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インタビュー

ANCA Machine Tools Japan 社長 板倉 秀明 氏 
ナノ制御の工具研削盤を投入

投稿日時
2026/04/08 09:00
更新日時
2026/04/14 09:46

超硬再研磨の需要取り込む

工具研削盤世界最大手のANCA Machine Tools Japan。㌨メートル分解能の工具研削盤を昨年上市したほか、測定機と研削盤をAMRで結ぶ無人製造システムにも注力する。独自ソフトを武器に、材料高騰で関心が高まる超硬工具の再研磨需要も捉える構えだ。

――足元の需要は。

「年明け以降は落ち着きましたが7-12月は過去最高に匹敵する受注額でした。為替変動を顧客に転嫁しない方針を貫いています。21年に日本円定価を設定して以来、当時のレート(1豪㌦=83円)を維持してきました。日本は検討期間も長く、年度を跨いで価格が急騰する事態は避けたい。他社機から買い替えたユーザーから『競合機は高騰して買えない』との声も聞きます。他社機の無償引き取りといった施策も含め、こうした安心感が需要獲得に寄与したと捉えています」

――CNC装置を内製しています。

「大きな優位点です。昨年、ナノメートル分解能の工具研削盤『MicroX ULTRA』を発売しました。一般的なNCによる万分台の指令では微視的に“階段状”の送りになりますが、指令単位を100倍細かくすることで軌跡が極めてスムーズに。0.03ミリ径までのマイクロ工具の研削が可能です。すでに0.3ミリ径で『非常に良い』と評価を得ており、国内工具メーカーで同シリーズへの切り替えが進んでいます」

――超硬材料が高騰中です。再研磨への関心は。

「関心は高まっています。不景気と再研磨はセットのような関係で、しばらく『カーバイドショック』は続くでしょう。再研磨は形状の再現性が課題で、使用する研削盤により細部に微妙な差異が生じます。ただ当社の最新ソフトは測定データを元に3Dモデルを作り、元の製造機を問わず同じ形状が作れます。言葉は悪いですが『コピーが作れる』。他社機製の工具を再研磨しても詳細形状を完全再現できます。現状、当社しかできません」

――工具製造の自動化システム「AIMS」の需要は。

「国内で2案件が立ち上げ中です。うち1案件では多様な工具を扱う再研磨の無人化を世界で初めて実現しました。AMRが測定機と研削盤を繋ぎ、測定結果のフィードバックから補正まで全自動で行います。日本はスペースの制約がありますが、研削盤と測定機が1台ずつあれば成立するシステム。今後、再研磨でも十分に導入余地があると考えています」



(日本物流新聞2026年4月10日号掲載)