インタビュー
シロキコーポレーション 代表取締役社長 堀 智彦 氏
- 投稿日時
- 2024/07/01 09:29
- 更新日時
- 2024/07/01 09:34
熱貫流最大76%削減の遮熱塗料
夏の危険な暑さは空調関連コストや働き手の維持確保にも影響を与えるようになりつつある。塗料メーカーのシロキコーポレーションが手掛ける遮熱塗料「ミラクール」は、屋根に塗るだけで屋根からの熱貫流を最大76%削減できるため、ここにきて導入企業が増加している。5月には累計塗布面積1千万平方㍍(東京ドーム220個分)を達成するなど実績も十分な製品だ。同社の堀智彦社長に選ばれ続ける理由を聞いた。
製品×施工品質で累計1千万㎡施工達成
――夏場の平均気温が上昇する中、貴社の業績も右肩上がりです。
「コロナ感染症が発生した直後の2020年は落ち込みましたが、それ以降は毎年120%越えの売上成長を見せています。当社は12月決算なので今年の1︱5月は対前年で150%ほどと状況はさらに加速しています」
――売上の上昇には暑さも関係しているのでしょうか。
「電気代の高騰だけでなく、夏の異常な暑さと5~10月頃まで30℃を超える日が続く夏の長さは導入増に寄与していると思います。工場や倉庫の屋根に塗る遮熱塗料『ミラクール』の導入数がここ2年で拡大していますし、夏に備えて早い段階から問い合わせいただくケースが増えており、受注の山場もこれまでの5~7月から平準化されつつあります。加えて、深刻な人手不足に対し少しでも職場環境を良くするために導入したいというお声も多くいただいています」
――需要に毎年の夏の暑さが織り込まれている中、様々省エネを謳う製品が出てきています。貴社が選ばれ続けている理由は。
「一つは商品力。日射反射率92・2%、長波放射率99・1%の業界トップクラスの遮熱性能を有している遮熱塗料・ミラクールや最長20年の防水保証をする『防水工事シームレス工法』といった他にはない製品が強みとなっています。また、当社は塗料メーカーでありながら、責任施工を承っている。塗料は缶に入っている状態では半製品です。製品がどんなに良くても施工がダメだとちゃんとした被膜ができず製品性能を十分出せません。塗料メーカーでありながら製品から施工まで一貫して提供している点が他社との大きな違いであり、評価や信頼につながっていると思います」
――評価や信頼を示す指標はありますか。
「5月に延べ1千万平方㍍の施工実績を達成した点とリピート注文が非常に多い点でしょうか。量販店や工場、倉庫を1棟だけでなく何棟もお持ちのお客様も多いです。他の拠点の改修工事がある際に再びお声かけいただけるのは、完成品の性能に満足いただけているからだと思います」
■太陽光設置の前工程に採用増
――近年、屋根に太陽光パネルを載せる企業も増えています。ミラクールはそうした分野とバッティングするのでしょうか。
「バッティングするというよりも、太陽光パネルの施工業者からパネルを載せる前に屋根のメンテナンスをしたいといった問い合わせが増えています。当社は100%リニューアル工事向けに製品を販売していますので、建ててから20~30年ほど経った建物の屋根は錆が出るなど既に劣化しているケースが多々あります。また、太陽光パネルを設置した後に20年ほど屋根を維持する必要があることを考えると、パネル設置の前工程としてミラクールの塗布を希望される顧客が増えています」
――ミラクールの特徴は遮熱性能だけではない。
「ミラクールは業界トップクラスの遮熱性に加えて、塗料自体の性質も非常に頑丈で耐候性に優れています。太陽光パネルを設置した場所では遮熱性は期待できませんが、塗料自体の堅牢性が評価されパネル設置の前工程として採用いただいています。また、屋根全体に太陽光パネルを設置するわけではないので、少しでも熱伝導率を下げたいといった理由もあり、いいとこ取りできるミラクールが選ばれています」
――今夏に向けた取り組みがあれば教えてください。
「ミラクールの1千万平方㍍の施工達成を記念して9月30日までに完工予定の案件を対象にキャンペーンも行っています。夏場の熱貫流に困っている建物や太陽光を載せるのに適さない屋根があれば、是非当社にご相談ください」
ミラクールの施工イメージ
Profile
ほり・ともひこ ガス機器メーカーで20年間営業を経験した後、シロキコーポレーションに入社。2019年に社長に就任。営業時代からの全国を飛び回って現場に立つ姿勢は今も変わらず、「いろんなところに動き回るのが性に合っている」と話す。休みが取れると温泉に行くのが趣味で、おすすめは秋田の乳頭温泉。「硫黄がしっかり香るのがいいですよね」と笑顔を見せる。
(2024年6月25日号掲載)