連載
ファザーマシン2/Chapter50
- 投稿日時
- 2025/06/25 09:27
- 更新日時
- 2025/06/25 09:30
ヤマザキマザック工作機械博物館を取材
みなさん、こんにちは。工業系YouTubeチャンネル、なんとか重工のとんこつです。今回は、「ヤマザキマザック工作機械博物館編」をお送りします。
今となっては、どこでその存在を知ったのか全く覚えていないのですが...いつからか気になっていた場所。100年前の工作機械が"動く状態"で保存されている、国内でも有数の貴重な博物館です。

お土産でプラモデルを購入しました
しかも、元々はヤマザキマザックさんの実際の工場。岐阜県美濃加茂市の地下にあるという、なんとも珍しい立地(ちなみに現在の工場は近くに移転しています)です。地下に工場を作った理由は諸説あるようですが、温度変化を最小限に抑えるためだったという話を聞いた気がします。
実は私、この工場が現役だった時代に、会社員として見学に訪れたことがあります。あのときは、地下とは思えないほどの広さと設備にただただ驚いた記憶が。そんな工場がいつの間にか“博物館”になっていた。しかも「工作機械の博物館」!聞いたときは耳を疑いました。
これはもう絶対に取材したいと思い、MECT2019の取材をきっかけに声をかけてみました。
すると、快く承諾してくださったものの、当時はコロナ禍の真っ只中で残念ながら休館中。しかし約2ヶ月後、再開の連絡を受け、急いで企画書を作成し、具体的な打ち合わせを進めていきました。
撮影日当日は曇り空。個人的にどうしても入口のピラミッドの前でオープニングを撮りたかったので、雨が降らなくて本当に良かった…。
ちなみに私のスタンスとしては「下見は極力行わない」派です。ファーストインプレッションを大切にしたい、というカッコつけた理由もありますが、正直なところ、芝居ができないので“初見”を大事にしています。
なので事前に現地には行ったものの、ほとんど見ずに帰りました。ネタバレは絶対にNGです(笑)。
■ものづくりの進化がわかる
館内を案内してくださったのは、副館長の髙田さん。工学博士でありながら、特級技能士の資格も持つまさにプロフェッショナル。映像の構成は、実際に現地に来たような雰囲気を楽しめるテレビのロケ番組風にしました。
博物館では、ヤマザキマザックさんの歴史はもちろん、製造業界全体の進化も学ぶことができます。目玉はなんといっても、当時の工場を完全に再現した段車工場。各機械がすべてシャフトとベルトで繋がっていて、メインシャフトが止まると全部が止まる。そして、その動力が元は「水車」だったと聞いてさらに驚きました。
同時代の外国製の工作機械も多数展示されていて、その完成度の高さにも驚かされます。「工作機械の博物館」と聞くと、ちょっとマニアックなイメージがあるかもしれませんが、小さなお子さんでも楽しめる体験コーナーやD51、T型フォードなどの展示もあり、幅広い層にオススメできます。
最後は最新のスマートファクトリーのエリア。汎用機やテープの機械を見た直後に訪れると、まさに“タイムスリップ”したような感覚になります。動画もぜひ見ていただきたいのですが、何よりも現地で体験してほしい場所です。
この記事を書きながら、私自身また行きたくなってしまいました。次回もお楽しみに!
(日本物流新聞2025年6月25日号掲載)

工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ
工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は13.3万人(2025年6月25日現在)