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クールコネクト、空き家リノベでキクラゲ栽培

投稿日時
2025/07/11 14:37
更新日時
2025/07/11 14:40

人口減少や高齢化、都市部への人口集中などにより生じる「空き家問題」。それを農業のチカラによる解決を目指しているのが、元K-1ファイターの神戸翔太氏が代表を務める農業スタートアップ、クールコネクト(群馬県伊勢崎市)だ。

空き家をキノコ栽培施設にリノベーション

「空き家の増加が社会課題となる一方で、農業分野では気候や土地に左右されない『屋内型栽培』への注目が高まっています。特に、キクラゲやなめこなどの菌類は、省スペース・低気温でも生産が可能で、新規参入者にも適した作物です。そこで当社では空き家をリノベーションし、キクラゲ栽培施設として活用する借上げ型運営モデルの運用を開始しました。オーナー様が所有する空き家を施設に改修し、完成後はクールコネクトが賃貸借契約で借り上げ、オーナーへ安定した家賃収入を提供、施設はフランチャイズ加盟者によって運営される仕組みです」(同社)

農作物の栽培となるとシロウトにはなかなかハードルが高く感じられるが、キクラゲは温湿度管理を中心としたシンプルなオペレーションで生産が可能なため、農業未経験者や副業を検討する個人にも向いているという。

「施設規模や菌床数に応じて必要な作業量は変動しますが、一般的なモデルでは少ない労働時間でも効率的な運営が可能です。例えばキクラゲ2000床を6月から11月にかけて栽培する場合、見込み労働時間は約50時間、年間売り上げ見込みは約300万円になります」(同社)

最大の特徴は、設備の導入、栽培指導、販路提供までを一括で支援するところにある。オーナーは空き家をクールコネクトが提案する仕様でキクラゲ栽培施設へリノベーション(工事費用はオーナー負担)。工事期間は約2カ月。必要に応じて行政対応・消防法等の手続きもサポートする。

完成後の施設で生産されたキクラゲは、クールコネクト直営の青果店「八百金青果店(やおきん)」での販売をはじめ、業務用卸、オンライン販売を通じて地域の消費者に届けられる。

「すでに埼玉県加須市では、空き倉庫をリノベーションしてキクラゲ栽培施設として再生させ、遊休不動産が収益を生む仕組みとして地域に新たな価値を生み出すとともに、遊休施設の活用、地域雇用の創出、地産地消の推進など社会課題の解決にも貢献しています」(同社)

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改修後の施設で収穫されたキクラゲ

(日本物流新聞2025710日号掲載)