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インタビュー

DrumRole 松本 隆太郎さん・牛尾 夢海さん

東京都大田区発、町工場向け生産管理サービス提供

1994年生れ、羽生・大谷世代の松本隆太郎さんと牛尾夢海さんが2022年に立ち上げたDrumRole。今年6月、町工場に特化したクラウド型生産管理サービス「DrumRole」の提供を始めた。早稲田大学時代に知り合った二人は楽天グループと日産自動車に就職するも、製造現場の課題を解消したいとの想いから起業に至る。サービス内容や背景を聞いた。

牛尾さん(左)と松本さん

――6月に生産管理サービス「DrumRole(ドラムロール)」の本格提供を始めました。まずはサービス内容について教えてください。

松本 ドラムロールは中小の製造現場の生産管理に本当に必要な機能(受発注管理・工程管理・品質管理)だけに絞ったシンプルなクラウド型生産管理サービスです。中小製造業ではデジタル化が求められていますが、既存システムは様々な機能を盛り込んだパッケージで提供されることが多く、事業者の中には10%も機能を使っていないにも関わらず、初期導入費に数百万円、保守費に月額数十万円も支払っているケースが多々あります。ドラムロールは現場で本当に必要な機能だけを盛り込んでいるので、初期導入費を30万円、月額利用料を3万円に抑えました(キャンペーン価格)。

牛尾 既存ソフトの導入コストや使い勝手の問題から、未だ紙やExcelで情報を管理しているところも多く、せっかく保管しているデータが十分に活用できないケースも散見されます。ドラムロールでは例えば不良報告データを一元的に管理できます。不良が発生した際、作業者はスマホなどを使用することで即座にドラムロール上に原因と対策を報告できます。報告された不良はAIによってまとめられ、リピート品を加工する際の加工指示書に過去の不良や気を付けるポイントを自動で表示可能です。また、不良情報も自動で集約するため、不良理由の分析やカイゼン活動を効果的に行えます。

――現場に必要な機能をどのように選定したのでしょうか。

松本 もともと私の家業が製造業で、楽天時代にデジタルサービスを開発していた身としては、その非効率性に大きなギャップを感じていました。一方で、製造現場の課題に対する解像度も低かったため、20~30社の工場を見学させていただきました。加えて、それぞれ樹脂加工と金属加工を行う企業に期間限定の前提で入社させていただき、実際に半年~1年間働きました。現場の一員として働くことで現場目線でのお困り事の把握に努めました。

――サービス提供からまだ1カ月ほどですが反響を教えてください。

牛尾 現状、4社導入いただいており、メディアなどで紹介されることで問い合わせ件数も増えて来ています。今期は導入件数20社を目標に進めています

――導入企業からはどういった声が。

松本 基本的に「使いやすい」などポジティブなお声をいただくことが多いです。しかし、シンプルなシステムの提供を目指したことで、そぎ落とし過ぎてしまった部分もあったので、毎週アップデートを加えてサービスのブラッシュアップに努めています。モノづくりは本来ワクワクするものだと思います。現場のワクワクを最大限引き出せる存在になりたいと思います。



2024810日号掲載)