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新築高騰もたらす中古シフト
- 投稿日時
- 2026/07/13 09:52
- 更新日時
- 2026/07/13 09:55
中古マンション成約数、過去最高を記録
日本の住宅市場において、既存住宅へのシフトがより一層鮮明さを増している。(公財)東日本不動産流通機構の調査によると、2025年度における首都圏の中古マンション成約件数は4万9314件に達し、前年度比124.1%と大幅に伸長。前年度を上回るのは3年連続で、過去最高を更新する形となった。

中古物件の活用が進んでいる
「背景にあるのは、都市部を中心とした新築マンションの供給数減少と、建築資材や人件費の高騰に伴う販売価格の上昇です。一次取得層を中心に新築住宅の手が届きにくくなる中、立地条件や価格面で優位性を持つ中古住宅を選び、ライフスタイルに合わせてリノベーションを行う方が、一次的な流行を超えて定着したと言えるでしょう」(東日本不動産流通機構)
しかし、市場拡大の影で課題となるのが「見えない部分への不安」だ。給排水管や電気配線といったインフラの劣化状態が判別しにくく、購入後のトラブルリスクを孕んでいる。首都圏の中古マンション新規登録における平均築年数が約30年超と経年化が進む中、適切な品質担保の重要性は高まっている。
こうした不安を解消し、安心して取引できる市場の確立を目指すのが、(一社)リノベーション協議会の定める「適合リノベーション住宅(通称:適合R住宅)」制度である。
適合R住宅とは、給水管、排水管、給湯管、ガス管、電気配線、分電盤、情報系配線、換気設備、住宅用火災警報器、天井下地、壁下地、床下地、浴室防水といった重要インフラ13項目の検査基準をクリアした物件になります。これらの項目には、検査の実施と2年以上のアフターサービス保証の付帯が義務付けられており、点検や修理の履歴も引き継がれますので、中古住宅市場に客観的な品質基準と安心感を下支えする『お墨付き』と言えます」(リノベーション協議会)
■地方でも流通が活発化
同協議会は2026年6月「適合R住宅」の2025年度の発行状況および企業別ランキングを発表。同年度の全国における発行件数は、前年度比103%となる6621件を記録し、3年連続で前年度実績を上回る堅調な推移を見せた。
「2009年の制度開始からの17年間における累計発行件数は8万7964件に達し、中古住宅の安心・安全を担保する社会的なインフラとして確実に定着していることが実証されたと言えます」(リノベーション協議会)
地域別では、市場規模の大きい首都圏が全体の7割超を占めつつも、関西や東海地方における中古流通の活発化に伴い、他の地方での導入実績も着実に底上げされつつある。
また同協議会が発表した2025年度の企業別発行件数ランキングからは、業界の勢力図も読み取れる。買取再販型では、エフステージ、大京穴吹不動産、インテリックスなどの大手が上位を占め、適合R住宅をブランドとして標準化している。一方、顧客の要望に応える「請負型」では、リノベるやグルーブエージェントなどが上位に位置し、施工の透明性を高める取り組みが顧客の信頼を獲得しているようだ。

(日本物流新聞2026年7月10日号掲載)