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工業系YouTuber【なんとか重工とんこつ】 
「電気炉」をイチから作ってみる(後編)

投稿日時
2026/06/24 14:39
更新日時
2026/06/24 14:44

ファザーマシン2/Chapter74

みなさん、こんにちは。工業系YouTubeチャンネル、なんとか重工のとんこつです。

今回は、「電気炉製作 後編」をお送りします!

完成した電気炉で焼き芋を作ってみました

まずは耐火レンガを切っていきます。耐火レンガはこの時初めて触ったのですが、思っていたよりかなり軽く、普通のレンガのようなズッシリ感はありませんでした。その代わり、かなり脆い。

ノコギリでも簡単に切れるのですが、刃がボロボロになるらしいので、今回は100均のノコギリを使います。ただ、適当に切ると後で組み立てが大変になるので、まっすぐ切るためのガイドを3Dプリンターで製作しました。

こういうカンタンな治具をすぐ作れるのは、3Dプリンターのありがたいところ。切り出したレンガはモルタルで接着し、サイド部分にはカンタル線を固定するための溝をヤスリで掘っていきます。ものすごく地味な作業です。

しかし、この溝がないと加熱した時にカンタル線が垂れてきてしまうので、重要な作業です。DIYはこういう「完成したら見えない部分」に限って大事だったりします。未来の自分を助けるために、地味作業を頑張るわけです。

次に、これらのレンガを収める筐体を作っていきます。炉なので熱に耐えられるように鉄で製作しますが、材料費を抑えるために、ほとんどアングル材で設計しました。さらに耐火レンガで分厚い開閉扉も作ります。

筐体はTIG溶接で組んでいくのですが、この頃の溶接は正直かなり下手でした。今見ても「いい味出てるな」と思います(笑)。

慣れない作業ばかりで疲労は溜まっていきますが、それでも少しずつ形になっていく感じはやっぱり楽しいです。

筐体ができたら、底に鉄板を敷き、その上にセラミックファイバー、さらにその上に接着した耐火レンガを置いていきます。ここまで来ると、見た目はかなり炉っぽいです。

あとはカンタル線を収めて、電気配線をすれば完成!……と思いきや、まず大変だったのがカンタル線です。

抵抗値を測定して長さを決めているので、決まった長さのカンタル線をレンガの溝に収める必要があります。しかし、このカンタル線が想像以上に固い。曲げたいように曲がらないし、溝にも全然収まりません。

■配線を間違えてしまい…

さらに固定も大変でした。短く切ったカンタル線をピンのようにしてレンガに刺し、ヒーター線を押さえる予定だったのですが、耐火レンガがスカスカなので刺してもすぐ抜けます。刺す、抜ける、また刺す、また抜ける。地味ですが、精神的にはかなり削られる作業でした。

そして次の難関が電気配線です。今となってはなんてことない内容でも、当時は電気の知識がほとんどなく、AIに聞くこともできません。ひたすらネットで調べ、自分なりに解釈しながら進めていきました。

そして、ようやく完成! 恐る恐る電源を入れると、カンタル線が赤く発熱し、炉内の温度が上がっていきます。

600℃はOK。次は800℃……これはいけるぞと思った800℃付近で、突然、温度調節器の電源が落ちました。一度は再び付きましたが、また消えて、そこから二度と付かなくなってしまいました。

完全にやらかしました。ネットで調べて、自分なりには上手くいったと思っていたのですが、どうやら配線を完全に間違えていたようです。本来つないではいけない熱を持つ配線を、誤って温度調節器につないでしまい、周辺が溶けて温度調節器を壊してしまいました。

今となってはいい苦い思い出ですが、DIYは自己責任です。上手くいった時の喜びは他のものには代えがたいですが、上手くいくことばかりではありません。特に電気関係は、機器の故障だけでなく危険にもつながるので、勢いだけで進める怖さをしっかり味わいました。

現在は温度調節器を交換し、正しい配線につなぎ直したので問題なく使えています。先月もこの電気炉で鉛を溶かして鋳造しました。今回の失敗は褒められたものではないですが、この失敗も含めて、自作機械には愛着が湧きます。

次回もお楽しみに!



(日本物流新聞2026年6月25日号掲載)

工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ

工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は13.8万人(2026年6月8日現在)