インタビュー
愛知産業 代表取締役社長 井上 博貴 氏/取締役 営業本部 副本部長 古田 真也 氏
- 投稿日時
- 2025/04/02 10:07
- 更新日時
- 2025/04/02 10:10
企業価値向上の肝は機器選定にあり
1927年の創業以来、世界の最先端技術をソリューションとして提供して来た愛知産業。他にはない最先端技術とエンジニアリング力を組み合わせることで、逆風となるはずの円安基調も跳ね除けてきた。同社に寄せられる最新ニーズと今だからこそ見直したい設備投資方向性について、同社・代表取締役社長の井上博貴氏と同・取締役営業本部副本部長の古田真也氏に聞いた。

【写真左】愛知産業・代表取締役社長の井上博貴氏、【写真右】取締役営業本部副本部長の古田真也氏
――円安基調が続き、貴社にとっては難しい舵取りが続いているのでは。
井上(博貴社長)「一時期は心配しましたが、昨年、一昨年よりも業績は一層良くなっていますし、市場環境も悪くないと感じています」
――その理由は。
井上「当社の製品は国内メーカーでは取り扱いの無い領域のものも多くあり、なくてはならないお客様も多くおられます。また、風力発電や小型原子炉(SMR)など新たな分野も立ち上がってきており、最先端の加工機や当社が培ってきた自動化技術が求められています」
――風力発電分野では大幅な見直しが必要になる案件もありました。
古田(真也取締役)「資材高騰など心配要因はありますが、政府はエネルギー政策をS+3Eで進めていくとしています。安全性と経済性などの両立を考えた際、風力で発電するエネルギーはなくてはならない。調達部材の国産比率を6→7割に引き上げる話や、買い取り価格を見直す動きもあり、設備投資は活発です」
井上「どんな領域でも資材価格は高騰していますし、人件費も上がっています。加えて、環境対応や人材不足など、企業には取り組まなければならない課題が山積しています。機械化やロボット化はそれらを複合的に解消する一つの策。関心は非常に高いですよ」
――貴社ではどういった領域にニーズがある。
井上「研削研磨の自動化ニーズは昨年よりも非常に増えています。当社は2018年頃から始めて、コツコツ実績を積み上げてきました」
古田「この分野は、研磨剤の選定や押付け力の違い、押付けスピードの違いなどによって仕上りが大きく変わってきます。ここ数年、地道に現場の方や研磨剤メーカーの3Mさんの協力を得ながらノウハウを蓄積してきたので、様々な用途に対応できるのが強みになっています」
■機器選定で柔軟性を高める
――工作機械分野は先が見通しづらく、落ち着いているようです。
井上「世界のモノづくりの方向性だけでなく、日本国内の先行き不透明感もあり、前向きな設備投資が難しい企業も多いと思います。しかし、先述のSMRは日本が15年ほど停滞している内に、世界で研究開発が進んでしまいました。過去の延長線上のモノづくりでは、企業価値はどんどん下がってしまいます。業界再編や海外投資家からの買収の動きなども活発になっています。企業防衛のためにも、先を見据えた設備投資で企業価値を向上することが重要になっています」
――ハームレ社製のマシニングセンタなら企業価値を向上できる。
井上「柔軟性の視点が重要になると思います。工作機械は物理的にも使い方的にも固定化してしまいがちです。しかし、多品種少量の仕事は増えていますし、ワークサイズや材質も多種多様。そうした要求変化は今後さらに加速すると見られています。時代に合わせて機械を買い替えられればいいですが、中小企業の多くはそうではない。工作機械を軸にフレキシビリティ性を確保し、付加価値の高い仕事ができる体制の構築が重要だと思います。その点、ハームレは変化に対応しやすいマシン設計となっています」
古田「ハームレは15年ほど前からワークの載せ替えの自動化にかなり注力してきています。ワークサイズごとに新しい機械を導入するのではなくて、ハンドリングシステムやロボットで大きなものから小さなものまで対応する。付帯設備を入れ替えれば、機械の使い方をアレンジしていけます。また、ハームレで評価いただいている機械剛性の高さや堅牢な造りは、加工精度だけではなく、作業者の柔軟性も高めます。つまり、故障が少ないのはもちろんのこと、工具摩耗が抑えられるため工具交換を最小限化できたり、加工内容が変わるごとに調整用パラメーターを打つ必要がなかったり、自動化を阻む要素を排除できます。作業者にとって手離れが良く、仕事の可能性を広げられる機械です」
――3月6、7の両日にはプライベートショーも行いました。貴社の持つ最新技術を知ってもらうことが重要になりそうですね。
古田「企業価値で一番重要なのは人なので、若い人に最先端のいい機械に触れていただくことが重要だと思っています。当社の若手も海外の最先端技術・製品に触れて得た刺激から、モチベーションを高く育ってくれています。設備投資は人も育てると思って、前向きに取り組んでもらいたいです」
井上「日本のモノづくりを変えようと取り組む経営者の方が増えてきたと思います。そうした方々は成功していらっしゃる方も多いです。団塊ジュニアが65歳を迎える2040年までの15年でどう変化を促していけるかが肝になると思います」
JIMTOFや自社展で訴求したハームレ社製「C400+HS Flex」は、5軸マシニングセンタ「C400」とハンドリングシステム「HS Flex」を組み合わせた真に自動化を促進する5軸加工システム
相模原事業所をリニューアル
3月、主に自動機やロボットシステムの設計製作、試運転などを行ってきた相模原事業所をリニューアル。あらゆる金属加工の最先端技術を紹介する場として、ロボットオートメーション、接合技術、研削研磨技術、搬送システム、金属3Dプリンター、工作機械などを実機を交えながら体感することができる。3月6、7の両日には「第7回ASテクノフェア」を開催。500人超が訪れた。今後も技術の発信拠点として、講習会や勉強会などにも活用予定。
(日本物流新聞2025年3月25日号掲載)