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家事らくリフォーム作品コンテスト「プラスα」の提案力がカギ
- 投稿日時
- 2025/04/14 13:20
- 更新日時
- 2025/04/14 13:24

「キッチン&リビング部門」で全国最優秀賞を受賞した青木住巧
【写真左】リフォーム前、【写真右】リフォーム後
タカラスタンダードが主催する「家事らくリフォーム作品コンテスト」。リフォーム需要の掘り起こしを目的に、同社製品を納入した現場を対象に全国から「キッチン&リビング部門」、「浴室&サニタリー部門」、そして「エマウォール部門」の3部門で選出される。2024年には応募総数が2000点を超え、開始した2018年から約5倍、過去最高だった昨年度と比べても1.4倍と年々注目度が高まっている。もとより成長が見込まれるリフォーム・リノベーション市場でもあるが、コンテストの存在をモチベーションとして切磋琢磨する様子も窺えた。
今年、「キッチン&リビング部門」で念願の全国最優秀賞に選ばれたのは青木住巧(愛媛県松山市)。応接間や床の間、神棚がある昔ながらの木造建築に、アイランドキッチン「レミュー」や背面収納、ホーローパネルなどを導入した最新のキッチンに仕上げ、和とモダンが調和する空間が高く評価された。
青木英章代表取締役は「受賞作品は現会長である父が30年前に棟梁として建てた家で、今回2代目となる私にリフォームの依頼が来た。最高級ラインのレミューは最も収納力があり、機能面も高く自信を持ってご提案。ショールームでクォーツストーンの黒の天板を気に入られ、下がり天井に間接照明、床にはウォールナットを合わせた」と説明。「施主様の娘さんに『キッチンで近所の方と活発に交流する母が使いやすくなり良かった』と満足いただけた。やりたかったことをフルで実現できた」と朗らかに話した。
特別審査員のアロイ カラーデザインの北川めぐみ代表取締役は「従来の使い勝手を活かしながら、床材の重厚な美しさと黒のキッチン天板がマッチしている。住む人の要望を理解していることが伝わる空間」と評した。
「浴室&サニタリー」部門で受賞したのは光テック(高知市)。中古住宅にベストドレッサーを設け、バスルームにテラゾー柄のアクセントパネル、タイルの目地をパステルにして合わせた。「ひとさじのアクセントで空間が素敵になる」(光テック)と華やかさと品を両立した作品。
水回りをウキウキするような空間に仕上げた光テック
エマウォール部門はシーエムシー一級建築士事務所が受賞した(大阪市)。エマウォールはホーロー製で清掃しやすく、マグネットがくっつくなど機能性が高い独自の内装材。「住んでいるご夫婦が旅行好きで、壁に今度訪れる温泉などのメモがあった。ここにマグネットがつき文字も書けるエマウォールを提案した」と話す。
入賞作品はいずれも住まう人の要望や暮らしをくみ取り、豊富な知識と高い提案力で施主と審査員を納得させた。
■コンテストがモチベーションに
最新情報をSNSでチェックしたりショールームに足を運ぶ人が増え、昨今のユーザー側の情報感度は高い。キーワードである「家事らく」だが、「昔の台所に比べ、今ある製品はいずれも収納力や清掃性、機能面が高くリフォームするだけで自然と『家事らく』になる」(青木住巧・青木代表)と言う。このような中、提案力の高さがいっそう重要な決め手となる。
リフォームコンテンツ強化策の一環でもある本コンテスト。「過去の受賞作品を研究し提案力を磨き、想像以上の全国最優秀賞をいただいた」、「コンテストの挑戦が壁を乗り越える力や続けていく力になる」などの声も。施工技術や提案力を競い、モチベーションを高める場としてますます熱気が高まりそうだ。
(日本物流新聞2025年4月10日号掲載)