インタビュー
宮川工業 代表取締役社長 宮川 治郎 氏
- 投稿日時
- 2024/12/11 13:34
- 更新日時
- 2024/12/11 13:37
インド建築の省エネ化に環境塗料で貢献
鋼材向け面取り機などが建設、造船分野で活用されている宮川工業が、インドで環境エネルギー関連事業を拡大させている。事業を主導する宮川治郎社長にインドの建築事情や同社の環境エネルギー商材について聞いた。

JIMTOF出展ブースにはガネーシャが鎮座していた
橋梁、鉄道、造船分野へ塗料軸に面取り機も提案
――2014年より展開されているインド事業が好調とのことです。事業のきっかけについて教えて下さい。
「もともとタイで会社を作る予定をしていましたが、現在、インドの現地法人を任せているRokade氏との運命的な出会いをし、またインドがメーカーの国であることを知ったのがきっかけです。どうせ会社を興すならば、製造から販売まで一貫して行えるインドの方にメリットを感じました」
――インドでは専門人材の確保が難しそうですが。
「逆です。タイでは英語が話せる少数のワーカーの取り合いが起こっていました。一方で、インドでは基本的に英語は通じる。また、毎年1000万人の子供が生まれていて、さらに外貨を稼いだインド人が地元に学校を作って理系人材を育てる流れもあり、現在では毎年約700万人のエンジニアが誕生していると言われています。技術を持つ若いワーカーが潤沢にいるのが今のインドで、世界の工場になるのは自明の理かと」
――建設需要も盛り上がりを見せているようですね。
「めちゃくちゃ盛り上がっています。10年ほど前には建設が止まった時期もありましたが、ナレンドラ・モディ首相になってからは順調です。世界情勢の後押しも相まって各地で工場などが新設され、そこで働く人たちが安定した収入を得ることで、各地域でショッピングモールが乱立しています」
――一方で、インドで先行しているのは面取り機などではなく、環境エネルギー分野の商材ですね。
「私は現場サイドではなくローカル企業のオーナーたちとよく話をしています。そうした中で、産業機器関係よりも環境エネルギー商材の方が現地の困りごとに合致し、市場としても大きいことがわかりました。インドとしてもオールドな産業ではなくて、最先端の技術を取り込んで早く自国を豊かにしたいと考えている。そうした中で、日本の優れた環境エネルギー製品への関心も高い。現在、環境エネルギー商材だけを扱う会社を別途立上げ中です」
「また、インドは地震が少ないこともあり、現状、鉄骨ではなく鉄筋コンクリートの建物がメイン。当社が扱っている鉄骨用の機械はまだ早い。そのため、遮熱断熱塗料や防水塗料、錆止め塗料などが先行しています。遮熱断熱塗料は既にムンバイのワールドトレードセンターやお寺、病院などで多数採用されています」
――今後の展開について。
「現在、インドは橋梁・建築や鉄道、造船などのインフラ分野に高い関心を持っています。こうした分野は当社本来の技術が使えるところ。環境エネルギー商材で勝ち得た信頼を武器に、橋梁の規格化の際に面取り機を内容に盛り込むように交渉中です。また、日本の企業と現地企業の合弁会社設立をコーディネートしたりもしています。日本の優れた技術をインドに紹介したいのはもちろんのこと、互いのイメージを良くしたいというのが根本にあります。インド人と日本人の根柢にある考え方の違いを理解せずにインドに進出し、失敗した日系企業を沢山見てきました。当社が間を取り持つことで、上手に橋渡しができればと考えています」
(日本物流新聞2024年12月10日号掲載)