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インタビュー

北越工業 代表取締役社長 堀内 義正 氏

遠隔監視できる屋外設置型コンプレッサ

エンジンコンプレッサやモータコンプレッサ、ディーゼルエンジン発電機などを製造・販売する北越工業。屋外で使える堅牢なボンネット構造が同社製品の特徴だ。ただ、エンジン製品はいわゆる脱炭素の観点から逆風にある。3月21日付で就任した新社長にそのあたりを聞いてみた。

ほりうち・よしまさ 1959年奈良県生まれ。京都産業大学法学部卒業後、1982年北越工業入社。大阪・西日本・東日本の営業部長、営業本部長などを経て今年3月に現職に。九州への転勤を機に日本酒を「卒業」し、今はもっぱら焼酎を好む。「単身生活7年目なのでお酒を飲むくらいしかすることがないんですよ」。

「メンテ契約で最良の状態で使っていただく」

--社長に就任されて早半年、今の率直なお気持ちは。

「あっという間の半年でした。会議やその準備など自分で決められないスケジュールが増えましたから。就任前は自分にできるんだろうかという不安が大きかったのですが、せっかくこのような立場になったのだから精一杯やろうという気持ちに切り替わりました。ただし、コロナの影響により自分で思い描く仕事の1割もできているかどうか。思うように動けません」

--今年度の貴社の受注環境はいかがでしょうか。

「当社の建設機械および産業機械の事業は比較的堅調です。建設機械は民需が若干減ったもののその後戻ってきています。公共工事は安定していますし、五輪関係の需要もありました。産業機械について、昨年は多少苦戦をしましたが、今年は戻ってきており、さらに力をいれて伸ばしていこうと思います」

--5月に発表された中期経営計画「中期ビジョン2024」で最終24年度は連結売上高455億円と21年度を24%上回る目標を掲げています。

「市場として国内は横ばいですが、海外とりわけ米国は、インフラの老朽化や港湾・空港の工事の他、2028年開催のロサンゼルス五輪を控えており好調を維持しております。中期経営計画はぜひ達成させたいと考えておりますが、昨今の部材価格の高騰や供給不足の中で、お客様が要望する納期にお応えできるかどうかが課題であると考えています」

■コンプレッサは工場の心臓部

--貴社がいま最もアピールしたい製品は。

「屋外設置型のモータコンプレッサ『SMADシリーズ』(空冷・無給油式22160kW)です。省エネを推進する独自の機能を搭載し、圧縮空気の品質等級においても最も清浄度の高い『Class 0』(ISO85731)レベルであることを、ドイツの国際的第三者試験認証機関T:UV(テュフ)により認証され、遠隔監視システムにも対応しています」

--DXへの対応が求められます。貴社は何を重視してどう取り組みますか。

IoTとして、モータコンプレッサを遠隔で監視する『GSS+(プラス)』というメンテナンス契約を提供しています。このGSS+の特徴は機械の運転状況や稼働環境を把握することにより、交換時期を迎えた部品を案内したり事前に整備をするもの。通信回線を使って機械設備を担当している方にアラームを出します。コンプレッサはいいコンディションで使っていただくことで長持ちし、省エネにもつながります。コンプレッサは動力源であり工場の心臓部ですから止めるわけにはいきませんので、お客様にとって大きな安心感が得られ、このメンテナンスを一度契約したお客様はずっと継続されています」

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オイルフリースクリュコンプレッサSMADシリーズ「SMAD75VD

2022925日号掲載)