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インタビュー

りそな銀行 小山 泰志 部長

中小企業の万博出展に最大級の支援

りそなグループは大阪・関西万博に出展を目指す中小・スタートアップ企業を支援するリボーンチャレンジの実施主体として最大の39企画(45社)をサポート。ライフサイエンスやSDGS、デジタルなど4つのテーマに沿ってプロデュースし、大阪ヘルスケアパビリオン「展示・出展ゾーン」において「四季」をテーマに4週間の展示を行う。中小企業などを支援する意図や狙いをりそな銀行の法人・プレミア戦略部の小山泰志部長に聞いた。

――4つのテーマで四季を表現するなど、リボーンチャレンジでは最大の支援をされているが。

小山 もともとは大阪ヘルスケアパビリオンをジャックするぐらい出展期間を押さえたかったが、多くの実施主体が積極参加するので4週間が最大となった。万博のメインバンクとして最大限の支援をしたいと考えていた。4週間を「四季」に当てはめながら春はライフサイエンス、夏はSDGSなどと未来に向けてのメッセージを託した。

――万博出展支援を通じてどういった貢献をしたいか。

小山 ベンチャー支援業務を行う中で、大企業・中堅企業に認知されにくく経営に苦労しているという課題感があった。また成功するベンチャー企業の多くは、企業同士の出会いをきっかけに化学変化を起こし、当初想定していなかった技術の使い方などを見出している。ベンチャー・中小企業は技術的なプレゼンには慣れているが、広くわかりやすく提案する機会は少ない。万博を通じて、さまざまな企業や個人、特に、未来のユーザーでもある子どもたちとの接点を増やしていきたい。また並行して我々の特設サイトや営業拠点を通じて取引先にも繋いでいく。ベンチャー企業への支援には金融機関以外の多様な選択肢も増えたが、銀行として長年培ったノウハウやリソースを最大限つかって支援していきたい。

■万博を次の成長へつなげる

――今万博は何かを変えるチャンスか。

小山 特に大阪は社歴の長いオーナー企業、中堅企業が多く、既存事業を堅持さえすれば安定した売上と良好な財務基盤を維持できる状況が続いていたが、コロナ禍や資源高を経て、「次の成長分野」を模索するマインドに一変した。万博は、より良い社会への変革に向けた大きなきっかけになると思う。

――中小・スタートアップの成長が狙いか。

小山 出展企業が未来への提案を通じて成長してもらうことを望んでいる。我々のビジネスにどう寄与するかなどの算段はしていない。人びとの価値観が多様化し、SNSが発展して、本物が厳しく評価される時代になった。見かけだけ整え商売っ気を出しすぎると、見透かされて来場者の楽しさを半減させてしまう。前回の万博は「ものの豊かさ」を示して高度成長のきっかけとなった。今回の万博では「ものの豊かさ」に加え、「環境」や「心の豊かさ」などをテーマに人類の本質的な「成長」につなげる提案の場にしたい。本物かどうかを確かめに、ぜひ会場に見に来てほしい。

(2024年9月10日号掲載)