インタビュー
岸本工業 代表取締役社長 岸本 豊寿 氏
- 投稿日時
- 2025/03/12 11:13
- 更新日時
- 2025/03/12 11:17
社長が声かけあうサイト「どうだい?」の魅力とは
人材採用の悩みを相談→2人採用に
製造業の「今後1年以内に倒産するリスクが高い企業」は2万8571社にものぼる(帝国データバンクが2月公表の調査)。コスト高と人手不足に悩まされている企業が多い一方で、具体的な対策を見出しづらい。そうした中で、大同生命保険が提供するwebサービス「どうだい?」に注目が集まっている。中小企業の経営層を中心に困りごとや悩みを相談・共有したりできるサービスで、2022年3月にサービス開始以降、順調に会員数を拡大し、今月で3周年を迎える。昨年11月には会員数8万人を突破、月間アクティブユーザーも8千人を超える。同サービスのユーザーであり、実際に人材採用の悩みを相談した樹脂加工専業メーカー・岸本工業の岸本豊寿代表取締役社長に利用するメリットなどを聞いた。

岸本工業の岸本社長。どうだい?によってピンチを救われたという
――使い始めたきっかけは。
「利用し始めた2022年は、コロナ禍を機に当社の売上が激減していた時期。何とか会社を持ちこたえさせるため、東京都大田区の経営者コミュニティも休会させていただかなければならないなど、不安や悩みを抱えながらも相談できる先がすぼまっている状況でした。そのため、大同生命保険さんから『どうだい?』を紹介いただいた際は、すぐに会員登録しました」
――具体的にどのような使い方をしていますか。
「採用に関して『営業マン』と『現場技術者』のどちらを優先すべきかという質問・アンケートをどうだい?会員に投げかけました。当時は何とか売上を立てていく必要があったので、営業マンを採用してまず仕事を取ってくるべきか、現場作業ができる技術者を雇って生産の効率化を図り受けられる仕事量を増やすべきか非常に悩んでいた時期でした。アンケートの結果は見事半々。綺麗に割れましたが、最終的には現場の技術者を2人採用しました」
――あまり参考にしなかった。
「いえ。どうだい?ではアンケートへの回答だけでなく、なぜ選んだかを皆さんコメントしてくださる。私がした質問に対しては、『会社の売上を上げるには営業が仕事を取って来てなんぼ』と言う人もいましたし、『現場に人がいれば社長自ら営業に行ける』とコメントする人もいました。結果的に私は現場の人材を優先しましたが、コメントを参考に求人の書き方を変更したことによって、すごくいい人を採用できたと思っています」
「今振り返ると、私の中で最初から答えは決まっていて、それは他の相談者さんも同じだと思います。なので、賛成意見が多ければ背中を押され、反対意見が多かったとしても、それを参考に方向性を修正したり、躓きそうなところにひと手間加えたりできる。経営者はトライ&エラーの連続です。どうだい?は自分の考えを深めたり、決断するきっかけとして非常に有効だと思っています」
――リアルの交流会などでも同様の体験はできそうですが、どうだい?ならではの特徴は。
「どうだい?にはプレーヤーである経営者が多いということが大きな特徴だと思います。リアル交流会などに行くと、企業の規模が当社よりも随分大きかったり、管理側に回られている経営者の方も多いです。そうした人たちの声の方が大きいこともあり、こちらの相談内容に対して少しズレた回答しか得られないこともあります。どうだい?は奥さんと二人で経営している企業や全て社長一人で賄っているプレーヤー型の経営者が多い印象です。そのため、周りに相談する人がいない環境や困りごとが共通のことも多く、質問やそれに対する回答が真摯です。加えて、それらのサービスが無料で提供されていることが大きな強みだと思います」
――今後サービスに期待することは。
「オンライン上のサービスとしては今ある形でも十分ですが、もし可能であればエリアごとの集まりみたいなものがあればその地域特有の悩みなどは解決しやすいかもしれないです。そのためにも、もう少し各個人のプロフィールが見えるといいのかもしれません。仕事を頼んだり頼まれたりといった新たな繋がりにも期待が持てますしね」
どうだい?のサイトイメージ
大同生命保険担当者から一言
コロナ禍の2022年に“孤独な中小企業の社長同士が声をかけ合える場所”を作りたいという思いから「どうだい?」は始まりました。現在は、孤独に陥りやすい経営者が集まれる場所としてはもちろん、相談を機に経営者同士が繋がるきっかけづくりを目指して運営しています。
これまで、ユーザーの声に応じて「応援しています」のようなリアクションを送れる機能を追加したり、同じ属性を持つ経営者同士が特定のテーマについて話せる場所をつくったりなど、サービスの幅を広げてきました。
直近ではオフラインでも活動も活発になっており、定期的なオフ会やリアルな繋がり、「どうだい?」がきっかけとなったビジネスも生まれ始めています。次の目標としては登録者数10万人を目指しており、リアルでのイベントもより積極的に企画していきたいと思っています。
(日本物流新聞2025年3月10日号掲載)