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連載

工業系YouTuber【なんとか重工とんこつ】 
3Dマウスをイチから自作してみた

投稿日時
2026/08/10 11:07
更新日時
2026/08/10 11:11

ファザーマシン2/Chapter77

みなさん、こんにちは。工業系YouTubeチャンネル、なんとか重工のとんこつです。今回は、「3Dマウス自作編」をお送りします!

こちらが製作中の3Dマウスです

3DCADで設計をしていると、もう少し思い通りにモデルを動かせたらなと思うことがあります。

そんな時に活躍するのが、片手でモデルを回転・移動・拡大縮小できる3Dマウスです。ただ、市販品は23万円となかなかのお値段。

「便利そうだけど、使わず文鎮化するのが怖い」と思っていたところ、イタリアのFacFactum氏が設計データやソースコードを無償公開しているOrbion Space Mouseを発見しました。電子工作は素人ですが、「これなら作れるかもしれない!」ということで、いざ挑戦!

まずは3Dプリンターで外装パーツを製作。マットな質感のPLAやアクセントカラーのイエロー、さらにクッション部分には柔らかいTPU。見た目も使い心地も、市販品に負けないものを目指します。

電子部品も一式そろえていきます。心臓部となるのはArduino(アルデユイーノ=初心者でも簡単に電子工作やプログラミングができる、小さなコンピューターが載った基板)です。

当初はアリエクスプレスで購入した安価な基板使を使う予定でしたが、マイクロUSBは上下の向きを毎回確認するのも少し面倒。毎日のように使う道具だからこそ妥協したくありません。

結局、送料込みで約3000円のUSBタイプC仕様を千石電商で買い直しました。少し高くつきましたが、この判断は正解だったと思います。

そのほか、ジョイスティックやロータリーエンコーダー、OLED液晶、LED、ベアリングなども準備して、いよいよ組み立て開始です。

まずは3Dプリント特有の積層跡をヤスリで整え、インサートナットをはんだごてで埋め込んでいきます。そして最大の難関が配線作業です。内部を配線が通る構造になっているため、順番を考えずにはんだ付けすると組み立てられず詰みます。完成形を頭の中でシミュレーションしながら、一つひとつ慎重に進めていきました。

■CAD作業が快適に

組み立てが終われば、次はソフトウェアです。

ヴィジュアルスタジオコードとプラットフォームIOを使い、公開されている最新のファームウェアを書き込みます。液晶パネルは個体差なのか少し位置がズレるハプニングもありましたが、無事に起動!

ジョイスティックの感度や使用するCADソフトに合わせた動作モード、LEDの発光パターンなども設定でき、自分好みにカスタマイズできます。最後にスラストベアリングを組み込み、ついに完成です。

オートデスクフュージョンで実際に使ってみると、ダイヤルで滑らかに拡大・縮小でき、ジョイスティックでモデルを自由自在に回転。さらに背面ボタンには押し出し、寸法、移動・コピー、キャンセルなどの好きなショートカットを割り当てられるので、一度使うと普通のマウスだけには戻れなくなりそうです。CAD作業の快適さが一段階アップしました。

電子工作と聞くと難しそうなイメージがありますが、実際にやってみるとプラモデルを組み立てる感覚に近く、気が付けば夢中になっていたというのが正直な感想です。動画は公開後じわじわ再生され海外からのコメントが多かったのも印象的でした。

もちろん、今回の製作ができたのは設計データやソースコードを無償公開してくださっているFactum氏のおかげです。本当にありがとうございました。

素晴らしいプロジェクトなので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。しかしAIがない時代にこんなの自作できるってFactum氏っていったい何者なんだ

次回もお楽しみに!



(日本物流新聞2026810日号掲載)



工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ

工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は14万人(2026年8月10日現在)