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インタビュー

メトロ電気工業 代表取締役社長 近藤 元博 氏

投稿日時
2024/11/25 09:51
更新日時
2024/11/25 10:40

「環境」×「快適」でヒーターの新価値創造

白熱電球の国産化を目的として横浜で創立したメトロ電気工業は、事業領域を光源から熱源へと移し、こたつ用ヒーターユニットでは国内トップシェアを誇る。さらに現在、ヒーターの活用領域を民生から産業へと広げるべくオリジナル熱源オレンジヒートの拡販を進めている。5月27日に川合誠治前社長からバトンを受け取った近藤元博社長に話を聞いた。

カーボンヒーターがエコプロアワード受賞

――社長に就任されて5カ月ほど経ちました。変化はありましたか。

「まだ就任してから日が浅いので、大きな変化は感じていないのが実際のところ。様々な所に顔を出しながら、当社の技術を活用いただけないか提案している」

――前職はトヨタ自動車で環境エネルギー関連のエンジニアをされていたとお聞きしています。近藤社長から貴社はどう見えていますか。

「基礎的な技術力はあるが、それを応用する力に課題があった。これからは応用力を身に付け技術を社会実装し役立てていくのが、当社の今後の成長の源泉」

――近年、産業領域にヒーターの活用を広げていらっしゃいますね。

「当社は民生用と産業用と大きな二つの柱がある。民生用ではご存知の通りこたつを中心とした暮らしを快適にする製品を扱っているのに対して、産業用では白熱電球の製造で培った管球技術をもとに、これまでできなかった2000℃近い高温設定も可能で、環境性能にも優れた赤外線カーボンランプヒーター『オレンジヒート』を開発。現在、活用領域を広げている」

――例えばどのような領域でしょうか。

写真1_オレンジヒート.jpg

エコプロアワードを受賞した「オレンジヒート」

「エンジン部品を鋳造する際、鋳造品質の維持などを目的として金型を予熱する工程がある。これまではガスバーナーを使っていたが、昨今のカーボンニュートラル(CN)の流れの中で、燃料転換と省エネ性を併せ持つ高効率な熱源、ずばり『オレンジヒート』が求められている。また、効率がいい=ムダが無いということは、周りへの熱漏れが少ないということでもあり、作業環境改善の観点からも評価されるのみならず、加熱時間の短縮や品質向上など多くの付帯効果も創出している。『環境』『快適』の両面だけでなく『+αの価値』に当社の知見や技術が生かされていることに手ごたえを感じている」

■他社と協力して持続可能な社会実現を模索

――9月には持続可能な社会の実現に寄与した企業や事例を表彰する「第7回エコプロアワード」で経済産業大臣賞を受賞しました。

「エコプロアワードの受賞は当社が長年取り組んできた企業活動の一つの勲章。受賞理由は様々あるが、サーキュラーエコノミー(循環型経済)の観点から見ると、当社のこたつヒーターユニットやコードは修理や交換ができるとともに、製品設計として石英管とハロゲン、カーボンヒーターそれぞれが互換性を持っていることが評価された。加えて、交換のタイミングでアップグレードすることも可能。こたつを販売するメーカーの商売としては、壊れたら修理よりもこたつごと買い替えていただく方が売上に繋がって良いが、今の循環システムは当社がヒーターを供給しているこたつメーカー様のご協力とご理解があって、世に広めていただけたもの。そうした関係性も含め、こたつ自体の長寿命化やこたつ文化の維持に貢献してきたことが評価されたのだと思う」

――他企業とのコラボレーションにも力を入れていますね。

「当社のような中小企業は、お客さまのニーズを掴むマーケティング力や商品開発力、販売力が弱い。当社の魅力を消費者に直接示そうと思うと他の企業とのコラボレーションは必須。今回、NTT DXパートナーが12月にリリースする新商品開発プラットフォーム『架空商品モール』の先行イベントに参加したのもそれが理由。現在、AIなどの技術を使った商品会議を行い、複数の製品を選出。それらを何らかの形にするために取り組みを進めている」

――今後について。

「来年2月には、我が国が35年時点のCO2削減目標を発表する時期となっている。そうした意味でも、年末から年始にかけて新しい製品を世に出していこうと考えている。また、これまでは国内事業が中心だったが、海外にも同じニーズはあるはず。大手自動車メーカーの日本工場に入った製品が海外工場に入った事例もある。海外から入ってきた白熱電球の技術を日本で磨き海外に展開するタイミングにきている」


PROFILE


こんどう もとひろ 1963年生まれ。名古屋大学卒業後、トヨタ自動車に入社。エンジニアとして環境エネルギー分野を専門に、車両開発のみならず、生産工程、中部国際空港や愛・地球博などのインフラ計画の立案などにも携わった。「トヨタ自動車時代には関わりはなかったが、ご縁があって」2020年にメトロ電気工業の顧問に。常務取締役を経て5月27日より現職。



(2024年11月25日号掲載)