連載
ファザーマシン2/Chapter44
- 投稿日時
- 2025/03/21 17:25
- 更新日時
- 2025/03/21 17:29
覚えてよかった「ドリルの手研ぎ」
みなさん、こんにちは。工業系YouTubeチャンネル、なんとか重工のとんこつです。
今回は、「ドリルの手研ぎ動画」をお送りします!

研ぐ前のドリル(左)と研磨後のドリル
卓上旋盤を購入したこともあり、この頃から機械加工の教育動画に力を入れ始めました。当時、旋盤の基礎的な使い方を解説する動画は珍しく、DIYユーザーだけでなく製造業関係者にも見ていただくことが増えました。
そして、機械加工の基本中の基本ともいえるドリルの手研ぎに関する動画も制作。この手研ぎに関しては自信がありました。というのも、初めて就職した会社で徹底的に修行したからです。
師匠に基礎を教わり、時間があればひたすら師匠の研いだドリルとにらめっこしながら、それを真似して研ぎ続けました。研いでは試し削り、また研いでは試し削りの繰り返し。ドリルが短くなる頃には、なんとなくですがコツを掴んでいた気がします。
転職してもその技能に助けられることは多く、ユーチューバーになってからも大いに活躍する技術となりました。その一つが、この動画「ドリル手研ぎ職人による、ドリルの手研ぎ!」です。
意外にも、この頃はドリルの研ぎ方を詳しく解説している動画は少なかったのです。研いでいる映像だけでなく、ホワイトボードを使って初心者の方にもわかりやすい動画になるよう心掛けました。
当然ですが、この動画を見ただけですぐに研げるようにはなりません。あくまでも、コツを掴むためのもので、上達するには研ぎ続けるしかありません。
そもそも研磨機のある会社では不要なスキルですし、予備のドリルがたくさんある環境なら習得する必要もないでしょう。
■穴あけは加工の基礎
しかし、少しでも原理を知っているだけで、トラブルが起きたときに役立ちます。
「なぜ穴が大きくなるのか?」
「なぜ穴位置がズレるのか?」
手研ぎを続けていると、こういった疑問の答えが少しずつわかってきます。穴あけは一見地味な作業ですが、そこには機械加工の基礎が詰まっています。どんな未知の新素材でも、とりあえず穴さえあけることができれば、他の加工はなんとかなる!
マニアックな動画なので公開するまではドキドキしていましたが、ドリルは鉄工だけでなく木工でも使うので公開直後から多くの方に見ていただけました。
また、動画のコメント欄も盛り上がっていて、「昔よく研いでいた」「説明がわかりやすくてよかった」といった嬉しい声もいただきました。
こうやって誰かの役に立つコンテンツを増やしていくことに、やりがいも感じていました。
ドリルがある程度研げたら、旋盤のロウ付けバイトも研げるはずなので、さらなるスキルアップにつながります。こうした基礎技術を身につけることで、一気に仕事の幅も広がります。
とはいえ、道具や物流の発展により新しいドリルを入手することは容易になっているため、「全員が習得すべきだ!」とまでは言いません。しかし、手研ぎの技能は機械加工をする上で一生モノのスキルであることは間違いありません。
次回もお楽しみに!
(日本物流新聞2025年3月25日号掲載)

工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ
工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は12.9万人(2025年3月21日現在)