4年ぶり2度目、省エネ訴求
北越工業は6月22日までの2日間、同社大阪支店(大阪府摂津市)で産業向け製品を含む主要製品の展示会を行った。2019年11月に行った新社屋内覧会以来、約3年半ぶりということもあって、商社や販売店、ユーザーなどから50社・150人以上が訪れた。
「省エネ」をテーマに据え、屋外設置向けの主力製品を多数展示。省エネ性能に優れたスクリューコンプレッサ「SMS-V」シリーズやBCP対策としてディーゼルエンジンを搭載した一般停電用予備発電機「SDG-E」シリーズなどを提案した。オリオン機械、フクハラ、明治機械製作所などとの協力展示で、コンプレッサ周辺機器を含めた提案を行った。
同社の堀内義正社長は「環境対応や省エネなど近年の重要な課題に対してフォーカスしている。屋外設置に強みを持つ当社にしかできない提案を実機展示やセミナーを通じて感じていただきたい」と話した。
会場で特に注目を集めたのが台数制御システムだ。コンプレッサ間の配線接続だけで最大4台のコンプレッサを制御できるもので、自社展ならではと言える機械を動かしながらの実演展示に人だかりができた。同社の担当者は「負荷に応じて稼働する台数を制御し、必要としないコンプレッサを停止させることで、消費エネルギーを最小限に抑制できる」と説明。これまで別途必要であった制御盤をなくすことで、設置施工の簡略化や設置工事スペースの縮小、イニシャルコストの低減などにも貢献する。
5月に幕張メッセで開催された建設・測量生産性向上展で初公開された水素専焼エンジン搭載のコンプレッサのコンセプトモデル「SHS110S」も実機展示された。同社の開発担当者は「従来機種に対してまだまだ性能的に不足している部分はある」としながらも、これまでバックアップ用として活用されていたディーゼルエンジン搭載のコンプレッサに代わる次世代機として意欲的に取り組む姿勢が窺えた。
このほかにも各日午前・午後に2回「コンプレッサを屋外に設置するメリット」「コンプレッサのDX〈省エネ編〉」セミナーや相談ブースを設置するなど、実機による実演と併せてリアルで見て・聞くことで、顧客にとって省エネ機器・取り組みへの理解を深められる機会となった。
(2023年6月25日号掲載)