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インタビュー

OTファテック FAN部東西エリア統括所長 丹羽 礼文 氏 
熱中症対策と省エネを両立、法改正の機運背景に需要急増

投稿日時
2026/04/27 16:16
更新日時
2026/04/27 16:19

「フォルテシモファン」の費用対効果と信頼性

製造現場や物流拠点における「職場環境の改善」が、経営課題として比重を増している。こうした中、OTファテックが展開する大型HVLSシーリングファン「フォルテシモファン」が、熱中症対策と省エネを両立するソリューションとして導入を伸ばしている。同製品は最大直径7.3㍍の羽根を低速回転させ、大風量の気流を空間全体に滞留なく循環させるもの。空調効率の向上(節電)や結露・錆対策への寄与が、現場の生産性向上に直結するとして評価されている。特に、労働安全衛生規則改正で熱中症対策が義務化されて以降、売上高は従来の3倍から4倍のペースで推移している。同社のFAN部東西エリア統括・丹羽礼文所長に、製品特性と市場動向を聞いた。

――「フォルテシモファン」の製品特性について。

「1機で直径40~50㍍という広範囲をカバーできるのが最大の特徴です。これまで多くの工場では、多数の床置き扇風機を並べて風の流れを作っていましたが、天井の1台で代替が可能になります。床面の動線を確保できるため、安全性の向上にも寄与します。ラインナップは大型施設向けの『じんせん風』シリーズ(4.2~7.3㍍)から、小型倉庫や事業所向けの『つむじ風』シリーズ(1.5~3.0㍍)まで揃えており、空間の規模に応じた柔軟な配置が可能です」

「運用コストの低さも導入を後押しする要因です。消費電力は最大風量時でも1時間あたり1.35kWh。8時間運転した場合の電気代は約293円(※試算値)に抑えられます。室内温度が均一化されることで、夏場の冷房だけでなく冬場の暖房効率も向上し、大手ユーザーの事例では年間で20~30%の省エネを実現したとの報告も受けています。脱炭素(カーボンニュートラル)を推進する企業にとっても、投資回収の早い合理的な選択肢となっています」

――結露や錆の防止など、品質管理面での効果は。

「庫内の空気を強制対流させ、上部に滞留する暖気を攪拌することで上下の温度差を解消します。これにより、春先や秋口など湿度が高い時期の結露を大幅に抑制できます。また、精密な金属製品を扱う現場では錆対策が急務ですが、錆の主因は空気中の埃が製品に付着し、そこに水分が留まることにあります。気流によって埃の堆積を防ぐことで、錆の発生を70%軽減できたという実例もあり、製品品質の維持に貢献しています」

――信頼性と安全性への配慮について。

「心臓部にはギアレスのIPMモータ(永久磁石同期モータ)を採用しました。メンテナンスフリー化とともに、39デシベルという図書館並みの静音性を実現しています。安全面では、航空機グレードのアルミ合金を用いた一体型押出成形ブレードを採用したほか、万一の事態を想定し、4本のワイヤーロープによる脱落防止構造を標準装備しています。さらに、万が一ブレードが破損しても隣り合う羽根が支え合う独自の安全リテーナー構造を施しています。地震大国である日本市場に適した多重の安全設計です」

――市場環境の変化と、今後の展開をどう捉えていますか。

「労働安全衛生規則改正で熱中症対策が義務化されました。熱中症の重篤化を防止するための『体制整備』などが必要で、設備の導入自体は求められてはいませんが企業の意識が向上しています。さらに、従業員の皆様が快適に働ける環境を整えることが、離職防止や採用力の強化につながるという経営判断が働き、当社製品への注目度があがり3倍以上の売り上げになっています。これに伴う需要急増に対応するため、在庫拠点を大阪だけでなく関東・中部にも拡充し、供給体制を強化しました」

「一方で、我々は単に製品を売るのではなく、現場ごとの効果を冷静に判断することを重視しています。設置環境によっては効果が見込めないケースもあり、その場合は正直にその旨を伝えます。こうした誠実なコミュニケーションが、結果的に長期的な信頼獲得につながると信じているからです。今後は、電源100Vで駆動する『置き型タイプ』の投入も予定しています。天井設置が困難な現場やレジャー市場など、新たな領域へも価値を届けていく方針です」

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じんせん風

(日本物流新聞2026年4月25日号掲載)