コロナ禍の防災対策
- 投稿日時
- 2021/08/11 09:24
- 更新日時
- 2024/08/19 13:20
「自宅避難」の備蓄トレンド
台風、ゲリラ豪雨、地震など「いつどこで被害に遭うか分からない」のが災害大国ニッポン。加えて、新型コロナウイルス感染症は拡大の一途を辿っている。従来の防災対策だけではなく、感染症対策も視野に入れなければならない状況となっている。
ホームセンター大手のDCMホールディングスが2020年に店頭で行ったアンケート結果によると、コロナ禍拡大の影響で約7割の人が「避難所に行くことに抵抗感が強まった」と回答したことが明らかになった。
コロナ禍で災害が起きた際に、どのような避難行動をするか尋ねたところ、48%が「自宅で待機する」と回答。さらに「車中泊」10%、「親戚や知人宅」の2%と、合わせて60%が避難所以外での避難を選択している。
「避難所に行く」と回答した人に対し、避難所で不安な点を尋ねたところ、45%が「避難所での感染」と回答。また「手洗いうがいができないこと」(20%)、「共有トイレの使用」(17%)、など、衛生面や感染症に対する不安が9割近くに達した。
また、「自宅で待機する」「車中泊をする」「親戚や知人宅で待機する」と回答(避難所以外への避難)した人に、コロナ禍で新たに揃えようと思っている防災グッズを尋ねたところ、現在の防災対策の有無にかかわらずコロナ感染対策品、非常食・水、モバイルバッテリー・灯り、非常用トイレをあげる人が多い結果となった。
■モバイルバッテリー需要に変化
個人レベルでの防災対策において最も対策したいアイテムとして挙げられたのがマスクとアルコール除菌だった。避難所における感染症対策はもちろん、昨今は家庭内感染も急増している背景も影響していると言えよう。
二番目にあげられた非常食・水に次いで回答が多かったのがモバイルバッテリーや灯り(ランタンやライト)だった。DCMホールディングスによると「ライトやランタンは省電力のLEDタイプが主流。防災専門家も一カ所だけではなく各部屋やトイレなど複数置くことを推奨しており、買い増しニーズが高まっている」という。
またモバイルバッテリーは充電タイプに加え、防災用として新たに乾電池タイプを買い足す傾向が見られている。
防災用品を「一部準備している」「準備していない」と回答した人の中では、「防災リュックを準備する」との回答が多くを占めた。防災リュックには老若男女問わず共通して必要な防災用品が入っているため、防災準備を新たに始める人や既存の防災用品からの更新ニーズが多いようだ。また、これらの防災用品を購入するに当たり、どこで購入するかとの設問に対しては約7割が「ホームセンター」と回答している。
(2021年8月10日号掲載)