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ファザーマシン2/Chapter33

まさかの「バズり」でフォロワー急増

皆さん、こんにちは。工業系YouTubeチャンネル、なんとか重工のとんこつです。今回は、「バズの代償」をお送りします。

YouTube活動を始めた頃、動画制作はただ何気なく撮影していただけでしたが、那須さんから動画の撮影技術を教わり、そこで撮影の奥深さを知りました。映像制作とは、単にカメラを回すだけでなく、どのシーンをどう映すかを考えながら撮影すること。そして、ここに「カメラ設定」という要素が加わることで、一気にプロっぽい映像が作れるようになります。

公開2週間後、1日31万回再生された時のグラフです

絞り、シャッタースピード、ISO感度、ホワイトバランスなどの調整と組み合わせです。例えば、背景をぼかして被写体を際立たせたいときは絞りを開放し、切粉のパラパラとした動きを演出する際にはシャッタースピードを上げてみる。

また、ISO感度とホワイトバランスをシーンごとに固定することで、明るさや色味を一定に保つことも重要です。これらの設定を調整することで、自分の思い描いた通りの映像が作れるようになりました。

こういった撮影条件の出し方は、機械加工ともよく似ています。多少条件が間違っていても加工できるドリルやエンドミルのように、カメラもボタン一つで撮影は可能です。しかし、条件がバチッと合ったときは、加工も映像も格段にクオリティが上がります。同じ機材でも、使い方次第で映画のように人を惹き付ける映像が撮れたりします。

そんな教わった技術を駆使して撮影した動画の1つが、「チュッパチャプスが開かないときの対処法。」という伝説? の動画です。これは、工作機械を使って何かバカっぽいことをやってみたいという衝動で生まれた企画です。

撮影時間は30分もかかっていなかったと思いますが、これがまさかの大当たり! 現在は162万回再生されており、なんとか重工の動画の中で再生数第2位を記録しています。

この1本で8000人ほど登録者が増えましたが、正直ここまでバズるとは思っていませんでした。

なぜなら、公開当初はあまり再生されておらず、24時間で7000回再生。しかも登録者は3人減っていました(笑)。

それでも、誰かが「面白い」と思ってくれて、それを拡散してくれたことで数週間後にはチャンネル史上初の大バズりとなりました。止まらない通知とみるみる増える再生数に、連日大喜び。普段あまり視聴されない若い層や海外からの視聴も多く、言葉の壁を越えて世界中の人に見てもらえました。

Buzzの力を改めて思い知った出来事で、テレビでこの動画が紹介されることもありました。当時は「こんなんでいいの?」と思ったり、普段と違う「ものづくり」ではない動画のブレイクに少し困惑もしました。

ただ、このバズりは狙ってできたものではなく、完全なマグレです。その後、思いついたことを片っ端から試しましたが、狙ってやった動画はどれもうまくいかず、バズりの嬉しさと同時にYouTubeの難しさも目の当たりにしました。

結果的に登録者は増え認知はされましたが、この動画が代表作となるのは不本意で、本当はもっとちゃんとした動画でバズりたかったです

こうした試行錯誤を繰り返す中で、少しずつ自分たちのスタイルが確立されていきます。今回はここまで。次回もお楽しみに!

(日本物流新聞1010日号掲載)



工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ

工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は12.6万人(2024年10月10日現在)