インタビュー
長谷川工業 長谷川 義高 副社長
- 投稿日時
- 2024/12/25 10:01
- 更新日時
- 2024/12/25 10:03
「乗ればわかる、頼もしさ。」で価値創造を深化
長谷川工業が2009年にリリースした踏み台「lucano(ルカーノ)」は機能性と意匠性が高く評価され、世界各国のプロダクトデザイン賞を受賞。17年には、ルイ・ヴィトンが直営店全店舗に採用、18年には人気アパレルブランド・シュプリームとのコラボレーションを果たすなど大ヒット。また「BLACK LABEL」などで差別化が難しいはしご脚立業界で唯一無二のブランドを確立。デザイン戦略の陣頭指揮を執る長谷川義高副社長は新メッセージ「乗ればわかる、頼もしさ。」をキャッチフレーズに、若者層への更なる浸透を目指す。
――開催された「HasegawaFES」のポイントはなんでしたか。
「様々な脚立を乗り比べできる体験会です。これはハセガワの新メッセージ『乗ればわかる、頼もしさ。』を具現化したものになります。当社がプロの職人様に支持されているということは、調査結果からも証明されているのですが、なぜ、どこが支持されているかは正確にはわかりませんでした。その答えを探る試みからこの新メッセージが生まれました」
――「乗ればわかる、頼もしさ。」という新メッセージが生まれた背景は。
「工場、設担当者、技術者などに『なぜハセガワの商品がプロに支持されているか』を探るべくヒアリング調査をしましたが、結局『これだ!』という明確なポイントを絞り切れず、たくさんの細かな配慮やこだわりの総合的な結果だったのです。またユーザーである職人様もそれぞれのこだわりがありますので結局、『乗ってもらえればわかる』ということになりました。今回のフェスだけでなく、今後もこのキャッチコピーを押し出したキャンペーンやブランディングに注力し、若い人にもっとハセガワのファンになってもらうように努めます」
――「シャガマン」から待望の「黒」を出されたが。
「シャガマンは上部操作レバーとサイドトリガーで立ったまま伸縮操作が可能な、当社の技術とノウハウを『全部盛り』したような製品です。この機能の充実に加え、要望も非常に強かったので『色』という意匠性を付加価値として加えました。当社の機能性とデザイン性を高次元で融合させました」
――ポータブルDJテーブルも今回展示されていますね。
「ユーチューブがきっかけなんですが、人気DJが当社の足場台をDJ台として使用して、絶賛してくれました。それを私が耳にして、こういう遊び心のある取り組みにGOサインを出せるのは当社ぐらいだろう、と開発しました。なぜなら当社社長が趣味でDJをやっているので(笑)。品番もDJHとしています。アウトドア事業の『Hasegawa CAMP』も新製品のアルミグリルテーブルを出していますが、もともとの経緯は、キャンパーが当社の足場台を頑丈だと広く使って頂いていたことが背景です。プロの使う商品なので頑丈さや安全性は保証済です。そこに遊び心を加えた新規事業を、今後さらに発展させていきます」
――今後の更なる展開は。
「かつて『UPSLIDER』をはしごのブランドにしており、60代70代に高い知名度を誇ります。前出の若い世代にもハセガワのブランドをより浸透させるという戦略も背景にあり20数年ぶりに復刻しました。世代を超えて当社の製品を愛していただけるよう、高い品質を基本としたブランドの確立をさらに進めてまいります」
(日本物流新聞2024年12月25日号掲載)