産業潮流
「熱すぎる」データセンター、冷却設備需要に熱視線
- 投稿日時
- 2026/04/10 14:16
- 更新日時
- 2026/04/10 14:21
AI需要の高まりで
データセンターに関わる機器やサービスに注目が集まっている。背景にはAI需要の高まりでデータセンターが建設ラッシュを迎えていること。またデータセンターに大量に並ぶ、データを処理する計算機「サーバー」は従来の空冷では追いつかず、水やフッ素系冷媒を用いていかに冷却するかが課題になっていることがある。3月24、25の両日、東京・港区の産業貿易センター浜松町館で開かれたData Center Japanに冷却装置やケーブル、ポンプ、管理システムなどが集まり、熱気に包まれた。

熱気に包まれた展示会場
同展は昨年、主催する日本データセンター協会が設立15周年を迎えたのを記念して開かれた。好評につき今年は2・4・5階と階を増やし、昨年より47多い182社・団体が出展。2日間で同1.6倍の8677人が訪れた。聴講席100人規模の併催セミナーの多くは満席で立ち見客が多く見られ、来年はさらに規模を拡大するという賑わいだ。
ダイキン工業はデータセンター向けソリューションの1つとしてフッ素系冷却液「DAISAVE」を紹介した。低GWP(地球温暖化係数)かつオゾン破壊係数ゼロ、低粘度でメンテナンスが容易という特長に加え、「液浸冷却」ができる。液浸冷却とはサーバー全体を液体に沈めて冷やす方法。液体は空気よりも熱伝導率と熱容量が高いため、効率的に冷却できる。同社は「サーバーの冷却は今後『液浸』が有力な選択肢になるだろう。北米などで一部実用化されている例もあるが、当社としてはまだ検証用の納入にとどまる」と言う。ラインナップとして「SS-110」(沸点110℃)、「SS-49」(49℃)を液浸用として展開。加えて二相DLC(Direct Liquid Cooling)向けに、融点がさらに低く冷却効果の高い「TSS-12」(43℃)を来年発売する予定だ。二相DLCはコールドプレートと呼ばれる冷却板をチップの上に取り付け、内部で液体を沸騰させ熱を奪う冷却システムで、様々な冷却方式に対応できるよう開発を進めている。
同展に初めて出展した鎌倉製作所はコンテナ型のハイブリッド空調機「AirX」を開発したことをアピールした。地下水を利用した冷水コイル(中間期および夏期に稼働)、冷媒を利用した直膨コイル(夏期)、屋外の空気を利用した外気冷却(中間期および冬期)の3つの冷却方式を自動で切り替える。「換気、冷却装置を開発してきた技術をデータセンター向けに結集させた。冬に外気を使うので省エネで、地下水を用いるものは業界で唯一だと思う」と話す。初号機は3月に新潟県南魚沼郡のデータセンターに納入し、年内に量産体制に入るという。

鎌倉製作所のコンテナ型空調機「AirX」の模型
サーバーやHPCのパフォーマンスを引き出す直接液冷配管、サーバー水冷ユニット用の継手「コンパクトゼロスピルカプラ ブラインドメイトタイプ」(最大外径26.5㍉)を参考出品したのは日東工器。真ちゅう製とアルミニウム合金製を用意する。接続許容偏心量2ミリ、接続時プレート間接続許容範囲2㍉、許容傾斜度0・4度でラックやユニットの設計に余裕をもたせることができるという。

日東工器の水冷ユニット向け継手「コンパクトゼロスピルカプラ ブラインドメイトタイプ」
(日本物流新聞2026年4月10日号掲載)