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インタビュー

オーエッチ工業 開発部 主任 受川 尚道 氏

投稿日時
2024/11/25 14:57
更新日時
2024/11/25 15:00

プラントの保全・修繕に

プラント工事現場からの声をヒントに「金矢」を開発した開発部の受川尚道主任

手に馴染み、打ち込みやすい形状でヒット

昨年の発売開始以来、「5千本は売れている」というオーエッチ工業の「金矢」。プラント工事の修繕や保全作業、機械設置のレベル出しに使う工具を製品化しヒットした。

「プラント現場のフランジの開作業では、これまで代替品としてマイナスドライバーを打ち込んで使われていたが、パッキンが劣化し固着したフランジを外そうとするとマイナスドライバーが曲がったりしてしまう。専用工具がなかったところに、ユーザーの声を反映し開発した。これまでは端材を切りっぱなし、自作工具として使っていた現場も多い」と開発部の受川尚道主任は話す。

金矢は握れる部分をもたせ、先端からグリップ部にかけて徐々に厚みが出るクサビ形状にした。「しっかり握れて打ち込みやすいと好評」と、形状にハンマーメーカーとしての知見と工夫を盛り込んで支持を得た。

機械やモーターのレベル出しとしても用途を拡げる金矢。コンマ1単位で高さの微調整ができるよう角度が緩やかなものが欲しい、という声に応え、先端の角度を小さく設計している。また、両側に角度をつけた。これは機械やワークの底に打ち込んだ際、地面からやや浮くようにして叩きやすくするため。「大型のモーターだと一度に四本同時に使うことがあり、大量購入されるお客さまもいる」という現場の作業効率向上に一役買うこだわりだ。

先端部の角度を小さくすることで薄くなり、製造時に歪みが発生するリスクも出た。「安定した生産のため工程の見直しといった試行錯誤もあった」と苦労を語るが、多くの職人が求めていた、使いやすい作業工具を生み出した。

材質には耐摩耗性と耐久性が高い炭素鋼S50Cを採用し、熱処理を施し折れにくく靭性の高い製品として仕上げている。「ハンマーほど硬くせず、モーターを傷つけない。ほどよい硬さに仕上げた」と専用工具としての完成度を高めている。

ユーザーの声をとことんすくい取り、潜在ニーズを形にしてきた同社。現在200㍉メートルと250㍉メートルの2サイズをラインナップしているが、今後新たなサイズ(275㍉メートル、165㍉メートル)も拡充予定。

「まだまだ現場のニーズは探せば出てくる」と新たな工具の可能性を感じさせる。

オーエッチ工業_金矢.jpg

ハンマーメーカーとして手に馴染む形状にこだわった「金矢」

(日本物流新聞2024年11月25日号掲載)