連載
マンションZEHリノベ検証、本当に住みやすくなったのか?
- 投稿日時
- 2025/03/21 17:43
- 更新日時
- 2025/03/21 17:45
ストック住宅の中古流通・利活用を推進するリノベーションプラットフォームを運営するリノベるは、積水化学と協業で既存マンションの「ZEH水準リノベーション」を行っている。1棟まるごとではなく、専有部だけでもまるごとZEHへリノベーションできるという画期的な取り組みだが、リノベるはさらに一歩踏み込んだ実証実験を去る2月に行った。
「当社の手掛けたZEHリノベーションが具体的にどのような成果を挙げているのか。また居住者にとって、果たしてどのような影響を与えているのかを調べました」(リノベる広報・木内玲奈氏)

ZEHリノベーションを施した築43年のマンション
サンプルとして選ばれたのは、ZEHリノベーションした神奈川県川崎市のマンション(築43年)。省エネ・断熱性能は建築物省エネルギー性能表示制度BELS評価で「ZEH Oriented」に適合。施工内容は断熱施工(積水化学「マルリノ」の断熱特許工法)、内窓の設置(樹脂サッシLow-E複層ガラス)、高効率エアコン、省エネ高効率給湯器「エコジョーズ」、高断熱浴槽(魔法びん浴槽)の導入、給湯・給水の配水方式にはヘッダー方式を採用した。
これにより、計算値では一次エネルギー消費量・CO2排出量削減効果は省エネ基準より26%削減、既存居室との比較で一次エネルギー消費量、CO2排出量は31%削減、光熱費は30%削減が見込まれるという。
この一室にSUUMOリサーチセンターが環境センサーを設置。遠隔で温度や騒音などの室内外の環境データを取得、そのデータから温熱・音指標を算出した。
まず室内の温度だが、屋外が3度以下まで低下しても、室内は暖房無しで16度以上を維持。さらに夜間に屋外の温度が低下する中、室内の温度変化は最大でも0.4度に留まった。
室内の騒音については、環境基準を超えた音量は屋外65回に対し、室内は0回。室内の平均は34dBで、最大は40dBだった。
「検証したデータから、エアコンなしでも保湿性が高く、防音面でもメリットがあることが明らかになりました。また、本物件における光熱費シミュレーションでは、年間光熱費がリノベーション前の約32万円から約22万円へと10万円の削減が見込まれます」(木内氏)
実際のこの物件を購入した入居者は「2月に入居したがエアコンをつけずとも快適で暖かい。住戸内の温度差が少ないと、ヒートショックも起こりにくくなるという話もあるのでありがたい。光熱費 (電気・ガス・水)は1万円弱で、まさに断熱・省エネ効果を実感している」と、省エネ化による快適性と経済面の効果を実感しているようだ。
(日本物流新聞2025年3月25日号掲載)