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ファザーマシン2/Chapter55

投稿日時
2025/09/10 13:21
更新日時
2025/09/10 13:24

卓上射出成形機で初めての成形

みなさんこんにちは。工業系YouTubeチャンネル、なんとか重工のとんこつです。今回は、「初めての射出成形編」をお送りします!

2020年3月、ケロさんが所有していた「アルマイトキット彩」を通じて、私は株式会社オリジナルマインドという会社の存在を知りました。自宅で誰でもアルマイトができるようになるこのキットは本当に画期的で、当時からかなり印象に残っていました。

射出成型機で作った「コマ」です

オリジナルマインドさんは他にも、デザイナーやクリエイターが欲しがる魅力的な製品を数多く取り扱っており、中でも卓上CNCフライス「Kitmillシリーズ」はファンも多く、同社を代表する人気製品です。

そんな企業さんと何か一緒にできたら…そう思った私は、いつものごとくダメ元でお問い合わせフォームから営業メールを送ってみることにしました。

なぜ「ダメ元」かというと、オリジナルマインドさんは自社のブランドイメージを非常に大切にしている会社で、特にユーチューバーとはコラボされないと思っていたからです。正直、断られても仕方ないな…と半ば諦め気味でした。

ところが数日後、なんと担当者の方から返信が! しかも、思ったよりも好感触で、そこからあれよあれよという間にコラボ企画が決定しました。

そして動画でご紹介することになったのが、卓上射出成形機「INARI」です! この機械は、樹脂ペレットをヒーターで加熱して液状にし、それを「てこの原理」を利用した機構で金型に射出し、成形するという、なんともメカメカしくてロマンのある製品。しかも卓上サイズで、自宅でも本格的な樹脂成形が楽しめるというのが最大の魅力です。

■コメ欄のアドバイスも参考に

とはいえ、私自身「射出成形」は初めての経験。成形品なんて身の回りに山ほどあるし、理屈はわかる。でも、いざ自分でやってみるとなると「本当にうまくできるのか?」と内心不安でいっぱいでした。だって企業案件ですからね、できなかったら普通にマズいです(笑)。

金型は自前で卓上旋盤を使って用意することにしました。

もちろん、こんな機械は一般のご家庭にはまずありませんが、今回は視聴者に射出成形の原理を伝えることを目的にしていたので、そこは割り切っての選択です。

ただ、案の定というか、金型作りでは盛大に失敗しました。アルミの丸棒に穴を開けて内径加工したのですが、肉が厚すぎて全然ダメ! しかも、抜き勾配(型から外すための角度)も設定していないという大失態。何してたんでしょうね、私(笑)。

ですが、何度かやるうちに少しずつ上手く成形できるようになりました(原因不明)。

そしてありがたいことに、動画のコメント欄には有識者のみなさまからたくさんアドバイスもいただけて、非常に学びの多い企画となりました。

同じ「ものづくり」でも、扱う素材が違えば手法も全然違う。でも、そこがまた面白くて、私は心の底からこの企画を楽しめました。

結果として、今回もオリジナルマインドさんにお声がけして本当によかったと感じています。

この企画を通して、普段何気なく見ている成形品が、どんな金型で作られているのかを想像するようになりましたし、「知っている」と「やったことがある」では本当に雲泥の差があると痛感しました。

次回もお楽しみに!

(日本物流新聞2025年9月10日号掲載)

工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ

工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は13.4万人(2025年9月10日現在)