るモノづくり革新」がテーマ。製品紹介に留まらず工程集約や自動化、環境対応など製造を革新する複合ソリューションを提案する。
ハイブリット複合加工機「INTEGREX i-350H AG」は旋削・歯切り・研削をワンチャッキングで加工。歯車の高精度な機上計測機能も搭載し測定も含めた工程集約を行える。5軸加工機「VARIAXIS C-700」は拡張可能な自動化オプションを用意し、機械右側面を自動ドアに変更すれば多関節ロボでワークやパレットを搬入出できる。プログラムの切削量に応じクーラント吐出を制御する機能も搭載。また自動化システムEz LOADERシリーズに125kg可搬の産業用ロボを用いた「Ez LOADER 125i」を追加。CNC装置の画面指示に従い対話式で情報を入力するだけで使える。
■主な出品製品=ハイブリット複合加工機「INTEGREX i-350H AG」、5軸加工機「VARIAXIS C-700」、産業用ロボットを用いた自動化システム「Ez LOADER 125i」
山善、製造現場向けSaaSプラットフォーム
カテゴリー:その他
生産財商社初となるモノづくり企業向け複合型SaaSプラットフォーム「ゲンバト」(https://genbato.jp/)。ゲンバトは「製造『現場と』ともに」をコンセプトに、製造現場の様々な課題を解決するサービスを提供する。「図面管理」「不良記録」「設備管理」「日報管理」「QC文書管理」「エンムスビ」の計6つのオリジナルサービスを用意する。
デジタル人材がいない、ノウハウがない、コストがかけられないといったデジタル活用の悩みを「製造現場にちょうどいいデジタル」で解決する。利用料金は月々1000円から、「使いたいものだけ」「すぐに始められる」「安価で手軽」に設定している。
■主な出品製品=複合型SaaSプラットフォーム「ゲンバト」
山本金属製作所、FSWを見える化
カテゴリー:工作機器
EV関連製品のバッテリーケースや、冷却ユニット等にFSW(摩擦攪拌接合)が適用されつつある。同社は試作時の適正条件選定、量産時のインラインでの異常検知が可能なシステムを出展する。具体的なアイテムとしては、FSW(摩擦攪拌接合)用センシングデバイス「MULTI INTELLIGENCE i-stir」(=写真)と専用ソフト「AdvancedControl」。i-stirは接合時の温度や力をデータ化し、最適条件選定や品質管理をサポート。AdvancedControlで工作機械CNCと通信し高度な接合を実現する。展示では板厚3mmの接合デモを実施する。
また、クーラント管理システム「COOL-i」も併せて展示。COOL-iはクーラントのpH、温度、濃度、汚染度を自動監視し、点検自動化と管理精度向上が叶う。
■主な出品製品=FSW用ホルダ型センシングデバイス「MULTI INTELLIGENCEi-stir」、水・クーラント管理システム「COOL-i_クーラントアナライザー」
ユキワ精工、作業者負担を軽減する傾斜円テーブル
カテゴリー:工作機器
製造現場の人手不足への対応として、加工機周辺装置の有効活用を提案。CNC傾斜円テーブル「DTE170」(=写真)はダイレクトドライブモーター駆動で、高精度を維持したまま、高速回転・高速割出が可能。ロータリジョイント6Pの標準装備や344mmの加工エリアを確保しており、治具設計の自由度が上がる。さらに高速回転により、ワークに付着した切粉・切削液の除去や、給油やバックラッシ調整が不要なメンテナンスフリーで、作業者負担を軽減する。
このほか、低コスト・省設備で自動化を可能とするワークハンドリングホルダや安定した加工と、工具寿命の延長が特徴であるグリーンG1チャックなど、課題解決または環境負荷低減の一助となる製品を多数出展する。
■主な出品製品=CNC傾斜円テーブル「DTE170」、「グリーンG1チャック」
淀川電機製作所、ロボットなしでバリ取りを効率化
カテゴリー:その他
5月に発売した集塵装置付きバリ取り機「FW305S」に注目。同機を複数台展示し、様々な番手・材質の研磨ホイールも用意。サンプルワークを実加工してバリ取りの効率化を提案する。作業効率アップや省人化の手段はロボットや自動化だけではない、という点を訴求し、低コストで出来る効率アップを提案する。
同機は一般的な金属部品だけでなく、立体形状や複雑形状など、自動バリ取り機では難しい形状も簡単に加工できる専用ホイールを持つ。電動工具による面倒なバリ取り作業や磨きを、誰でも安全・安心、かつ簡単に作業できるようにする。付属の集塵機で周囲も汚さない。ほか、省エネ促進の観点で超高効率モーター搭載の新型送風機も参考出品。
■主な出品製品=集塵装置付きバリ取り機「FW305S」、超高効率モーター搭載電動送風機(参考出品)
レヂトン、φ125の切断砥石
カテゴリー:その他
2022年に発売した切断砥石「純金」の砥石径を125mmに拡大した「純金125」を出展する(=写真)。同社のロングセラー切断砥石「金の卵」に比べて耐久性が1.5倍~2倍の「たくさん切れる」や「切れ味の良さ」といったメリットはそのままに大径化。「現場の『省力化』は工作機械だけでなく、工具消耗品にも当てはまるもの」との同社の考えの通り、切断時間は他社同等品(セラミック砥材を使用)の約半分に短縮できる。
切断時の火花の発生量も従来の砥石に比べて30%減と使用時の安全性も高い。砥石は1枚ずつパウチ包装されているため湿度などによる経年劣化も防ぐ。
■主な出品製品=純金125
碌々スマートテクノロジー、切削と研削を一台に集約した新加工機
カテゴリー:工作機械
出展テーマは「微細加工のソリューションカンパニーへ」。切削加工だけではなく、研削加工までを網羅する複合微細加工機のコンセプトマシン、高精度加工とロボットによる自動搬送を組み合わせた「MEGA-Ⅶ」(=写真)、新たに高速主軸を手に入れた「Vision-600」を出展する。
「微細加工機上で、微細切削加工と研削加工を高度なレベルで融合」するというコンセプトマシンは会場でのお披露目となる。同機は微細加工における段取り替え時の誤差の影響に着目。機内で工程集約することにより高精度加工を実現し、ミクロン台はおろかサブミクロンの加工を可能にする。
■主な出品製品=高精度高速小径微細加工機「MEGA-Ⅶ」、超高精度高速微細加工機「Vision-600」
(日本物流新聞2024年10月25日号掲載)