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インタビュー

ブルーム−ノボテスト 代表取締役 朝尾 信之 氏

投稿日時
2025/02/12 11:34
更新日時
2025/02/12 11:36

普及策はなにより「現場の声の傾聴」

機上測定の分野で世界的に知られるブルーム-ノボテスト(ドイツ本社)。その日本法人トップに今年1月1日付で朝尾信之氏が就任した。業界では異例の43歳の若さ。もちろんオーナー一族ではなく、しかもブルームでの社歴は1年半と少し。ブルーム日本法人は昨年、設立25周年を迎えており、フレッシュなリーダーのもと新たな飛躍を目指す。

――単刀直入に、異例の人事と思いました。

朝尾 経営者候補として雇用された経緯がありました。高専(福井)卒業後、岐阜大でシステム工学を学び、オークマ、サンドビック(切削工具部門)で勤務して僕なりに機械加工のキャリアを積みました。平たく言えばスカウトで235月、ブルームに入社したんです。

――貴社の業容にピタリの職務経験ではありますね。

朝尾 確かに巡りあわせに恵まれました(笑)。サンドビックでは機械メーカーを担当し、最終職位はグローバルキーアカウントマネージャー。世界の主要な工作機械メーカーを担当し、切削加工の自動化などを進めていました。

――で、転職は反対されなかった? 

朝尾 前職ではグローバルで人事の社内公募があって個人がやりたい仕事・ポジションに自由に応募できたんです。個人の成長をうながす制度です。そんな社風だったので、自分のキャリアプランやスキルアップなどを考える機会にも恵まれました。前職の会社には感謝していることが多く、勝手ですが継続してよい関係を持ちたいですね。

――さて、機上測定は国内でも広がっていますが、課題は感じますか?

朝尾 いや、日本では今も普及が遅れています。ヨーロッパなどは社員の流動性が圧倒的に高いので、人の技術に頼らない技術が育ち市場も広がります。翻って日本は、自動車関連はじめ筋金入りのベテラン職人が時間をかけて後輩を指導し、確かな技術が受け継がれている。これが逆に自動化の遅れの要因と思います。

■現場との対話を最重視

――その日本も昨今は人材不足で若手の職場定着率も落ちています。御社にとってチャンス?

朝尾 日本市場のポテンシャルは間違いなく大きいと思います。ただ古い機械を使いこなして、新たな自動化に踏み切れないケースがまだ主流かもしれません。

――そこをどう変えるか。

朝尾 ええ。私がいま重視しているのが、エンドユーザーの声を徹底的に拾うことです。そのうえで個々のお客様にあった機上測定の形を提案したい。

――提案の引き出しはたくさん?

朝尾 アプリケーションは多くありますが、現場の目的とアプリケーションがミスマッチだと受け入れられません。お客様の目的はミスを減らすことか、生産性を上げることか、測定データを蓄積し傾向値やバラつきを検証するのか。当社としては段階を経て様々ご提案したいけれど、まず何が求められているか把握することが大事です。ブルームでは製品やシステムの開発はドイツ本社で行っていますが、ニーズに沿ってローカライズする拠点が世界に4つ新設予定であり、日本法人としても要望に応じたアプリケーションの提供に努めます。やはり顧客との対話が大事ということです。

■使うメリットの認知広げる

――顧客対応で市場を広げるとのことですが、機上測定の将来は業界でも注目されています。

朝尾 はい。実際、工作機械への搭載率は上がっています。昨今は工作機械需要の低調が逆風でしたが、5軸・複合加工機向けなどアッパークラスの商品が健闘しています。

――業種では?

朝尾 半導体関連で採用が増えました。それと自動車などもそうですが、大手の生産改革に伴って、サプライヤーを含め導入を検討いただくケースが増えています。

――2つ懸念される気がします。一つは御社の世界シェアは高く非接触レーザー測定だと8割以上とも言われますが、後進国の追い上げはないのか。もう一つは品質基準への準拠という点です。

朝尾 ハードのコピーは出てきますが、専門性とアプリケーションの組み合わせでトップランナーを堅持します。やはりソフトウェアが鍵とみます。他方で品質基準については、最後は三次元測定機で測定結果を担保する必要がありますが、私どもの測定機器はスピードや生産性向上、省人化、加工の正確さへの貢献、傾向分析など、ワークや工具等をリアルタイムで測定することで多種のメリットを提供できます。先に申し上げたように、顧客との対話を深めながら顧客に合った「使用メリットの認知」を広げたいですね。

(日本物流新聞2025210日号掲載)