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インタビュー

トルンプ 代表取締役社長 高梨 真二郎 氏

日・独で求められる高精度・複雑加工は当社の強み

「日本での仕事は少量多品種生産。きれいに速くつくらねばならない。これはまさに我々の強みに合致する」

たかなし・しんじろう 神奈川県出身。1994年明治大学理工学部卒業後、スイスの商社である日本シイベルヘグナー(現DKSHジャパン)に入社し日本市場で計測機器を販売。オリンパスでの10年以上にわたるアジア各国への計測機器販売を経験後、2020年トルンプに入社。マシン事業部長を経て今年9月1日付で現職に。ランニング、自転車、読書を好み、座右の銘は「No Challenge, No Life」。イタリア料理を好むのは「ワイン好きなので」。

そうきっぱりと自信ありげに話すのは91日付でトルンプ(神奈川県横浜市、1977年発足、社員230人。グローバルでは16千人の社員が就業)の社長に就いた高梨真二郎氏。板金加工機、レーザー技術で世界のリーディングカンパニーだが、「日本市場では大きなシェアは握っていない」と素直に認める。

「アジア圏でのシェアは30%ほど。業績では中国、日本、韓国の順になる。日本はアジアのなかでも高精度で複雑なものをつくる市場。当社のミドルからハイエンドな製品が向く」

同社の製品は2次元切断機、パンチ・ブランキングの複合加工機、プレスブレーキ、溶接加工機の4つに大きく分類できる。このなかの「パンチ・ブランキングの複合加工機」はドイツと日本でとりわけ好まれ、需要が増しているという。

「両国では自動化の要望が高い。日本のお客様の意見を聞いてドイツにフィードバックすることがあれば、ローディング・アンローディング棚を日本で開発してもいる。自動化装置の付帯率はどんどん高まっている」

ただ、同社の受注は目下、好調だが、先行きの不透明性からむしろ不安のほうが大きいとも話す。

「コロナ禍から回復し生産量が増えている。海外から日本に仕事が戻ってきていることもあって今は飛躍のチャンスと言える。でも一部のパーツが届かないから出荷できないということがもう2年ほど続いている」。記者からの様々な質問に対して「サプライチェーンの混乱はどのようにして、いつ解決するのか教えてほしい。ウクライナへの侵攻もそう。ヨーロッパに拠点を置くので気になる」と逆に問うた。

日本法人のトップとして組織内での仕事のあり方を模索している。

「仕事自体はオンラインでもできることはわかった。でも社員が200人を超え、日本人以外も多いなか単なるオンラインで、どうやって意見をすり合わせていくのかが課題。コミュニケーションとクリエーションの場をつくっていきたい」

2022915日、横浜市の本社で開いた会見から)