インタビュー
ゼネテック エンジニアリングソリューション事業部 佐藤 英二 事業部長/エンジニアリング開発部 池田 陽一 部長
- 投稿日時
- 2024/07/24 13:16
- 更新日時
- 2024/07/24 13:22
「Mastercamで儲けてもらう」顧客目線の手厚いサポート体制を構築
初版リリースから40年を迎え、世界ナンバーワンのインストール数を誇る3DCAD/CAMシステム「Mastercam」。その先進性に着目し、1990年にいちはやく日本国内に導入したパイオニアベンダーがゼネテックだ。昨年はアジア・パシフィック地域における「メンテナンス継続率ナンバーワンリセラー」として開発元から表彰されるなど、顧客からの信頼も厚い。国内に様々なベンダーがある中、なぜ同社が選ばれるのかを探った。
――昨年は「メンテナンス継続率ナンバーワンリセラー」として表彰されました。
「当社や当社の販売代理店各社様を通じてMastercamライセンスのメンテナンス契約を更新し、最新版やカスタマーサービスをご利用いただいたユーザー様の割合が高かった点が評価されました。多くのユーザー様から当社のサービスが高く評価されての受賞ですから、大変光栄に思っています」(同社エンジニアリングソリューション事業部・佐藤英二事業部長)
――導入に際してはどういったバックアップを。
「まず導入に際してですが、当社には機械加工特級技能士、マシニングセンタ1級技能士、数値制御旋盤1級技能士など機械加工の知見が豊富なエンジニアが多数在籍しています。様々な加工現場の課題と向き合いながら、個社に最適な導入から運用までをサポートしています」(同社エンジニアリング開発部・池田陽一部長)
――ユーザーに合わせたカスタマイズにも対応されています。
「当社はソフトベンダーながら、システム開発にも強みを持っており、ユーザーのご要望に合わせた機能を提供できます。これまでにも穴あけ加工システム、旋盤用図形自動生成、5軸加工用ツールパス自動生成、絞り金型モデル自動生成などMastercamを軸に、使いやすさを追求し、現場の生産性を向上させるシステムを手掛けています」(池田部長)
――導入後の運用面でのサポートは。
「お客さまのお問い合わせに直接対応するサポートセンターを常設しています。基本的には電話やメールで対応していますが、パソコン画面を見ながらの説明が必要なケースではリモートでのサポートを行っています。許可を頂いてからお客様のパソコンにアクセスし、リアルタイムでサポートします。こちらは迅速かつ的確に対応できるとあって、お客様からも好評です。また、実際にエンジニアがお客様の元にお伺いしてモデリングや加工についてご提案するケースもございます」(佐藤部長)
――独自のサポート用コンテンツも充実させています。
「毎月オンラインスクールを開講していますし、保守契約に加入いただいたお客さまには数十種類のトレーニング動画も無料公開しています。ビギナーからベテランまでMastercamをしっかりと運用し、生産に役立ててもらえるような体制を整えております」(佐藤部長)
■工程を96%削減した活用事例も
――ユーザーからはどのような問い合わせが多いのでしょうか。
「月に約400件のお問い合わせがありますが、基本的な内容のものが多いですね。ただ当社は、『ユーザー様の辞書代わりになる』という立ち位置で対応しています。初歩的、専門的に限らず、ユーザー様の疑問点にしっかりと答えられるようにしています」(佐藤部長)
――昨今、Mastercamに多く寄せられるカスタマイズ要求は。
「やはり自動化に対する要求が高まっていますね。多品種少量生産が求められる中、人手を介しての操作やデータ作成では、どうしてもミスが発生しやすくなります。そうした現場でお使い頂いているのが『GC Mill Express』というミーリング加工ツールパスの自動作成機能です。こちらは加工工程のテンプレートに従って自動でツールパスを生成します。これにより個人の能力による品質や加工時間のバラつきを無くし、加工を標準化できます。工具や切削条件など、ベテラン作業者が持つノウハウをデータ化し、蓄積できるので、技術継承も容易に行えます」(池田部長)
――劇的に生産性が上がった事例についてお聞かせください。
「当社で開発した穴あけ加工システムは、タップ、精度穴、皿ネジ形状やザグリを含む多段穴などの様々なパターンの加工データを簡単に作成できるもので、お客様の要求に合わせてカスタマイズした上で活用頂いています。こちらをお使いのお客様の場合、80%以上の工程を短縮できたというところが大半で、ピタッとハマったお客様では96%短縮したというケースもあります」(池田部長)
――設計データを起点としたデジタル化が貴社にも求められていると思います。
「当社にはベースにエンジニアリング力があり、その上でDXに求められる多彩なソフトウェアを提供しています。Mastercamをはじめ、様々なソフトを現場の課題解決のお役に立てるようカスタマイズしてお納めすることも可能です。当社はただソフトを販売するだけでなく、中長期的な視点で、お客様がソフトの活用によっていかに儲けて頂けるかを考えています。設計だけでなく、製造の上流から下流に至るまでを見通した上で最適なソリューションを提案していきます」(佐藤部長)
(2024年7月25日号掲載)