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ファザーマシン2/Chapter23

溶接動画が100万回再生!

みなさん、こんにちは。工業系YouTubeチャンネル、なんとか重工のとんこつです。

今回は、「確かな手応え編」をお送りします!

活動開始から約半年後にやっと収益化されたなんとか重工は、これまでの設備投資分を回収するべく動画制作に励んでいました。

ふと、YouTubeアナリティクスを見てみると不思議な光景を目の当たりにします。「過去の動画がめちゃくちゃ伸びてる!!

基本的にYouTubeでは、最新の動画が短期間でもっとも多く再生され、時間経過と共に再生数は徐々に下がってきます。

しかし、この動画は時間経過では逆の現象が起こっていました。例えばアルミホイル玉アルマイトの動画は短期間で爆発的にバズりましたが、その後はピシャリと止まり、最近では全く再生されません(泣)。

しかし【100V溶接機の使い方を初心者に教えてみた!】という動画は、最近でも月間ランキング(なんとか重工の)に入るぐらい再生されるメガコンテンツの1つです(現在102万回再生です)。

今までの傾向から「100V溶接機」に需要があると考えた私たちは、100V溶接機の使い方を丁寧に教える動画を制作してみることにしました。

動画は本当に溶接初心者のとんこつが、経験者であるケロさんに溶接を教わるというもの。SUZUKID100V半自動溶接機を使い、まずは家庭用の電源でも使えるように昇圧器を接続するところからスタート。母材に応じた電圧の上げ下げや、ワイヤ送りのスピード調整などについて説明し、手袋や溶接面など安全に溶接する上で必要なアイテムを紹介。実際に溶接してみて問題点を探りながら、正しい溶接のやり方をレクチャーするという内容です。

この頃では珍しい長めの20分を超える動画で、編集もかなり大変だったことを覚えています。

■作ったモノが評価される喜び

当時は100V溶接機を使った教育動画がなく、「溶接DIY動画の中でいちばん分かりやすかった」「動画のおかげで下手なりに溶接できるようになった」など、コメントですごく感謝されました。

この動画において、内容をわかりやすく伝えるには「専門用語をなるべく使わずに言語化すること」が、如何に大事かを学びました。

こういった教育系動画はヘルプコンテンツと言い、視聴者が具体的な情報や解決策を求めて検索する可能性のあるコンテンツで、流行りに左右されず長期間にわたって安定した再生数を生み出します。

もちろん当時の私たちにそういった目的はなく、狙って作ったわけではありません。ただ手探りなりにも、自分たちで考えて作った動画が、徐々に世間(ごくごく一部)にも認知され評価されるようになり、少なからず手応えを感じていました。

この手応えが、当時の仕事(機械加工)では味わえないことで、特に製造業は、縁の下の力持ちで日の目を見ること自体が少なく、スマホや自動車のような最終製品でなければ評価されることはほとんどありません。

自分が一生懸命作った部品もどこに使われているのか、何に役立っているのかわからないことが多い。それに比べてYouTubeSNSは、良くも悪くも全部数字やコメントで結果が出ます。

ファンと呼べる人が増えていく感覚、応援してくれる人が増えていく感覚、どちらもYouTubeを始めるまでは味わったことのない経験で、心の底からYouTubeが楽しいと思える瞬間です。今でも動画公開直後はどういった反応なのかすごく気になってアナリティクスを見まくってしまいます(笑)。

次回は、インフルエンサー?編です。お楽しみに!

2024515日号掲載)

工業系YouTuber【なんとか重工】とんこつ

工業系YouTubeチャンネル【なんとか重工】を、相方のケロと2人で運営。旋盤やフライス、マシニングに溶接機、3Dプリンターなどを活用して自分たちが作りたいモノを作るチャンネル。登録者数は12.4万人(2024年5月17日現在)