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インタビュー

ソディック 取締役 兼 COO副社長執行役員 圷 祐次 氏

投稿日時
2025/03/19 09:00
更新日時
2025/03/19 09:00

米駐在経験活かし、グローバル視点で改革牽引

放電加工機のパイオニアメーカーであるソディックは2月13日、COOとして構造改革に取り組んできた圷祐次氏が、3月28日付で代表取締役CEO社長執行役員に就任すると発表した。就任にあたっての率直な気持ちや今後の取り組みなどについて工作機械事業を中心に聞いた。

あくつ・ゆうじ 東京理科大学卒業後、1987年ソディック入社。1991年アメリカ現地法人Sodick, Inc.出向、2005年Sodick, Inc.取締役副社長、13年執行役員営業本部副本部長、16年Sodick, Inc.取締役社長(現)、22年COO(最高執行責任者)などを経て現職。3月28日付で代表取締役CEO社長執行役員に就任予定。選出理由は「ソディックが次のフェーズに移行するにはグローバルな視点が重要になる。延べ29年間に亘るアメリカでのビジネスや欧州での事業展開の経験から適任だと判断されたのでは」と分析する。茨城県出身、61歳。

——3月28日付で社長に就任されます。率直な今の気持ちを教えてください。

「1987年の入社以来、40年近くソディックを愛してきたので、こうした機会を与えていただけたことに感謝しています。会社を次の成長フェーズに移行していけるよう覚悟を持って務めていきたいと思います」

——貴社の創業が76年ですので、会社の成長を肌で感じてこられたのでは。

「私が入社した当時はまだベンチャーのような雰囲気がありました。従業員数は480人、平均年齢も27歳で、前年に東証二部に上場したばかり。会社が大きく発展していくのを感じながら働いてきましたね」

——なぜソディックだった。

「海外で働きたいという志向が強く、面接時に『すぐアメリカに赴任できる』と言われたことが決め手となりました」

——では、入社後はすぐアメリカに。

「4年目の91年からです。入社1年目は、福井工場で超精密油ワイヤ放電加工機の製造調整、翌年から名古屋でサービスエンジニアをしていました。その頃は名古屋地区のお客様に非常に多くの機械をご購入いただいており、サービスの業務も多忙を極めていました。おかげで、ワイヤ放電加工機の修理や操作、機種ごとの機能の違いなどもマスターすることができ、アメリカ赴任時には、アフターサービスの技術では誰にも負けないという自信がありました」

——駐在時には経営的判断からアフターサービスに力を入れたようですね。

「アメリカ駐在は機械の技術的な指導を行うことからスタートして、後に全米サービス部門の責任者となり、2005年に現法の取締役副社長に就任しました。そして、会社の安定基盤をつくるため、景気に左右される機械販売だけではなく、販売後もお客様と継続的な信頼関係を築けるアフターサービスに力を入れることが必要だと考えました。当時、機械保証は1年が標準でしたが、3年と5年の延長保証プログラムを作り、保証期間中の定期メンテナンスプログラム、消耗品販売においても競争力のある価格で提供しました。延長保証はメンテナンスコストを抑えて機械を使い続けられるメリットがあるため、お客様とWin︱Winの関係を築くことができ、今ではアメリカでの事業を支える柱の一つとなっています」

■土台構築と新たな事業成長の両輪で

——COO時代には構造改革を推進しています。

「22年11月に帰任後、安定的な収益基盤の強化や競争優位性の確保を目的として特に23年後半から構造改革に取り組んできました。最も大きな改革は生産の最適化を行ったことで、中国にあった2つの工場(蘇州、厦門)を厦門工場に集約しました。中国市場は18年をピークに落ち着いているため決断しました」

——既に成果も出ているようですね。

「昨年はグローバルに市況を見てみると決して好調とは言えませんでしたが、当社では構造改革による販管費の削減などが進んだことで、今期決算に大きなプラスの影響がありました。今後は、こうした収益構造の改善に加えて、ソリューション事業やアフターサービス事業などの成長基盤を着実に育てていきたいと考えています」

——ソリューション事業もアメリカ時代に注力した事業ですね。

「アメリカは日本よりも人手不足が深刻で、不足分を補うために自動化に力を入れざるを得ない。そうしたお困りごとを解消するため、機械と周辺の自動化・省力化機器、システム、カスタム治具などを組み合わせたソリューションを提案する体制を整えてきました。専門のエンジニアリングチームも用意し、既に売上の2割程度をソリューション案件が占めています。国内でも、昨年のJIMTOFでソリューション提案を前面に押し出しており、付加価値を提供する手段の一つとして一層力を入れていきます」

——今後力を入れていきたいことは。

「会社を継続的に成長させていくためにも、従業員一人当たりの売上を伸ばすことが重要になると思います。これを達成するには、今ラインナップしている製品だけでは難しい。既存事業を伸ばすだけでなく、お客様のモノづくりの進化をサポートするための新たな取り組みが必要であると考えています」

——どうサポートする。

「金属3Dプリンターやレーザー加工機、細穴放電加工機、マシニングセンタなど、モノづくりの進化を支え次世代の柱となる機械をしっかりと当社で手掛けていきたい。例えば、金属3Dプリンターは設計ソフトがどんどん進化していますし、当社でいえば昨年ギガキャスト関連で受注をいただくなど、新たなニーズにも対応しています。10年、20年後、これらの技術はますます必要になってくると思うので、今からノウハウを蓄積していきたいと思います」

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最大450×450×450㍉の大型造形が可能なパウダーベッド方式の金属3Dプリンター「LPM450」。昨年にはギガキャスト金型向けの受注実績も出てきた


組織力強化に動画活用!?


構造改革には痛みも伴うからこそ組織力強化の重要性を説く。「組織力が強い会社はトップが方向性を示すだけで全員が一斉に進む。バラバラだと迅速に動くことは難しい」。今後は、組織力向上のため社内への発信力を強化していきたいと話し、社員向けの動画配信も検討中。



(日本物流新聞2025年3月10日号掲載)